ep.25 二人で薬屋へ
数日が経っても、カリナとイリスは薬屋にいた。
イリスの経過観察という理由はもう半分口実で、気づけば二人とも、当たり前のように薬屋の寝台で眠るようになっていた。
「そろそろ、ちゃんと話をしないとね」
独り言のようにこぼしてから、シャーロットはグレアムの家を訪ねた。
事情を話すと、グレアムは顎に手を当てて、しばらく考え込んだ。
「二人にも聞いてみよう」
その日のうちに、グレアムは薬屋を訪れた。
店の中を見回し、寝台や台所を確かめてから、カリナとイリスへ目を向ける。
「二人とも、ここにいたいのか?」
カリナは少し迷ってから、はっきりと頷いた。
「うん。ここがいい」
イリスもカリナの袖を掴んだまま、こくこくと頷く。
グレアムはしばらく二人を見つめてから、シャーロットへ向き直った。
「シャーロットは、それで大丈夫なのか?」
「はい。私も、二人にいてもらいたいです」
「分かった。では、しばらくここで暮らしてもらおう。村の方のことは、俺が引き受ける」
「ありがとうございます」
「何か困ったことがあれば、すぐに知らせてくれ」
グレアムが帰ったあと、シャーロットは物置にしていた小部屋を片付け、二人分の寝具を運び込んだ。
狭い部屋だが、小さな寝台を二つ並べると、なんとか収まった。
カリナは自分たちの荷物を、決められた場所へ丁寧に置いていく。二人が持っていた物は少なく、それだけですぐに片付いてしまった。
イリスは新しい寝台に飛び乗り、嬉しそうに身体を弾ませた。
「ここ、わたしの?」
「そう。イリスの」
「やった!」
カリナはその隣で、自分の寝台の縁に腰を下ろし、部屋を見回していた。
「布団、あとで整えておくね」
「うん」
窓から差し込む夕方の光が、二つの寝台の間を照らしていた。




