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Episode75 転送装置

◆今回初めて登場する人物◆

アルカス(31)

天空要塞・アルカディアの代理管理人。アルカディアを操作出来るのは彼とモーゼスだけである。

 昇格試験前日の昼間。僕は、支度を済ませ、馬車でバーロンの家まで送ってもらい、彼を連れてから、同じ馬車でサンシャイン空港に向かった。

 そして、着いた。僕たちは馬車から降り、代金を払って(バーの家までの代金は帳消しにしてくれた)空港の手続きを済ませ、小型飛行機に乗りこんだ。それから、約10分。席が満員になると、飛行機は飛び立った。

 「なぁ、リドナー。」

バーロンが話しかけてきた。僕は、

「何だ?」

と言う。すると、

「お前、瞬間移動使えるのに、どうして飛行機で行くんだ?お金かるだろ?」

と聞いてきたので、

「あぁ、それは、道がわからなきゃ意味がないからだよ。瞬間移動ってのは、目に見えない速さだけど、走っているのと同じなんだ。だから、障害物に当たったら、ひとたまりもないんだ。リスクは減らしたいだろ?それに、僕でもたどり着けない距離かもしれないしね。」

と答えると、彼は納得してくれて、今度は違う話を持ちかけてきた。

 そんなこんなしてるうちに、時間はあっという間に過ぎていった。離陸から3時間50分。飛行機は旋回を始めるが、すぐに着陸先が定まったようで今は徐々に高度を下がってきている。下には、6つの大きな島々と、無数の小さな島々。そして、色の違う7つの城。その光景に僕は思わず見とれてしまった。

 こうして、僕たちを乗せた飛行機は無事、ハーヘェン空港に着陸した。それから、完全に飛行機が止まると、ドアが開いたので、僕とバーロンはそこから出た。どうやら、ここは都からかなり離れているらしく、町というよりは村という感じだった。ここには、石造の家や、木造の家しかない。僕は、どこもこんな見慣れた風景なんだろうな。美麗なのは城だけか...。と、思っていた。都郊外に着くまでは。

 僕は、その風景をみて驚いた。あたりには、レンガで出来た建物が並び、中央には石で出来た3重と空からも見えたあの城。僕たちは、その綺麗な建物の間を歩きながら、酒屋の店長から送ってもらった地図を頼りに、転送装置を見つけた。

 そこには、たくさんの老若男女、剣士が列をなしていた。僕たちは、その最後列に並び、自分の番を待った。

 そして、その時は来た。僕たちは、地下へと案内され、

「あの転送装置に入ってください。」

と言われたので、指示通り、その装置の中に入った。すると、瞬間移動のときとは違う、わけのわからない気持ち悪い感覚に襲われ、僕たちは酔いかけた。それでも、目をつぶって、なんとか我慢した。

 と、その感覚がぷつんと消えた。僕たちは終わったのだろうと思い、目を開けた。すると、そこはもうアルカディアの中だった。上を見れば、ガラス張りのドームと、やけに近い青空。前を見れば、赤茶色の石造の建築。後ろを見れば、同じ石で出来た壁。その上には、迎撃用と見られる様々な兵器が設置されている。さっきの町とは違う美しさに僕はまた見とれてしまった。

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