Episode49 剣の精
★今回初めて登場する怪物★
マルス
リドナーの剣に宿る礼儀正しい精霊。上級者の前でないと、存在すら隠しとおす。精霊は名前をつけることで契約が完了する。
シャドウナイトたちの牢屋に入ってからもう1週間がたってしまった。こうしている間にも、アークによる被害は広がっているだろう。そんなことを思ったある日、僕は不思議な夢を見たのである。
辺りは霧に包まれている。僕は起き上がり、辺りを見回す、とこをみても、何もないように見える。が、僕は不思議な感覚に襲われた。何もないはずなのに何かに導かれている気がしたのだ。
僕はとりあえず、その無の空間を歩いて、歩いて歩き続ける。そして、1時間ほど(僕はそう感じた)歩いたころ、遠くに光るものが見えたのだ。僕はそこへ走っていく。
そこには輝く剣が地面に刺さっていた。しかも、僕の剣だ。と、
「その剣に触れよ。」
どこからともなく声が聞こえたので、その声通り僕は剣に手で触れた。
すると、剣がさらに輝き始め、やがて、光が最高潮に達したかと思うと、剣の中から何かが出てきた。
「私は剣の精にございます。我が主。」
ソイツはいきなりそう言ってきた。
「剣の精?我が主?どういうこと?」
僕が率直な質問をすると、剣の精は
「そのままの意味でございます。私は、剣に宿る精霊、あなた様は我が主人でこざいます。」
と言った。
「精霊ってつくも神みたいなもの?」
僕はさらに聞く。すると、
「あやつらと同じにされるのは癪ですが、物に宿るという意味では似ています。つくも神は物に宿った負のエネルギーによるものですがね。」
と答えてくれる。
「それよりも、私に名前をつけてはいただけないでしょうか?そうすれは、あなた様とともにいられることが出来ます。」
剣の精は続いて、そう言い命名を迫ってきた。僕は仕方なく名前を考え込み、クラッシック音楽・剣の舞が使われるバレエの名前から『ガイーヌ』と名付けた。あと、敬語もいいと言うと、
「いえ、そのようなわけにはいきません。尊敬語や謙譲語が堅苦しいのでしたら、丁寧語ではどうでしょう?」
と返される。まぁ、それならいいか。そう思って僕は了承した。すると、
「承知しました。では、これからは丁寧語でお話しします。いつでもお呼びください。ガイーヌめは我が主のおそばに...。」
と答えられた。だから、敬語はやめろといっだろ!そうツッコもうとしたが、その前に夢が覚めた。
目が覚めると、僕はまず、破壊魔法「クラッシュ」を唱えてみた。しかし、爆発しない。何度唱えても、発動すらしない。そんなことをしていると、マリアが
「無駄よ。ここには魔法を禁じる結界が張られているわ。諦めなさい。」
と言ったので、僕は唱えるのをやめた。
そして、僕は「ガイーヌ」の名前を読んでみた。しかし、なにも起こらない。そんなことぐらいわかっていた。あんな夢誰が信じるか。やけに、リアルだったがそれはたまたま僕の想像力が高まっていたからであろう。何て思っていたら、何と僕の剣が飛んできて檻の格子の間を猛スピードですり抜けたのだ(「きゃっ!」と小さなマリアの悲鳴も聞こえた)。
「どうやったの?」
その後、マリアに聞かれるが僕も訳がわからない。なので、微笑でごまかした。




