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近年、現実の世界では遠隔操作で飛行し、敵目標を空爆する爆撃機の開発が進められていて、事実、既に実戦配備もされているらしい。
中には空爆による定点攻撃に留まらず、制空戦闘を行えるものさえあると、戦闘機の性能や技術などをまとめた情報サイトで見たことがある。
それら最新の技術を駆使した無人戦闘機の類であるのならば、コクピットがないように見えるこのフォルムにも納得できる。
ただ、と俊哉は機体の後方を見やった。
そそり立つ二枚の尾翼の根元を注視する。
機体を真横から見ている今の状態では分かり辛かったが、そこには明らかにジェットエンジンのノズルが見えた。
俊哉の知っている限り、既に実戦配備されている無人戦闘機は、未だプロペラ推進のものだったはずだ。遠隔操作の精度の問題上、技術は未だ音速の世界を無人機に与えられずにいるのだ。
既存の戦闘機とは一線を画すシステムの開発。
ロバートはそう言った。それはつまり、このことなのかもしれない。《X―2》のフォルムと、ロバートの言葉から、俊哉はそこまでのことを想像した。ほとんど空想、妄想の世界と言ってもいい。
だが、そこまで至って、ならば、という言葉が俊哉の頭に浮かんだ。




