表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「数を数えるだけの無能」と追放された【計量士】、実は世界のすべてを測れました  作者: 青雨あき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/35

第二話 辺境の街の「測り屋」

 王都を離れ、流れ着いたのは辺境の鉱山街メルガ。かつて銀山で栄えたが、鉱脈が涸れて寂れる一方だという。


 俺は街の広場に、机ひとつの店を出した。看板にはこう書いた。


『測り屋 なんでも測ります 一件・銅貨五枚』


「にいちゃん、なんだいそりゃ」


 最初の客は、市場のおかみさんだった。半信半疑で差し出されたのは、肉屋で買った塊肉。


「二・三キロと言われて買ったんだけどね、どうも軽い気がして」


「一・八キロですね。五百グラム誤魔化されてます。ついでに言うと、その肉屋の秤は錘に鉛が仕込んであります。仕込んだのは二十日ほど前」


「なんで分かるんだい!?」


「錘の摩耗と埃の堆積量で。……測れるので」


 おかみさんは肉屋に怒鳴り込み、不正な秤が露見し、俺の店は翌日から行列になった。井戸の深さ、屋根の傾き、荷馬車の積載限界。測って、測って、測りまくった。


 三日目、鉱山ギルドの親方が渋い顔でやってきた。


「測り屋さんよ。あんた、地面の下も測れるってのは本当か」


「試しますか」


 俺は目を閉じ、街の地下に意識を向けた。数字の奔流。涸れた銀山の坑道、その先――。


「旧坑道の第三支道、行き止まりの岩盤から西へ三十八メートル。銀鉱脈、推定埋蔵量六百トン。ただし手前の岩盤は掘削の振動で崩落します。崩落までの許容振動量も測れるので、掘るなら発破は使わず、こちらが指定する順序で」


 親方は口をあんぐり開け、それから俺の手を万力みたいに握った。


「あんた、うちの山の専属になってくれ! 報酬は言い値だ!」



 ――追放から、まだ五日目のことだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ