3話
あの雨の日の次の出勤日、少し早く出勤すると、バックヤードの机の上には置き手紙が置かれていた。僕あての名前が店長の筆跡で書かれている。
内容をまとめると、この前の電話の相手は面接終了後に採用を伝えて、既に基本的なトレーニングを済ませてある。今日から僕と同じシフトに入ることになったそうだ。外国人で若干日本語が怪しい。深夜帯の仕事内容含めて色々教えてほしい。
とのことだ。
面接も急に決まったし、採用までも急だな、と思った。あと外国人じゃなくてどこの国の人か書いて欲しかった。
仕事の準備も終わったので出勤時間より5分以上早くレジに入る。すると前シフトのバイトは時間前にタイムカードを切りに行った。
レジに一人になる僕。すると一人の女の子が入店してきた。
金髪碧眼の小柄な少女だ。イメージしていた外国人とのギャップはありつつも、僕は彼女が一緒に働くアルバイトの子だと察する。
「もしかして、今日からアルバイトの方ですか?」
少女はコクリと頷く。
「はじめまして、冴木醒です。」
「…?こんにちは。」
明らかにキョトンとしている。…ああ、日本語が怪しいと店長のメモに書いてあったな。はじめましてって、あまり外国人には通用しないかもな。
「はじめまして、は初めて会った相手に使う挨拶です。」
「…???」
もっとキョトンとしている。僕の説明が下手だったかな…。
気まずい沈黙が走る。
「とりあえず、よろしくお願いします。」
「…サエキ、サトルさん、私、マヤ・ベネットといいます。よろしくお願いします。」




