22話
そろそろ店が開き始める時間だ。街に向かって移動しよう。さて、どうやって向かおうか。
「マヤさん、そろそろ街に移動しよう。タクシーと電車なら、どっちがいい?」
「私、タクシーに乗ってみたいです。初めて乗ります!」
「じゃあ、タクシーを呼ぼう。荷物をまとめて待ってて。」
僕は公園にいくつもある出口の中から一つを選び、そこにアプリでタクシーを手配した。
僕たちは荷物を持って出口に向かって歩き出した。
「街に着いたら、まずはアニメショップが入っているショッピングセンターに行きたいんだ。こなもんのグッズが見つかるかも。」
「楽しみですね。早く見てみたいです!」
そんなことを話しながら歩いていると、公園の出口に着いた。タクシーは少し前に到着していたらしく、すでに僕たちを待っていた。
僕達は乗り込み、行き先を伝える。
「このショッピングセンターまでお願いします。」
地図アプリの画面を見せると、伝わったようでタクシーは発車した。
「このタクシー、テレビみたいなのがついています!」
マヤさんは広告が流れているモニターを見ながらそう言った。画面にはビジネスマンやお金持ち向けの広告が流れている。…面白いのだろうか。マヤさんは食い入るように見ている。
そんなふうに過ごしていると、目的地のショッピングセンターの近くに着いた。大した距離ではなかったので料金もそれほど高くなかったし、電車を待つより早く着いた。普段あまり乗らないが二人ならタクシーもいいもんだな。そう思った。
「大きい建物ですね。高くて、ここからじゃてっぺんが見えません。」
僕たちは中に入り、ガラス張りのエレベーターで4階まで上がる。上へ進むにつれて、賑やかな街が一望できた。
「向こうのほうに駅があって、そこまでずっと店が続いているんだ。」
「上から街を見られる建物、私たちの地元にはなかったので新鮮です。」
4階に着くと、小さなゲームコーナーやカードゲームのショップ、そしてお目当てのアニメグッズ専門店があった。
「ゲームコーナーも気になります。私、クレーンゲームを見るのが好きなんですよ。」
「見るのが?遊ぶのがじゃなくて?」
「はい…。私が遊んでも取れないので。この前、近所のゲームセンターでこなもんのぬいぐるみを取ろうとして千円も使いました。でも、全然取れませんでした。」
千円じゃ厳しいよな。僕もあまりクレーンゲーム得意じゃないんだよな。
「とりあえず、こなもんグッズのチェックをしましょう!」
僕たちは店の中に入る。知らないアニメのグッズがたくさんある。店の奥の方で、僕たちはこなもんグッズコーナーを見つけた。
「ありましたね!色々なグッズがあります!」
漫画の単行本、キーホルダー、アクリルスタンド、フィギュアなど様々なものが並んでいる。
「冴木さんはどれがいいと思いますか?」
「そうだね…。」
いろいろ見て悩んだ末、僕は一つ手に取った。
「これなんかいいんじゃないかな。」
「これは、何かのケースですか?」
「パスケースだね。あとでICカードを買うから、それを入れるといいんじゃないかな。」
「なるほどです。いいですね、これにしましょう!」
「ほかに欲しいものは?」
「あんまりたくさん買うと、宇宙に持って帰るときに上司に怒られちゃいます。容量オーバーだって。」
そう言ってマヤさんは少し笑った。僕たちはパスケースを持ってレジに向かった。
会計を済ませて店を出ると、
「あ!」
とマヤさんは声をあげ、クレーンゲームの台まで走っていった。中には、こなもんの特大ぬいぐるみが入っている。
「良いですね〜。欲しいです。」
マヤさんはうっとりしている。
「あまりたくさんのものは持って帰れないんじゃないの?」
そう言うと、マヤさんは
「う、そうでした。」
と、しょんぼりした。
「これと同じものがこなもんショップ東京には売っている。次に地球に来たときに買おう。」
「そうですね。次に地球に来るときはたくさんグッズが置ける大きな部屋に住みたいです!」
そう言うと、マヤさんのしょんぼり顔はどこかに吹き飛んでいった。マヤさんにはずっと笑顔でいてほしい。そう思った。




