Episode50 金色の機械
★今回初めて登場する怪物★
ゴルドン
古代の仮面形機械。色は金色をしていて、敵に気づくと、目を赤くして警報音を鳴らす。
僕はまず、床に落ちた剣を拾い、
「頼むぞ!ガイーヌ!」
と言う。すると、ガイーヌはテレパシーで
「お任せください。」
と返してくる。だから、敬語はやめろと言っただろ。僕はそんな気持ちで杖に魔力を集め始めた。
「やぁぁぁぁぁ!」
そして、思いっきり剣を振り下ろす。しかし、結界は壊れない。魔力が足りないのか?僕はそう思ってさらにさらに魔力をこめていく。すると、ピキッ、ピキッ!と音がし始め、最終的に、パリーン!と音をたてて、それは破壊された。
続いて、魔法を使えるようになった僕は、「キーピング」を唱えて、ゲートを開き、
「我が求むは『特殊魔法目録』なり!」
と言う。すると、それがゲートの中から出てきた。そして、何か役に立つものはないかと探していると、見つけた。開閉魔法「オープン」と「クローズ」だ。前者は、鍵のかかった扉を無理矢理開ける魔法、後者は鍵のかかっていない扉に無理矢理を鍵をかける魔法だ。これさえあれば、簡単に脱獄出来てしまうのだ。全く、何であのとき、自分の才能に気づけなかったんだ。僕はそんな悔しさを覚えた。
「扉よ、開け!オープン!」
僕は早速、唱える。すると今度は、魔法が発動し、鍵のあいた音がした。さらに、念のため自分たちを透明化し、織りの扉を開けようとした。すると、エリーナさんが待ったをかけた。どうしたのか聞いてみると、
「ここにシャドウナイトが来たらすぐバレます。だから、私の杖で幻影を作ります。」
と答えてくれた。
「わかった。じゃぁ、お願い。」
僕が言うと、彼女は
「幻影よ、汝を惑わしたまえ!ファントム!」
と、唱えて僕たち7人の幻影を作り出した。それが、終わると、僕たちは今度こそ扉を開け、そっーと外へ出ていった。大丈夫、バレていない。誰かが、透明化を見切る力を持っていたら別だが、バレないだろう。僕たちはそんな確信があって、廊下を歩き始めた。
そして、初めに僕たちが出くわしたのは金色の仮面形機械だった。僕たちは、透明化しているのがわかっていたが、つい近くの壁に隠れてしまった。それから、僕はその機械に杖を向け、
「エレキスピア!」
と唱えた。すると、杖先から紫雷を帯びた矢が1つ現れ、機械に向けて放たれた。ソイツはそれに気づいたようで、目が赤くなったが、次の瞬間、矢が直撃し、壊れた。
その後も、透明の状態で紫雷の矢を放って、放って、放ちまくって、ときどき、ゼロ距離で放ったりもしながら僕たちは出口を目指した。あと、途中で何体かのシャドウナイトにも出くわしたが無視した。
そんな作業をしていると、やがて、僕たちは出口にたどり着いた。僕は、また、「オープン」で扉を開き、こっそり外へ出た。そして、ふと後ろを見るとテーラの服の下の方が切れて、下着の一部が見えてしまっていた。白...白パンかよ!?今まで、自重してきたけど我慢ならん。男なら、動じないはずがない。僕は同様し始めた。さらに、彼女は
「どうしたの?そんなに動揺して?」
と首をかしげてくる。君なんだよ!原因はテーラなんだよ!何切っちゃってんの!?すっとぼけもここまでくると天然じゃないんだよ!僕は半分キレ気味でそんなことを思った。
てなわけで、僕の集中は切れてしまっていた。そして、気付けば透明化が解けていた。マリアには
「ちょっと、リドナー何してんの?」
と言われ、元凶であるテーラには
「何で解いたの?」
と言われ、あぁ、もう嫌だ。やーめーた!僕はそんな気分になった。のも、つかの間、ちょうど近くを通りかかった金色の機械に見つかってしまった。その様子に、僕たちは思わず口をポカン開け、
「あ。」
と言ってしまった。
それに続いて、機械は目を赤色に変えて、警報のような音を鳴らした。すると、その音を聞き付けた同じ機械たち、そしてシャドウナイトたちが集まってきたのだ。だぁぁぁ!もう終わった!僕は心の中でそう叫んだ。




