第三十伍話 パステルの町でお買い物
「キャハハ!」
「ポンポンがんばれ~!」
フレディアが声援を送ります。
「うむ、ではやってみるかの!」
そう言うとポンポンは、サモンの杖を手に取りました。
「それでは測定を開始しますぞ!」
サントスの合図で、ポンポンは機械に手を当てて魔力を込めました。
ポンポンは水晶玉が破裂すると怖いので、目をつむっています。
中央にあった水晶玉がふわりと宙に浮きます。
そして色の変化が始まりました。
水晶玉は紫色へと変わりました。
そして・・・・。
それ以上変化はしないようです。
「えっ?お、終わりですかな?」
「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」
「「「えっ、失格・・・なのか?」」」
場内はシ~ンと静まり返っています。
様子がおかしいと感じたポンポンは、ゆっくり片目を開けてみました。
「!!!」
「これ、サントスよ!」
「これは一体どうした事じゃ?!」
「紫色で止まっておるではないか!」
「機械が壊れたのか?」
「いえ、そんな事は・・・」
「なぜじゃ!さてはおぬし、パチモノを買ったのではあるまいな!」
測定結果に納得がいかないポンポンが、サントスに文句を言っていますが、実はフレディアもこの結果には納得していませんでした。
「おかしいなぁ・・・」
「一瞬橙色に光ったと思ったのに・・・」
「あっ、もしかして!」
フレディアは、サモンの杖を振り回しているポンポンに声をかけました。
「ポンポン、今度は杖を置いて測定してみてよ」
「なんじゃと?杖なしで測るのか?」
「フレディアよ、この杖はなぁ・・・」
「いいから、いいから」
杖の説明を始めたポンポンを、無理やり機械の前へ連れて行きました。
「それではもう一度測定を開始しますぞ!」
サントスの合図で、ポンポンは機械に手を当てて魔力を込めました。
中央にあった水晶玉がふわりと宙に浮きます。
そして色の変化が始まりました。
水晶玉は紫色へと変わりました。
そして藍色に変わり、さらに青色へと変化します。
最終的に緑色で変化は止まりました。
そして属性を示す水晶玉は、強烈な光で『闇』を示しています。
闇の属性はごく稀なので、会場のみんなも驚いています。
「闇属性のⅮランクですな!」
「しかし、どうして最初は紫で止まってしまったのですかな?」
「杖のせいだね!」
「むっ、それはどういう事じゃ?」
ポンポンが不審に思って尋ねました。
「その杖、魔力が強くてまだポンポンに馴染んでいないんだよ」
「つまり、使いこなせていないから、逆効果ってわけ!」
「おぉ、なるほど!」
「ムスッ・・・」
サントスは納得して頷いていますが、ポンポンは納得いかない様子です。
「ところで、実技試験はどうされますかな?」
「あっ、それは今度にするね!」
「シルヴィーはまだ魔法も武器も使えないから」
「分かりました!では事前審査の結果は登録しておきますので、いつでもお越しください」
「ラジャー!」
ギルドを出たフレディア達は、繁華街へお買い物に出掛けました。
「シルヴィーに風属性の魔法書と、何か武器を買わなきゃね!」
「ポンポンはその杖だけでいいの?」
「なにか他の武器とかいらない?」
「フレディアよ、わしは召喚魔術師じゃからの、杖だけで十分じゃ」
「わかった!」
二人の会話を聞いていたシルヴィーが、質問をしました。
「あの・・・私、魔法とか武器の事は何も知らなくて・・・」
「よろしければ、フレディア様の武器とか、教えていただけませんか?」
「ルナ様も・・・」
「あっ、そっか!まだ一緒に戦ったことがなかったね!」
「わしも知らぬぞ!」
「わかった、わかった、教えてあげるね!」
フレディアとルナは、二人のために自分たちの特技と武器を説明しました。
『フレディアの武器』
・閃光の弓矢・・・・神様が作った武器で、魔力に応じて威力と矢数が決まる。
・アルテミスの弓矢・あまりに強力なので、天界に保管されている。
『フレディアの魔法』
・リカバー・・・・・味方全体に傷の治癒と体力の回復。
・フラッシュ・・・・強烈な光で敵を盲目状態にする。
・光のバリア・・・・魔法の防御で、物理的攻撃と魔法の攻撃を跳ね返す。
・アーク・・・・・・レベルは3段階あり、敵全体を聖なる光の力で殲滅する。
アークⅡ(神の裁き)・アークⅢ(断罪)
・ライトニングアロー・・アルテミスの弓矢にアークⅢをまとわせる必殺技 。
『ルナの武器』
・うたた寝の杖・・・妖精の女王様からもらった杖。相手を眠らせる事が出来る。
『ルナの魔法』
・水の精霊・・・・・水の妖精セーラムの加護。水を自在に操る事が出来る。
・ヒール・・・・・・味方単体の体力を回復。
・キュアー・・・・・味方単体の毒の治療。
・ガード・・・・・・味方全体に物理攻撃からの防御。
・マジックバリア・・味方全体に魔法攻撃からの防御。
・パワーアップ・・・味方単体の攻撃力のアップ。
・守りの腕輪・・・・すべての状態異常を無効化する古代の神器の一つ。
「な、なんだか、すごいですね?」
説明を受けたシルヴィーは、ちょっと怖気づいているようです。
そして引き気味のシルヴィーに、ポンポンが言いました。
「シルヴィーよ、安心するのじゃ!」
「わしもこの者達が何を言っておるのか、さっぱり分からんぞ!!」
「そ、そうなの?」
「うふふっ、その内に分かるようになるわよ~」
と言う事で、4人は買い物をする事にしました。
最初はシルヴィーに魔法を覚えてもらうため、魔道具屋へ行きました。
お店で売っている魔法書は、どれも基本的には初心者が扱う物しかありません。
強力な魔法は、ダンジョンや隠された古代の遺跡、またはオークションなどでしか手に入らないのです。
そんな訳で、風魔法の定番である『エアロカッター』を購入しました。
これは敵単体に刃の斬撃を与える魔法です。
そして武器は女性用の軽くて短いレイピアの中から、一番値の張る『ウインドランサー』という名の付いた剣を選びました。
「あっ、何か様になっているね!」
「カッコいいですわ~!」
パチ、パチ、パチ・・・・
剣を抜いたシルヴィーを見て、フレディアとルナが拍手しています。
「フン!私頑張ります!!」
シルヴィーは気合を入れて答えました。
ポンポンはと言うと、魔道具や武器にはまったく関心がなく、シルヴィーのハチ鳥の髪飾りを欲しそうに見ていたので、ルナがポンポンのために、銀で作られた奇麗な蝶々の髪飾りをプレゼントしてあげました。
「ど、どうじゃルナ?」
「似合っておるかの?」
「良く似合っているわよ~!」
「フレディアはどう思う?」
「すごくいいよ!」
「わたしが欲しいぐらいよ!」
「そ、そうか!じゃがこれはやらんぞ!」
「ルナがわしのために買ってくれたのじゃからの!」
「はい、はい!」
その後はいっぱいお菓子を買いこんで、アルガの町へ出発しました。




