5話
次の出勤日
「お、今日は早いな。時間までバックヤードでのんびり待ってていいぞ。」
その言葉に反して僕はすぐ身支度を済ませ、店長のいるレジに入った。
「あの、マヤさんってどんな人なんですか?」
こんな質問をするのも変かと思ったけど、聞かずにはいられなかった。
「ん〜?本人と話してないのか?」
話した結果、よりわからなくなったから店長に聞いてるんです、とは言えない。
「マヤ・ベネットさん19歳、アメリカからの留学生だよ。週3日で1日8時間勤務、授業のない時間で働きたいってんでウチに応募したんだとさ。」
アメリカ人留学生、店長にはそう話しているのか。それもそうか。宇宙人と言って採用されるはずもない。
「惚れるんじゃないぞ、ビザの期限的にそこまで長く働けないからな。」
「店長、それセクハラじゃないですか?」
楽しそうに笑う店長。
「一緒に働いてどうだった?」
「性格は変わっていますが…。仕事は早くて丁寧です。店長、僕たちのシフトの日は夕方の仕事を深夜に回してくれて大丈夫ですよ。」
「お!そいつはありがたい。今後はお言葉に甘えてそうさせてもらうよ。」
とりあえず、店長と話したいことは話せた。マヤさんのこと、仕事のこと。
宇宙人発言については、黙っておこう。多分場を和ませる為の彼女なりの冗談だったんだろう。そう思うことにした。
そんなことを考えていると、マヤさんが出勤してきた。
「店長、冴木さん、お疲れ様です」
「お〜マヤちゃん、初出勤はどうだった?」
「冴木さんに色々教えてもらいました。もう大丈夫です。」
「そりゃよかった、じゃ、俺は帰るから、あとは二人ともよろしく頼むよ!」
店長は帰宅準備のために、マヤさんは身支度のためにバックヤードに入っていった。




