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街ついたし、ドラゴンの卵を運ぶしかないじゃん!

ドラゴンってロマンありますよね!

トコとアノイは無事に入国に成功した。

国の名前はスーリア王国。首都トパジア

オレンジのランタンが輝き、赤茶の石畳が美しい。

中に入ると屋台や市場が広がっており、たくさんの種族で賑わっていた。

耳の長い人。大柄な人。小柄な人

商売をしている人や踊ってる人もいる。 

ものすごく楽しい街だ。最初の街がここで良かった!


この世界には数多の種族がいる。

コモン、

ゴブリン、

ハーフリング、

エルフ、

ハイエルフ、

ダークエルフ、

ドワーフ、

オーガ、

ヴァンパイア、

獣人族がいるという。

コモンがコモンたらしめてしめているのは耳もとがっておらず、身長も大きくも小さくもない人間はどの種族よりも多く、ありふれていてレアリティが低いと一部のハイエルフが言い出したことからコモンと言うらしい。

しかし、この街は特に種族間の境い目がないフラットな街らしい。

トコはへえ〜〜?とわかったかわかってないかの境い目みたいな返事をして市場に目をやる。

うわ~!おお!!!これ何?!美味しそ〜!

いつ迷子になってしまうか分からないほど興奮していた。

アノイは後ろにぴったりホーミングして行動をニコニコして見ている。

トコがぼったくりの骨董品に引っかかりそうになっている時、アノイはまた、トコの両肩に手を置いて

「トコさまとりあえず、宿を取りましょう。」

アノイは冷静だ。トコだって宿のことを忘れてた訳じゃないぞ。

ちょっと興味深い事が多すぎただけだよ…ゴニョゴニョ。


アノイ厳選、この辺りで一番ご飯が美味しい酒場の近くの宿を取った。

ベットもふかふか〜!!!へへ〜!

トコはベットからぼふん!と立ち上がると指の先を天井に突き上げた。

「よーーーーし!ギルドだ!ギルドに入るぞ〜!!」

本をパラパラとめくりながらアノイは微笑む。

「入ってどうなさるんですか?」 

指をパチン☆と鳴らしアノイを指さした。

「そんなの!依頼を受けるんだよ!!」

トコとしては持て余す使ったことのないパワーを使いたくてうずうずしているのだった。

「フフ。かしこまりました。お供しましょう。」


ギルドの近くまで来ると外の通りまで多種多様の冒険者が飲みや賭博や取引をして盛り上がっていて人気のあるギルドなのだとわかる。

外にも依頼掲示板があり、トコはすぐに飛びついた。

『薬草採集』『モンスター討伐』『護衛任務』

どれも面白そう。キョロキョロと全体を見渡していると、少し高い位置に赤いスタンプが押された依頼用紙が見えた。

気になってトコは、【マスコットフォーム】で変身してその高さまで飛んで依頼用紙を見に行った。


くるりん!パッ!


「どれどれ〜?」

 【急募】

ドラゴンの卵運搬

割れ物につき破損時買取

空を飛べる方歓迎!

「……!」 

いかがなさいましたか?とアノイも上に浮遊してきた。

トコは依頼用紙を壁から剥がすと

「こ、これだあ〜!」と掲げた。

「ドラゴンの卵!!ロマンある〜!」

「ドラゴンの赤ちゃん見た〜い!!!」

「ふむ。破損時の損害賠償費は金貨150枚だそうですよ。」

ギィッ!と氷のように固まったがそれを凌駕するだけのロマンがそこにあった。

「せっかく空飛べるのにもったいないよ!」

「絶対絶対やる〜!!!」

「フフ、かしこまりました。手続きしてしまいましょう。」

ギルド内に入ると受け付け嬢が待ち構えていた。

アノイは受け付けへ向かうと受付嬢にニコリと微笑む。

「入会と依頼受注希望のものです。どの方にお伺いしたら良いですか?」

いつもむさ苦しい冒険者の相手をしてばかりしている受け付け嬢は突然の品のあるイケメンが受け付けに来たので、わあっと黄色い歓声がして誰が対応するかと話していた。

手続きが始まるとアノイは書類をカリカリと書き始めた。

トコはというとキョロキョロしていたが、アノイに任せきりなことに気づき、そろりと近づいた。

「トコって何かすることある?」

アノイはトコをちらりと見ると、持っていた書類を見せた。

「依頼受注、身元登録、契約確認、輸送保険、破損責任、経路確認、積載許可申請をしております。」

にんまり!はは!

ココにはトコのやる事は無さそうだね!

「ええ、周りを見て楽しんでいてください。」

トコはギルド内にある掲示板も見つけるやいなや、うあー!!掲示板!!!ファンタジー!!酒場!!乾杯!!腕相撲大会もしてる!!

どんちゃん騒ぎを体で浴びて胸を躍らせた。

前世では人ごみや喧騒なんかを浴びたら2、3日は寝込んだであろう。今、倒れない体を持っている自分になぜか誇らしくなった。


あらかたの手続きを終えたアノイはトコにわかるように簡潔に依頼内容を伝えた。ココから南に下ったところにある港町アンバールにドラゴンの卵を運ぶという仕事だ。割らず、孵さず運ぶことが重要らしい。

失敗すると損害賠償費金貨150枚らしいので最新の注意が必要らしい。


依頼主の元へいくと少しピリついているのがわかった。

この卵は貴族のご令嬢がご所望している貴重なピクシードラゴンの卵で、ミントグリーンに光りの加減でオーロラに光るのが何とも美しい卵だ。

ピリつきの原因は数日中に孵ってしまいそうなのだという。持って1週間。陸路では頑張っても3週間は掛かる可能性があり、空路で探していたそうだ。

トコは【ライドフォーム】に変身し、卵を固定する用の緩衝材入りの箱や、鞍を用意していざ出発!

カッカッと気合いのヒヅメを鳴らした。

アノイはトコの体に【衝撃を緩和する魔法】と【スピードを上げる魔法】、【体が軽くなる魔法】を重ね掛けてくれた。

エルフですら重ね掛けは行動技術なのにアノイは昼食をドライブスルーで選ぶようにスススッと選びかけた。

魔法という技術はいかに緻密に呪文を書き、数多の精霊にお願いを通せるかが問われる行為のことを魔法と呼んでいるそうだ。そんな中で元AIのアノイは自分の意思でお願いなしで魔法を使える存在な為、重ね掛けも余裕なのである。

人の姿をしている精霊などさして多くない為、後にウワサになるのであった。


さて、そんな事は考えてもみない2人は空路でドラゴンの卵運送を開始するのであった。

二人の旅は始まったばかり!

ポンコツ魔女と万能精霊の旅をお楽しみに!

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