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宵闇そのものの色といい、全体に両側面が長い二等辺三角形を思わせるあたりは、米空軍が有するステルス攻撃機、《F―177》〝ナイトホーク〟を思わせる。
だが〝ナイトホーク〟のそれよりも、全体像はよりシャープだった。長い槍の先端や、弓矢の矢じりを想起させる鋭さがある。その鋭さを助長する最大の要因は、既存の機体で言うところのコクピット周辺とキャノピーだ。
《X―2》と呼ばれた〝鳥〟には、既存の機体に見られるキャノピーがない。
いかに戦闘機搭載用の電子機器が発達し、超長距離で互いを捕捉し合うようになったとしても、戦闘機戦闘で重要視されているのはパイロットの目であり、視界なのだ、という。
その結果、戦闘機の特徴となっているのが、コクピットを覆う透明ポリカーボネート製のキャノピーだった。
既存の戦闘機では、形に違いこそあれ、いずれも搭乗者の良好な視界を確保する設計がなされ、キャノピーが取りつけられている。
しかしこの《X―2》には、そのキャノピーがない。
当然あるはずの部分には、他の部分と同じく、メタリックブラックの鋼鉄板が、艶めかしい光沢を放つだけだった。このため、一見するとコクピットが存在しないかのように見える。凹凸がなく、尾翼、主翼から伸びるすらりとしたフォルムが、あまりにも美しい。
もしかしたら、本当にコクピットが存在しないのかもしれない。
そう思い、俊哉はある一つの可能性に行き当たった。




