28 日の国到着
東の果ての大陸。
海岸線に着地した二人はこれからの冒険に想いを馳せた。
アヤカは森林竜との戦いに、ミステリアはこの国の食文化に。
「懐かしいな。 私は昔、この国で森林竜のやつと喧嘩したもんじゃ」
「それでどうなったの?」
「この国で伝説となったぞ?」
世界中で伝説になってるのに今さらか、と思った。
「どんな理由で喧嘩してたの」
「あいつが私の飯を勝手に食べたからだ!! 今思い出してもムカつくぞ!!」
「それは大切なことね」
自分なら百万回●しても足りないだろう。
「ま、いいか。 早く行こう?」
アヤカはミステリアの返事を待たずに走り出した。
砂浜を蹴り、次の瞬間には海岸線から数百歩分は離れた場所にいた。
「焦りすぎじゃなかろうか?」
ミステリアもそれに続いて走り出す。
半時間ほど走って、人のいる村へとたどり着いた。
村は田んぼと畑、それと家畜小屋で一杯だ。
そこであくせく働く人々の顔つきは、前世で死ぬほど見まくった特徴をしている。
東洋人だ。
ホサカの方のアヤカと同じ、東洋人の顔をしていた。
肌の色もこの世界の人々とは違い、少し色が濃く見える。
「アヤカ殿、あいつらがこの国の民草だ」
「ねえ、わたしはこの人たちと話がしたいけど、いい?」
「この国の者たちにとって、エルフは異形に見えるのだぞ。 接触は止めておいた方がいいっ……て、あっ!!」
ミステリアが止めるのも空しく、アヤカは村人に話を聞きに言っていた。
忠告を聞く気がないならなぜ聞いたと言わざるを得ない。
「ハローハロー、わたしアヤカ・ローレライです! あなた、森林竜の居場所とか知らないかしら?」
道行く男の一人を捕まえて森林竜の話を聞いてみた。
「あ………、あ………」
「あ、わたしアヤカよ。 アヤカ・ローレライ。 森林竜と会いたくてこの国に来たのよ」
「亜人だぞーー!! 亜人が出たぞーー!! 皆にげろーー!!」
村中の人々が大騒ぎして悲鳴を上げて逃げまどう。
中には農具を武器にしてアヤカに向かってくる者もいる。
「えぇえぇええええ!!??」
日の国に着いて早々に大騒ぎになってしまったと、若干後悔してしまったアヤカだった。
「だから言ったんじゃ!! 人との接触は止せと!」
ミステリアが遅れてやってきた。
「どうするのじゃ?」
「わたしは逃げない。 向かってくるなら全員ぶちのめすって言ったでしょ!」
「それでこそじゃ!」
襲ってくる一般市民を相手に、戦う選択肢を選ぶ主人公など古今東西を探してもアヤカぐらいだろう。
「行くわよー」
「これでいいんじゃろうか?」
呆れ気味のミステリアだが、ボスであるアヤカに黙って着いていくことにした。




