第三十話 プラネットルーム
会場にいる神々も、天地創造の杖のあまりに恐ろしい力を知り、どうすれば良いのか分からず、完全に沈黙してしまいました。
しばらくすると、椅子に腰かけて考え込んでいたルミナテス様が、ゆっくりと立ち上がりました。
「おかしいですね?」
「なにが変だと言うのだな?」
神妙な顔のルミナテス様に、ダレス様が尋ねました。
「いえ、だって・・・・」
「セレノス様も、カーナもフレディアも生きているではありませんか?」
「「「は~~~っ?!」」」
「ルミナテス様、それは一体どういう意味なのですか?!」
めずらしく憤慨したカーナが、顔を真っ赤にして尋ねました。
「いえ、天地創造の杖をアトラー様が使えば、間違いなくあなた方は助からなかった・・・」
「つまり、杖は復活しているのですが、使用する者が神ではないと言う事です」
「何と、使ったのがザキュエルだから、100%の力を出せていないと?」
「!!!」
「そうなのですダレス様!」
ルミナテス様はダレス様を指さして、大正解と褒めました。
「あぁ、だからアトラーの予言第三節に書かれていたのは、真実の言葉だったのです!」
「わたくしたちは、この問題を解決できるやも知れません!」
「「「「おぉ~~~!!!」」」」
会場からどよめきと歓声が上がりました。
「そ、それは一体どういう意味なのだ?説明してくれぬか?!」
「はい、では今からアトラーの予言を復唱してみましょう」
ルミナテス様はそう言うと、第一節か第三節まで読み上げました。
「七人の子たちが黄昏に染まる西の彼方に集う時、天も地もカオスの闇に飲み込まれ、すべてのモノが最後の時を迎えるであろう」
「これはアトラー様の予言の一節です」
「続いて第二節には・・・」
「邪悪な影がデプロスの地に落ち、再び光と闇を取り戻しとき、封印されし魔城の扉は開かれ、破滅の時が動き出すであろう」
「これはザキュエルが、天地創造の杖を復活させた時と解釈して良いでしょう」
「そして第三節では・・・」
「だが至らぬ者が手にした時は、救いはわが友にあり。光と闇に守られし隠された友を尋ねよ。さすれば道は開かれん」
「第三節に書かれた至らぬ者・・・」
「つまり、これは神では無い者・・・と言う意味だと言うのだな」
「はい、その通りですダレス様!」
「では、そのあとの言葉の意味は、何と解釈するのだ?」
「実はそれはまだ理解できずにいるのです・・・」
「ですが、わたくしの思うに、その答えは天星宮にあると確信しております」
「そうか!そなたがそう言うのであれば、きっとそうなのであろう!」
ダレス様はルミナテス様に全権を委ね、解決するように命じました。
ルミナテス様はその命を謹んでお受けし、『天地創造の杖対策プロジェクト』をここに立ち上げたのでした。
そしてまず初めに、現状を把握すべく行動を起こしました。
「実は、みなさんにお見せしたいものがあります」
「わたくしと一緒に天星宮までご同行願います」
そう言うと、神々を天星宮へ案内しました。
そしてその中にある『プラネットルーム』を見せました。
「うわっ!これはひどい!」
「何とすべて破壊されておるではないか!?」
神々はその有様に驚きの声を上げています。
それもそのはず、室内はメチャクチャに破壊され、見るも無残な姿になっていたのです。
やったのは間違いなくザキュエルです。
「この部屋はプラネットルームと呼ばれ、生前アトラー様が生涯をかけて作られた特別な部屋なのです」
「プラネットルーム?それはどの様な部屋であったのだ?」
ダレス様の質問に、ルミナテス様が説明をしてくれました。
この部屋には、太陽系の縮小された姿がリアルに表現されていました。
部屋の真ん中に小さな太陽が浮かび、その太陽を中心に7つの惑星が宙に浮き、それぞれが本物の惑星と同じ軌道を描いて回っていたのです。
太陽から近い順番に・・・。
1・アルガランデュ
2・ベールウッド
3.アース(自分たちが住む惑星)
4.ガンベル
5.デランド
6・イプルシア
7.ゼーロン
「アトラーの予言第一節に、七人の子たちが黄昏に染まる西の彼方に集う時・・・」
「そう書かれていますが、わたくしはその七人の子というのが、太陽系の惑星の事を指しているのではないかと考えています」
「そして第三節の至らぬ者が手にした時・・・というのは、神でない者が手に入れる事を予知していたに違いありません」
「つまりその場合の時に備え、この部屋を作られたとわたくしは信じております」
「なるほど!つまり解決の手立てはこの部屋にあると言うのだな?」
「はい、その通りです」
ダレス様の指摘にルミナテス様は頷きました。
「ですが、それにはこの部屋を元の姿に戻す必要があるのです」
「あい分かった!復旧に全力を尽くすのだ!」
「で、復旧にはどれほどの時間がかかると?」
「少なくても5年はかかるかと・・・」
「な、何と!それほどの時間が・・・」
ダレス様は神々に向かって命令しました。
「皆の者、全力でこの部屋を復旧するのだ!」
「「「「「はは~~~~っ!!!」」」」」
これにより、天界の神様全員が、復旧作業に従事する事になりました。




