第12回 満寵、合肥新城の築城を提案する
満寵が本拠地とした合肥城は、幾度となく孫呉の侵攻の標的とされてきた。しかし、今まで、何とかことごとく跳ね返してきた名城であると言える。
しかし、幾度もの侵攻を受けてきた結果、城塞も老朽化を余儀なくされてきており、満寵はここで秘策を明帝に提案するのである。
「合肥新城の築城」である。
合肥城が侵攻を受けやすいのは、孫呉が得意とする「水陸連携」の攻撃が取れるところが原因の一つとして挙げられる。
今まで、歴戦の勇将たちのお陰で死守してきたが、もうそれも限界に達しようとしていた。
そこで、満寵は水陸連携の取れないもっと内地に新城の築城を行い、揚州の防護拠点とすることを提案したのである。
そうすれば、孫呉の得意とする水陸連携を封じ込めることができ、今まで以上に効率的な防衛を行うことが出来る、ということである。
現在の本拠地を破却して、新しく作り直すというのは異例の提案と言えるが、満寵は合肥城及び合肥新城の築城候補地の周辺調査を徹底的に行い、如何に、新しく城を築きなおした方がよいかを明帝に上奏した。
この上奏の検討には、それ相応の時間がかかり、反対意見も多く出るであろう、と満寵は予測をしていた。よって、上奏の可否について極力気にすることはやめ、日々の職務に励んでいた。
すると、上奏して一ヶ月経つか経たないかの内に、
「合肥新城の築城を許可する」という裁可が降りたのである。明帝は、満寵の詳細な上奏に自ら目を通し、誰に謀ることもなく、この裁可を下したという。
これは明帝が、如何に満寵を信用し、満寵が必要であるというのならその後押しを惜しげもなくする、ということの表れであった。
普段は感情をそれほど露わにしない満寵であったが、この度の明帝の裁可には感動を覚え、この期待に応える、と改めて明帝への忠誠を誓ったのである。




