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第13話!〜龍星と結華の前世〜

「結華・・・・・・暴走しているのか?」

ソウルイーターを殴り続ける結華を見て冬樹は呟く。

「秋斗、炎心先輩。済まないが暫く手を出さないでくれ」

冬樹は背後で呆然と立つ秋斗と炎心に声をかけると自身の腰に装備した二本の黒曜剣を抜き放つ。

「冬樹?」

「どうするつもりだ?」

「我は自分の女が苦しんでいるのを黙って見ているつもりは無い。サターン!」

『あいよマスター』

尋ねてくる秋斗と炎心にそう言うと冬樹はサターンを呼び、サターンは冬樹に声に答え近付いてくる。

「お前の力を我に寄越せ」

『その言葉待ってたぜ!』

ニッと笑うサターンの身体が黒光に変わり冬樹の身体に同化する。

「『人魔融合!』」

鬼となった結華を止める為、冬樹とサターンは自分達の切り札を切る。

メキメキと音をたて冬樹の身体が一回りでかくなり身体から妖気が溢れ出す。

「がっああああああああ!」

溢れた妖気が冬樹の身体にまとわりついて黒い衣を形成する。

暫くして変化が収まった冬樹の姿は今までとは変わっていた。

一回りでかくなった身体は漆黒の衣に包まれ髪は銀色になっている。

両手に持った二本の黒曜剣の刀身は一メートル程に伸びその姿を大きく変えた。

赤く変わった瞳は荒れ狂う結華を見詰め、冬樹は黒曜剣の柄を握り直す。

「久しぶりに半妖形態になると少し時間がかかるが、これなら結華を止める事も出来るだろう」

そう言うと冬樹は一気に駆け出し結華に向かうのであった。



一方、ソウルイーターに倒された龍星は暗闇の中に居た。

「此処は?」

周りを見渡し一人呟く龍星。

『此処は死と生の狭間の世界じゃ』

「誰だ!」

突然聞こえた声に龍星が振り向くと其所には龍星そっくりの鬼が立っていた。

『誰だとはご挨拶じゃのう。とは言うもののこの姿じゃと分からぬわな』

言うが早いかポンッと言う音と共に鬼の姿が煙に包まれた。

そして煙が晴れた時、そこに居たのは・・・・・・。

「ふんぬぅ!」

ムキッとポーズを取るりゅーさんだった。

「りゅーさん?」

『よっと。正確にはりゅーさんの元になった鬼の残骸にして、主の前世。名を竜王丸(たつおうまる)と言う』

りゅーさんはポンッという音と共に再び龍星そっくりの鬼の姿に戻ると自身の正体を語る。

「俺の・・・・・・前世?」

『そうじゃ。とは言えこの儂は先程も言うたが嘗ての残骸。転生する際に魂より切り離した鬼の力が(なが)き時の中でぷち鬼となったのじゃ』

鬼・・・竜王丸は龍星にそう言うと指を鳴らし現世の映像を出す。

「結華?それに冬樹」

映像は鬼と化した結華と結華を止めようとする半妖形態の冬樹が映っていた。

『結華もまた前世は鬼。前世の名は桔梗、儂の妹じゃ。不思議に思わなんだか?主等は共に人には有り得ぬ力を持っておる。主のばーさくもーど、結華の紅姫もーど。そのどちらも魂に残った鬼の力の残り滓を使っておったに過ぎん。それでも人には強すぎる力故に主等の意識はトンでおったようじゃがの』

竜王丸はからからと笑うと不意に真面目な顔になる。

『龍星よ。このままでは主は大切な者達を失うやも知れぬ。桔梗は所謂悪鬼(あっき)でな?普段は然程でも無いが一度怒れば儂にしか止められぬ程じゃ。あのままでは全てを破壊してしまう事じゃろう』

「・・・・・・どうすればいい?俺はもう死んだも同然だぞ?」

『うつけ。漢足るもの死にかけた位で諦めるな。全てを覆せ。己が愛する者達を守り抜け。その為の鬼の力じゃ!!』

竜王丸はニッと笑うと龍星の肩に手を置く。

『主にくれてやる。全てを守る力を。これより二つに分かれた鬼は一つに戻る。それは主の意思で操れる筈じゃ。精進せぇよ?』

竜王丸の身体がりゅーさんに戻り炎に包まれ龍星と一つになる。

「ふんぬぅ!」

「・・・・・・あぁ!行くぜ!りゅーさん!!」

龍星の身体より炎が吹き出し、闇を照らし出す。

それと同時に現世の方でも変化が起きるのであった。



最初の変化はソウルイーターであった。

突然苦しみ出したと思ったら口から炎を吹き出したのだ。

「なんだ!?」

その光景に冬樹が驚く。

「グ・・・・・・ア」

結華もまた暴れるのを止め、ソウルイーターを見る。

『ギャアアアアアアアッ!?』

ソウルイーターの口から吹き出す炎は勢いを増し、その後炎の玉となり医務室の方に向かって飛んで行くのであった。


一方の医務室でも変化は起きていた。

龍星の傷が自己修復を開始したのだ。

「か、鏡先生。これは?」

「分かりません。ですが、榊君はもう大丈夫です」

明也の呆然とした声に鏡教諭が応える。

それと同時に飛来した炎の玉が龍星と一つになる。

「・・・・・・明也」

「龍星さん!」

うっすらと目を開けた龍星が上半身を起こし明也に声をかける。

「大丈夫ですか?」

「あぁもう大丈夫だ。っとのんびりしてる暇はねぇな。ちょっと結華を止めてくらぁ」

そう言うと龍星はベッドから起き上がり医務室を出て行った。

「龍星さん!」

【明也大丈夫だよ】

明也が龍星を止めようとすると影の中からソニアが明也を止める。

【今の龍星なら大丈夫!あんな奴には負けないよ!】

精霊の断言に明也は先程まで感じていた不安が霧散したのを確信した。


龍星が校庭に出た時、結華は再び暴れており冬樹も結華を止める為に戦っていた。

「「っ!龍星さん!」」

「お、秋斗に炎心。ワリィな?ちと寝坊が過ぎたみてぇだな。ま、後は俺とりゅーさんに任せとけ」

秋斗と炎心が龍星に気付き声をかけると龍星はまるで友達との約束に遅刻したかのようにあっけらかんと言い放った。

「んじゃ、行ってくるか。やるぜりゅーさん」

『ふんぬぅ!』

りゅーさんの声が龍星の身体から聞こえたかと思うと龍星が炎に包まれる。

「「!?」」

驚く二人を他所に龍星の身体が変化を始める。

「グルァァァァァァッ!」

獣の様な雄叫びをあげ、龍星の身体が人から鬼へと変わる。

最後に額中央から一本の角が生えると龍星の身体から炎が消えた。

「名付けて鬼心合一ってとこか?」

龍星は自身の身体を確かめながら呟く。

身体は一回り大きくなり、黒い袖無しコートに黒い袴。

髪は炎の如く紅く染まり口元から牙が見えていた。そして何より、炎心は気付いていた。

龍星から発せられる気質がバーサクモードその物なのだ。

「お前等も準備してろよ?結華を正気に戻したらソウルイーター潰すぞ」

だが、龍星はバーサクモードのようだが普段のままの龍星だった。

「龍星さん?正気を保ってるんですか?」

「ん?りゅーさんのお陰でな♪」

龍星は炎心に笑いかけると、結華を正気に戻す為に走り出した。


結華と冬樹、そしてソウルイーターの三つ巴は続いていた。

ソウルイーターが攻撃を仕掛ければ結華が防ぎ冬樹が切り裂く。

結華が冬樹に仕掛ければソウルイーターが二人を凪ぎ払う。

冬樹が結華を止めようとすれば結華とソウルイーターがそれを邪魔する。

「クソッ!せめて結華を正気に戻せれば!」

冬樹が悪態をつきながら漆黒の双剣オーバーエッジをソウルイーターに向かって振るおうとした時だった。

「んじゃ、ソウルイーターはちょっとばかしご退場願おうや」

「!?」

突然紅い髪の一角鬼がソウルイーターの頭上に現れ頭部に向かって拳を降り下ろす。

「ちょっとばかし寝てろ!」


ドゴォォォォォォォォンッ!!


轟音と共にソウルイーターは大地に打ち倒され苦悶の声を上げる事無く動かなくなった。

「結華〜?なぁ〜にやってんだぁ〜?」

「ウギュッ!?」

ソウルイーターを殴り倒した一角鬼が結華に向かってニッコリと微笑むと結華は動きを止めダラダラと汗を流し始めた。

ズンと音を立て一角鬼が結華に近付くと結華はズザッと後退る。

「ほれ、今の内に結華を正気に戻せ冬樹」

「その声・・・・・・龍星か?」

「ご名答。って早く正気に戻せって。ソウルイーターも直ぐに意識を取り戻すぞ?」

一角鬼・・・龍星がそう言うと同時にソウルイーターがもぞりと動く。

「ほら急げ。今なら結華の動きは止まってっからよ」

「・・・・・・承知!」

冬樹は龍星に頷くと漆黒の双剣オーバーエッジを投げ捨て、結華との距離を詰めその身体を抱き締める。そして口付けをした。

「!?!?!?」

突然の事に結華は目を白黒させるが、次第にその目に正気の光が戻ってくる。

「ん・・・・・・」

そして完全に正気の光を宿すと、腕を冬樹の背中に回し冬樹を受け入れる。

しばらくして冬樹が離れると結華は、

「ふゆきぃ〜♪」

猫になっていた。

「姫を目覚めさせるのは王子様のキスってか?つぐみやしろが見てなくて良かった・・・・・・と言いたいんだがな?お前等忘れてね?この会場はモニターされてんだぞ〜?」

「「!?///」」

龍星がそう言うと冬樹と結華は顔を赤く染め離れた。・・・・・・が、時既に遅く二人のラブラブは学校内に放送されていた。

「ウェルカム♪バカップルの世界にようこそ(笑)」

「「龍星(龍さん)!!///」」

二人は声を揃えて龍星に叫ぶのであった(笑)




オマケ・その頃の避難所。

『また、バカップルが増えるのか・・・・・・』←根岸

『はわわわ///後藤君大胆』←鏡

『私の濃い目のブラックコーヒーに砂糖を大量に入れたの誰っ!?///』←茜

『己っ!嫉妬で人を殺せたらっ!!』←生徒その1

『後藤・・・・・・!夜道には気をつけろ!』←生徒その2

『殺殺殺殺殺・・・・・・』←その3

『モテない男の妬みを見せてやる!』←その4

『あんたら、そんな事だからモテないのよ』←茜

『『『『がふっ!?』』』』←その1〜4

モニターを見ていたモテない男達が冬樹に向かって呪詛を飛ばせば、茜がトドメを刺すという混沌が撒き散らされていた(笑)


オマケその2

「わきゅ〜///」

「ご、後藤君///」

「冬樹大胆だね〜♪」

「後藤・・・・・・。お前もバカップルの仲間入りするとはな」

『ヒューヒュー♪』

いつの間にか起きていたつぐみと白姫はキスをする冬樹と結華を見て顔を真っ赤に染め、初音は親友を囃し立て、明也は呆れ、ソニアは口笛が吹けないので口で囃し立てていた(笑)


結局、冬樹と結華のラブラブは芹香以外全員に見られていたのでした。善哉善哉♪



おかしいな?シリアスに攻めるつもりだったのに、龍星が復活したら途端にギャグ方向に(笑)


・・・・・・まあ良いか(笑)

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