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第二十七話 フレディア到着

翌朝カレンの元に、長老のひぃ、ひぃ、ひ孫のポンポンが来ていました。


「のぉ、カレンよ!」


「えっ!」


いきなりカレンを呼び捨てにしたポンポンに、そばにいたキャノンガールズのリーダー、アリスが言葉使いを咎めました。


「ちょっと待ちなさい!」

「呼び捨てはダメでしょ!カレン様でしょ!」


「おぬしは少し黙っておるのじゃ!わしは大切な話をしに来たのじゃぞ!」


「はぁ~?おぬし・・・って?」


「あっ、ははは・・・・相変わらず面白いな、ポンポンは」


「そのままでかまわないよ、話はなんだい?」


ドラゴンのタマゴをナデナデしながら、今日のカレンは上機嫌です。


「もう!カレン様の機嫌がいいからって、言葉使いには気を付けてね!」


アリスはブスッとした顔で言いました。


「わしはのぉ、欲しいものを手に入れるためには手段をえらばぬ・・・」

「そんなおぬしが気に入っておるのじゃ!」


「そりゃあ、どうも!」


「での、わしを弟子にする気はないかの?」


「わしを弟子にしたら、おぬしも鼻が高かろう!」


ポンポンは腰に手を当て、ググっと胸をそらして言いましたが、カレンの大きな胸をチラッと見たとたん、顔を赤くしてすぐに元の姿勢に戻しました。

どうやら、自分のペッタンコの胸にコンプレックスを感じているようです。


「あぁ、悪いけど弟子は間に合ってるわ」


「うむ、簡単には取らぬというのじゃな?」


「しかしよく考えてみるのじゃ!」

「このわしは・・・」


ペシッ!


「あいた!何をするのじゃ!!」


お尻を叩かれたポンポンが振り返ると、そこには長老が立っていました。


「あっ!じいちゃん!」


「バカもん!この大事な時に何をやっておるのだ!」


「違うのじゃ、じいちゃん!」


「大事な時じゃからこそ、わしはここに来ておるのじゃ!」


「なんだと?」


「じいちゃん、わしらは永い間、マラード様のお世話をして来た一族じゃぞ」


「そのマラード様亡き後、次のお子様のお世話をするのはわしらの役目じゃろ?」


「うむ、それは一理あるが・・・」


「しかしお前にはその役目はまだ早いだろ?」



そんな話をしている隣の部屋では、セレノス様がカーナに頼みごとをしていました。


「のぉ、カーナよ!」


「カレンちゃんも、お前の事を妹のように思っておると言っておったじゃろ?」


「だから、その~」


「うひゃ、ひゃ、ひゃ!お前からドラゴンのタマゴをだな・・・」


「嫌です!」


「そ、そんな!わしはまだ取り返してくれとは言っておらんがな~」


「あれはセレノス様が差し上げたのだから、ご自分でどうぞ!」


「そ、そんな~~~」


ポンポンはカレンの弟子に、セレノス様はカーナから、カレンにタマゴを返すように言ってくれと頼んでいる時でした。


「た、た、た、大変だ~~!!!」


「今度は白いドラゴンが現れたぞ!!!」


外にいた村の人が大声で駆け込んで来ました。


「なに?白いドラゴンだって?それってフロイドじゃないか!」

「一体誰がフロイドに乗って来たんだ?」


カレンはタマゴを抱えて急いで外に出ました。

カーナもセレノス様を置いて、急いで外へ出て行きます。


二人が外に飛び出した時、ちょうど村の外に巨大な白いドラゴンが降り立ったところでした。


「フレディア!それにルナも!」


カレンはタマゴをアリスに預けると、一目散に駆け出しました。


「フレディア!!」


「あっ、カレ・・・」


「むぎゅっ!」


フレディアが何かを言う前に、カレンはフレディアをギュッと抱きしめました。


(ぐ、ぐるぢぃ・・・)

(い、息が・・・)


ジタバタ、ジタバタ・・・。


「???」


「!!!」


カレンに抱きしめられて、ジタバタしているフレディアに気付いたルナは、慌ててカレンの腕を引っ張りました。


「ぷはぁ~~~!」


「し、死ぬかと思ったわ・・・」


フレディアは地面に座り込んで、はぁはぁ言っています。


「もぉ!フレディアったら!」

「なんでオレに何も言わずに立ち去ったんだよ!」


「ご、ごめん、ごめん!」


「わたし達天使は、本当は・・・」


「むぎゅっ!」


「フレディア!会いたかったよ~!!」


カレンはもう一度フレディアを抱きしめました。


(ぐ、ぐるぢぃ・・・)

(い、息が・・・)


ジタバタ、ジタバタ・・・。


「ちょっとカレン!フレディアが死んじゃう!」


今度はルナとカーナが二人がかりで引き離しています。


その様子を見ていたポンポンが、そばでボ~ッと突っ立っているロックに気付き、そばに寄って行きました。


「おぬし、浮いておるの?」


ギクッ!


いきなり話かけられたロックが、驚いて下を見ました。


「おぬし、気が利かぬのか?わしを見下ろすでないわ!」


そう言うと、手のひらをひらひらさせて、屈むように指示しています。


身長185センチのロックに対して、ポンポンは身長135cmしかありませんので、その差を気にしているのでしょう。

どうやら背の低い事にもコンプレックスを感じているようです。


ロックは慌ててしゃがみました。


「あのちっこい娘は何者なのじゃ?」


「カレンがえろう気に入っておるようじゃが・・・」


ポンポンはフレディアの事を言っているのでしょうが、自分と身長が変わらない事を自覚していないようです。


(えっ、なにこの子、何でそんなに偉そうなの?)

(それにカレンって誰だよ?)


ロックは両手を広げて分からないってポーズを取りました。


「何じゃ知らんのか?」

「大きい割には、役にたたんの~」


(いや、身長は関係ねえだろ!)


ロックが文句を言いたそうにしていますが、ちょっと女の子が怖そうなので我慢していると、ルナがポンポンに説明してくれました。


「フレディアはカレンの師匠なのよ」


「!!!」


「なんと、あのちっこいのがカレンの師匠とな?」


「わしと歳は変わらんぞ!?」


ポンポンは驚いてルナに聞き返しました。


「そうよ!フレディアは天使で、すごく強いんだから!」


「なんでもこの国に4人しかいない、Sランク冒険者の資格を持っているらしいぜ!」


ロックもここぞとばかり、知ったかぶりして得意げに話しています。


「なんと!そうであったのか?!」


「ならば、わしにとっては大先生じゃな!」


「はぁ?」


言っている意味が分からず、ロックは間抜けな声を出しました。

ルナも指を頬に当てて首を傾げていますが、そんな事などお構いなしに、ポンポンはフレディアの所へトコトコと歩いて行きました。


「!!!」


そしてポンポンはフレディアの後ろに立つと、自分より少しだけ背が高い事に気付きました。

すると急いでつま先を立てて背伸びをすると、フレディアに声をかけました。


「ちょっと、よいかの?」


「はぃ?」


「おぬしに頼みたいことがあるのじゃが・・・」


「わたしに頼み・・・って、なんでプルプル震えているの?」


「あっ!」


フレディアはポンポンが背一杯背伸びをしている事に気付きました。


(むっ!バレたか!)


「ふ~~~っ、まぁ、背は互角と言う事にしておこう!」


そう言うと、背伸びをするのを止めて、今度はググッと胸をはって見せました。


(むっ!!)

(な、なんじゃと?わしよりも少し大きいじゃと?!)


「ま、まぁ、良い!」

「今回は引き分けという事にしておこう!」


そう言うと、顔を赤くして元の姿勢に戻しました。


(なにがいいの?)

(引き分けってなに?)


フレディアは言っている意味が分からず困惑していますが、後ろではカレンがお腹を抱えて笑っています。


「あっ、ははは・・・・」


(この子、どんなけ負けず嫌いなんだよ!)


カレンに笑われたポンポンは、ますます顔を赤くしながらフレディアに言いました。


「わしはカレンの弟子になりたいのじゃ!」


「おぬしからわしを推薦してくれんかの?」


「はぁ?」


「おぬし、カレンの師匠なのじゃろ?」


「はぃ~~っ?」


フレディアは訳が分からず、その場に固まってしまいました。


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