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第03話:【ある俯瞰した視点から  ~Sol lucet omnibus~】(後編)

前回(前編)の続きです。

第04幕:

【オレンジ色の占い師】



 朝をやがて迎える、今はまだ夜の歌。

 そんな柔らかで透明な帳が、フワリ、風に揺られる感覚のある静かな闇の中で。

 耳を澄ませば、聞こえてくるよ。



『時は来たれり。』


『もう、すぐのこと。』



 シャラン。


 どこからか、鈴の音すら聞こえてくる。

 夏の早朝に、うっかり溢して鳴らしてしまった祭りの予感。



『……リマンが。』


『トリマンが、来る。』


『生まれると言うべきか。』


『救世主が、軍勢を引き連れて来るだろう。』


『今度こそ……、本当に?』



 瞳を閉じた占い師。

 忘れ得ぬオレンジの夕空に佇む様に、人ならざる何かの声に、ただ耳を傾ける。

 まるで、夕凪の潮騒。


『トリマン、待っている。』



***



「すでに、聞いているとは思うが。」


「ドルドゥ!」


 そこに、『時代の救世主(トリマン)』と呼ばれる男達がいる。

 但し、片方は人間の言葉が話せない。 聞いて理解することはできるのだが。


「『飛王ヒオウ』が気付いたらしい。」


「ドドゥ!? ドッドルルゥ!」


「ああ、ドルド君、その通りさ。

 『トリマンコンテスト in Tokyo』大会の、

 開催日の故意的な変更は、何者かによる罠だった。

 もちろん……。」


「ドドゥ!」


「『飛王』の優勝、どころか、参加を阻止するためさ。

 正直なところ、全世界の『トリマン』全てが望まなかった、

 最悪の未来を阻止したのだから、ナイスプレイってところだ。」


「ドルルゥ♪」


 ニワトリ顔の鳥人間は、喜びのダンスを踊った。

 そのダンスは、同時に、彼独自の格闘術でもあり、

彼はその故に英雄の地位を確立していた。


「ところが、最初の話に戻る。

 “『飛王』が、気付いた”。

 ヤツは、カンカンに激怒した、……そう思うだろう?

 何せ、ヤツは、何者かにハメられて、

 結果的に“伝説の救世主(Tokyo大会優勝者)”に

 成り損ねたんだ。」


「ドゥ!」


「いやいや……、ヤツは……。

 それどころか、大喜びしていたという情報を聞いている。」 


「ドルロゥ!?」



『だったら、そのTokyo大会優勝の『トリマン』を倒して、

 このボク、『飛王』が最上に相応しいと証明しよう。』



「そして、世界中の主要都市の『トリマン』を撃破して再起不能にする、

 『トリマン』狩りを始めたらしい。

 さらに、その中で出会った強力な『トリマン』を手下にして、

 最強の『トリマン』軍団を結成しているとか……。

 定かではないが、絶望的なニュースが 実しやかに語られているんだ……。」


「ドルゥ!!」


「ああ。 もちろん、迎え撃たないといけないな。

 ヤツは、“最上の救世主(トリマンキング)”に、そうなりたいだけのヤツだ。

 放っておいたら、きっと、取り返しの付かない、恐ろしいことが起きる。」


「ドッドルルゥ!!」


「力を合わせよう、ドルド君。

 こうして、僕らは『トリマン』同士で親友になれた。

 他にも……、仲間になってくれる人がいる。 探そう。」


「ドルルゥ!!」



***



「……お前が、噂の占い師だな?」


 コクリ。


 居眠りに体を揺らす様に答えた。

 心地良いうたた寝のままでいたい気持ちもあったから。


「見習いという体でここに置いて貰っているらしいが、

 お前、それなりのショバ代が稼げるンだってな!

 『オレンジ色の占い師』……、噂は聞いているぜ?

 コレで、最悪の未来を叩き潰したい。」


 ドンっ!


 デデンっ!!


 叩き付けられた報酬は、如何ほどか、山。

 邪悪で汚い強引な手段で巻き上げられて来たソレは、積まれたそれは、札束。

 されど、守りたい愛があるから。


 だから、占い師は、しぶしぶ眠い目擦って。

 それから、七色の未来に目を向けた。



***



 七色、それは虹色。


「私を見てはいけません。」


 戦いの歴史、燃え上がる炎と、黒ずんで漏れ出した赤。

 爛れた肌、焦げた肉、へばり付いたナニカ。

 時折、一閃、銀の凶刃、上がる悲鳴に男女の区別も無い。


「私は、罪深い女なのです。」


 頭を丸める勇気もありません。 しかし、そこに在りました。

 全て我慢することに決めました。 全て許すことに決めましたから。


「私に、何をもたらしたのですか?」


 例えるなら、眼前の頭上高くまで広がる薄紅の桜。

 華やかに散りながらも、尚も咲き誇り続ける優美な花々。

 どうして……、この胸が、今更、高鳴るのでしょう。 どうして……。


「私こそ、……ならば。」


 いいえ、いけません。 そんな、……恐ろしい。


「私も、まだ……、そんなものじゃないのです、まだ。」


 ですから、まだ。 まだ、この胸の内の心よ、どうか、まだ……。


 修羅であってくれるな。






第05幕:

【この世界のどこかで】



「キャハ☆」


 金髪の少女が見た光景。


「……オイオイ、俺が、世界最高のオシャレメーンだって、知っているだろう?

 だったらさ、お前のカネで、もっと、俺を輝かせてくれヨー?

 つ・ま・り……、有名ブランドファッション勝負服を買ってくれよな!

 君のお金で☆」


 繁華街のネオン煌めく夜の街で。 デートする男女のこと。

 但し、どうやら、ワンパクヤンチャ系の男は、

ファッションに余念が無いらしく、目に入った良さげな店、

気に入った服を見つけては、女にせがんでいる。


「……なあ、もっと、俺にオシャレになって欲しいだろ?

 なあ、たまに、ジュース買ってやってるだろー?」


「アンタ、そう言って、私が何着プレゼントしたのよ! 誰、その女!?」


「えっ、誰? 何よ、この女!」


 女、もう1人現れた。

 察するに、フタマタ掛けて、両方から服を買って貰っていたらしい。

 だって、次の展開がこう……。



***



「私が買ってあげた服で、違う女とデートなんて、あり得ない!

 脱いで!」


 ベリバリ!


 金ラメ煌めくジャケットを剥ぐ。 プラス、そして、ビンタ。


バッチーン!


「ウソ、フタマタ掛けてたなんて!

 買ってあげたベルトォ……、外してよ!

 あえて、言わなかったけど、アンタに似合わないわ!」


 星の装飾の付いたベルト、それと、同じくビンタ。

 続いて、また同じ様に、金のピアス、ネックレス、指輪、チェーン、

アクセサリー。


「ホラ、それも返して! 脱いで!」


 ビリビリ!


 新品ピカピカ、薄ピンクのシャツ。

 腕時計、スカーフ、◯マホ、革靴、カラフルなサングラス。


「ネクタイもダサい! 返して!」


 知的なイメージくすぐる、英字紋様の入ったネクタイ。

 何も入ってない、見せかけ見栄っ張りな長い革財布。

 こうして、あっという間に、上半身は裸。


「……キャハハ、そのカッコ付けのズボンは誰が買ったのよー?

 ダサダサでイケてなーい!」


 ドカっ!


 服を剥ぎ取られ、狼狽え焦っていた所に、追い討ちの蹴りが入った。

 あまりに、突然で避けることすらできず、その場で倒れれば、直後。


「多分、私かな、買ったの。」


「いいえ、アタシよ、多分。」


 不確かな記憶のまま、とにもかくにも、

男のズボンをも剥ぎ取ることになったが。

 どちらの女も譲らず、『買った気がする』という理由で、取り合いが激化した。

 股を裂く様に、ズボンを強く引っ張って離さない。


「あ゛あーーー……、

 俺のカッコいい光沢テカテカ大人レザーの

 おズボンさんがああああああ!!!!」


 ビチビチビチビチ……、バリバリバリィ!


 道端のズタボロになった。

 あまりに憐れなズタボロなので、股裂き一茶も履かないだろう。


「こンの、変態パンツ野郎っ!」


 ビチィ!


 空気を切って、甲高く響くは、鞭の音。


「ヒギィ! 何、この少女、誰この娘!」


 しかし、手際や良し。

 言葉が届く前に、2人の女の手にも、同じ乗馬鞭が渡った。


「この、浮気野郎!」


 ビチィ!


「ヒギィ!」


「この、嘘つき野郎!」


 ビチィ!


「ヒギィ!」


「キャハハ、クソダサファッションごっこ野郎!」


 ビチィ!


 ビチィ!


 ビチィ!



***



 結果的には、浮気されただの、嘘つかれただの、

ダサダサな服を買わされただの、交通費出されただの、……どうでも良くなった。


 いつの間にか、ライバルで敵だった2人は、軽く握った拳同士を小突きあって、

古くからの親友の様な戦友になっていて。

 一通り、制裁を与えて、スッキリして、肩を抱き合って、

遅い夕食を楽しみにファミレスへ向かった。


「キャハハ、下賎な簒奪者め!

 アンタみたいなカスには、この結末がお似合いよおっ!

 ご気分は如何ですか、『幸せな王子様』? ツバメは、南に渡ったかしら?」


(腰を振り振り、踊って見せる。)


(その度、おへそがチラリと見えるが。)


 見下す様に見下ろせば。

 ネオン街の照明でも真っ赤に腫れて見える、背中を晒した姿。

 古く煤けたビルの壁に向いたまま、小さくしゃがんで縮こまって、

シクシク泣く男。

 さっきまでの、ファッションリーダー気取りとは、雲泥の差だ。


「何とか言いなさい? 何よ、こんな、ダサいパンツ!」


 バリビリっ!


 この時、どう叫んだのか、今更、誰も覚えてもいないが。

 最後に残った、柄のあるパンツを引き裂くや否や、

男は、そのまま、この夜の街の暗がりに駆けて行った。


「この、◯◯(ピー)野郎! カァー……、プペっっ!!」


 少女の、粘りある極悪水鉄砲が赤剥けの背中に的中し、

それを確かめたから、満足した。



***



 ネオン煌めくこの街、迷路の様相もあるこの場所で、

背の低め小柄な金髪の少女が歩いている。

 決して、世の良い大人が見て、顔を顰めない風景ではないが。


「ピポパ♪

 ……来週の合コングループキャンプ、楽しみー!

 わたしの彼氏ったら、イケメン友達連れて来るらしいから、

 わたしも友達連れて行こうかなあ? キャハハ! ……アハァ。」


 少女は、一瞬、邪悪な笑みを浮かべた。

 そう、この世界のどこかで。 悪の芽は、着々と育っている。


 そして、いつか、対峙する時を待っている。






第06幕:

【『クエスト社会』災害と過去の事例】



 世界は、混沌に満ちていた。 一言で言うなら、これで済ませたい。


 しかし、実際、ありのままを見てしまったならば……、

どんなに身の竦むことか。

 念のため先に述べておくが、報告があり、既知とされている事例は、

周知されるという重要な役目を果たした事実があるからこそ、

事の重大さを知らしめるに至った奇跡であったのだ。

 他は……、そうでなかった。 ソレが全てだ。



事例01:

<『愉快な神』を名乗る道化の出現と『クエスト社会』災害開始>


 『愉快な神』と名乗る、道化と思わしき人物が、突如、

公共電波をジャック、本国、及び、世界に宣戦布告をした。

 一般的には、『クエスト社会』なる混沌的複合災害の数々は、

この事件から始まった。

 世界規模での被害は、未だ不明。

 本国では数千人規模の死傷者が確認されているが、

世界規模で見れば少ない方であった。



事例02:

<『悪魔』なる存在の出現>


 西方教会において一般的に言われる『悪魔』の襲来。

 但し、従来『悪魔祓い(エクソシズム)』を試みられるソレとは、

もう2周りレベルの高いモノだったとの報告アリ。

 『魔女』らの協力により、平定することに成功したが、

死傷者が少なからずアリ。

 また、本事例の類似例は、現在でも慢性的に生じている。



事例03:

<『古代兵器』の試射>


 本国近隣某国(名は伏せる)が、ある『クエスト』攻略の報酬として、

『古代兵器』を入手した。

 当時、これは、世界でもまだ数例しかない頃のことであったため、

世界各国、どこでも半信半疑で、兵器の行使を躊躇っていた中の

ことであったが……。

 あろうことか、我が国の領海、及び、国境線を超える威力の

『古代兵器』の試し撃ちを許してしまった。

 これにより、潜水艦3艦の消失と、海上保安庁監視船1艦に

重篤なダメージを受けることとなった。

 この事件により、試射した保持国の『古代兵器』は損傷・消失、

世界的な『古代兵器』使用についての国際条約が急ぎ発布された。



事例04:

<『神』なる存在の出現>


 そもそも一連の混沌災害は、『愉快な神』と名乗る道化が

根本的な原因のため、今更『神』と名乗られて、誰も信じようとはしなかった、

最初は。

 『古代兵器』の対応策をお授け頂いたのだ!

 それによって、世界的に結んだ条約が意味を成すモノになった!

 ありがたやありがたや……、現在も協力関係を結んでいる。



「防衛大臣、“ありがたやありがたや”とは、どういうことですか?

 自主的に、我が国が主導で平和条約を行ったと聞いていますが。」


「すでに、この件については、ニュースや新聞でご存じかと思いますが、

 我が国だけでは力が足りなかった。

 そう前任者から聞いておられませんでしょうか?

 現行の高校の教科書にも載っていると聞いています。

 ご存じではないのでしょうか?」


「くっ……。 しかし、世界的に見て、我が国は対応が遅れており。」


「いいえ、お言葉を返す様で申し訳ありませんが。

 我が国は、逆に、最先端です、正直申し上げると。

 スマホゲームに熱中していた若者達が中心に、

 難易度の高い『クエスト』を攻略していると報告があります。

 かの米国でもそうですが、“ゲームに熱中する人”ほど、

 今の時代の恐ろしい災害を克服する知恵を持つ傾向がある、

 最新の大学の研究でもそう言われているほどです。」


「……そんな、子どもの遊び如きでで。」


「そう、そんな子どもの遊び如きで、我々は救われている。

 実際、次の様な事例でも、彼らの活躍で危機が回避されました。

 この国が救われた事例であり、今後の災害を克服するにも大事な記録です。」



事例05:

<古今未曽有の災害怪物:『裸の男』なる存在の出現>


 全長1,000メートルの裸の男が、太平洋沖より出現。

 それは、まるで、悪夢の様であり、いっそのこと……、

巨大イグアナでも襲来してくれれば、映画にできたものを(私見)。

 圧倒的な破壊力を有した丸裸の巨人は、自衛隊・米軍合同作戦による

攻撃を行ったが、止められず、Yokohama港まで進攻。

 最終的に、誰が提唱したか、ヤケクソで始めた

“だるまさんがころんだ”で食い止め時間稼ぎすることに成功、

準備した高火力兵器で一気に撃破した。



事例06:

<『柱時計の魔獣』なる存在の出現>


 全長約600メートルの、柱時計に酷似した形状の『魔獣』が、

同じく太平洋沖より、複数出現。

 濃い霧の立つ悪天候の中、海上自衛隊所属艦隊で迎撃したが、

“この世と異なる(コトワリ)”で存在するモノのため、効果皆無と判断。

 『魔女』の1人に迎撃作戦参加を打診、快く参加して貰ったところ、

“時間制限付きの鬼ごっこ”を『魔獣』に強制的に課し

(邪悪な古代魔法の1つらしい)、そのペナルティー故に弱体化し、

危機を脱した。



「もう、たくさんだ!」


「こういった事例が、多様性複合的突発的世界規模重大災害こと、

 『クエスト社会』災害においては、危機を脱すための

 効果的なヒントになっている。

 子どもの遊びでしかなかったゲームや遊戯は、

 この国を救ってくれていることだってある。

 それが、事実であるのです!」


「バカバカしい! 狂ってる! こんな時代、おかしい!

 こんなおかしいこと、悪夢だ、悪夢に違いない!」


「ええ。 こんな狂った時代だからこそ。

 今までとは違う、型破りで突拍子も無いナニカで、

 僕達は生きていかなければならないのです。

 現実を受け入れ、悪夢から脱しなければならないのです。」



事例07:

<『悪い魔法使い』なる悪意の出現>


 前述の『愉快な神』が解放したと聞いている、

 『悪い魔法使い』なる名称のナニカの出現。

 まだこの国では未確認のため、目下、情報収集中。

 ここより遠い国で課せられた何らかの『クエスト』攻略失敗の

ペナルティーにより発生したらしい。

 見た目は人間らしいが、その存在により、『怪人』が続々と誕生。

 世界中に続発し乱雑に発生する『怪人』によって、

また混沌が広がっている。



事例08:

<『怪人』の脅威>


 邪悪な『魔法』により、変質させられた人類の姿。

 あるいは、成れ果てとも時に称される、人の姿の『怪物』。

 1体で、ダンプカーや戦車を持ち上げられる個体や、

 超音速で飛行できる個体、そして、超常的な能力を行使できる

現在の科学で解明できない理解不能な個体もまた確認されている。

 人間に化けて町に入られ、町の中で暴れられると手が付けられない。

 そういったケースで、海外で多数の犠牲が出ている。

 我が国でも、対策が急がれている。



「……その、『悪い魔法使い』が、ついに本国に上陸したという

 報告を受けています。

 すでに、『怪人』も……。」


「『魔法』なの『怪人』なの、狂っている!

 こんなバカげたこと、国会で話すなんて、おかしい、おかしい!」


「ですが、現実なのです。 繰り返しますが。

 早々に、対策が必要なのです。

 どんな、どこの、誰からにも、助けが必要なのです!」


「嫌だ! もう、たくさんだ!」


「我々は、国会議員なのです。 国民には、我々しかいないのです!

 我々も恐ろしくても……、乗り越えるしかないのです。

 だから、どうか……。」


時代のうねり、渦。 止められやしない。 大きな流れだ。

どこの誰がどんな意思であれ、その流れは動き続けるだろう。



事例09:

<裏切者の発生>


 『クエスト社会』災害の渦中の中、世界的に理解不能な災害が

続発している中で、『時代の救世主トリマン』なる英雄達が

その対応をしてくれている中で。

 上述の、『愉快な神』に唆されて、逆に、英雄が災害のタネになる

ケースが少しずつ増加している。

 こうなると、『トリマン』も『怪人』も区別が無くなり、

生じる災害の混沌度合いも増し、もっと多数の犠牲が……。

 緊急的に、対応策を考えねばならない。



事例10:

<悪の組織:『絶望楼』による、時間停止と世界的脅迫事件>


 『クエスト社会』災害の渦中の中、多数の『古代兵器』、『怪人』、

裏切りの『トリマン』を擁する悪の組織が誕生した。

 その組織:『絶望楼』は、独自にクリアした『クエスト』で得た

『古代兵器』を行使し、世界中の“時を止めた”。

 故に、現在、全世界が初夏のまま止まっている。

 そして、これ以上の災害を引き起こして欲しくなければ、

毎月定期的に資金を上納しろという脅迫を受けている。

 世界各国は、それに抗う術は無いと、唇を噛み締めながら、

従うこととしている。

 故に、我が国もそれに倣うとしているのが現状。

 ……いつか、救われる日を信じている。



 決して、逃げられやしない。



***



 その日、小祢角(コネズミ)防衛大臣は、スケジュール通り、帰宅した。


「大臣、本日のご予定は、あともう1つ御座います。」


「何かね?」


 古くから与党政党に在籍していながらも、彼が若手であることは

未だ変わってはいない。

 しかし、変わったことといえば、家柄故に大臣のポストを与えられ、

その通りになったこと、か。

 いや、それは昔から変わらないからそうでないかも知れない。


「一般市民の方のご訪問? 何故?」


「ええ、普通のことかと。

 与党支持者様の中でも、特に現防衛大臣の、

 コネズミ議員にエールを送りたいからなんて、素敵なことですね。

 コネズミ大臣のファンだそうです。」


「ふぅん、ファンといえば、扇風機もファンと言うね。

 どう違うんだろう。 しっかし、暑いね。 クーラー効いているの?」


 ピンポーン♪


「もうこんな時間。 お客様が参りました。」


「君、そういう時は、お客様がいらっしゃいましただよ。

 うっかりだなあ。

 しかし、こんな急なスケジュール、いつもの秘書さんなら

 入れないと思うんだけどなあ……。」


 応接間で待っていたのは、上品で大人し目な御婦人だった。

 よくこのコネズミ家に来る友人家族やその仲間達の様に、

見慣れたあからさまな裕福さ、言うなれば、お金持ちっぽさを見せつけない、

質素な服装の、いわゆる“普通の市民”だった。


「まあ! アナタがコネズミ大臣!?

 本人と私、今、話しているのね! 素敵!」


 挨拶から、最初こそ緊張でたどたどしかった言葉ではあったが。

 少し思い遣る様に話していたら、すぐに打ち解けた。

 なるほど、確かに、僕のファンなのだなと思った。


(しかし……、何故、一般市民の方が、僕の家に?)


(秘書君、本当に、スケジュールにあったのか?)


「ええ。 今の飛ぶ鳥落とす勢いのアナタの姿。

 賢明で、何より、国民のため、戦う人のため、

 守る人のためを思って、強い発言をしてくれる頼もしさ。

 こんな年増じゃなかったら、求婚してたくらいです。」


「ははは、そりゃあどうも。 でも、今の僕は妻子持ちですから。」


「ふふふ。 素敵な会話をありがとう。

 ……でもね。

 私、今のアナタになる前は、とても大嫌いでした。 反吐が出るくらい。」


「……。」


「前任の、

 『ガッショーン!食糧危機にアウトパンチ大臣』とか。

 『コズミック☆環境大臣』とか。

 ……ねえ、国民ナメてるの?

 今でも話題の、『ガリガリビービーギィギィガァガァ大臣』、

 アレみたいに、国民を馬鹿にしているのって、

 変な名前の大臣が多過ぎじゃない、どうしたの? 現在のこの国??」


 ゾクリ……。


 その御婦人は、確かに、殺気を放った。

 いや、そうでないかも知れないが、そう思われても差し支えの無い、

本気で目の前の人間を、恐ろしいことに殺す気で見たんです。

 ちなみに、殺気というのは、殺す気と書きます、

さっきから感じていたというワケじゃないのですが、

恐ろしい蛇みたいな殺気でした。


「そ、それは……。

 現在の、多様性複合的突発的世界規模重大災害こと、

 『クエスト社会』災害を受けての、政府としての応急処置に当たります。

 業務が複雑化したことによる多様化と、

 こんな不安なご時世だからこその不安払拭のための

 POPでカルチャーな名称を採用するに至ったワケで。

 それと、『コズミック☆環境大臣』は、発足後、5年後に、

 『コズミック☆アストロテレスコ防衛引き受けます大臣』に

 名称変更されております。」


「どっちだって良いわよっっ!!」


「……。」


「国民が、専門知識も皆無の、馬鹿で白痴で間抜けた、

 何も知らない愚か者扱いされていると感じたわ!

 そして、それらの大臣を歴任して来たのも見たわ。

 ええ、アナタ、どれもバカみたいだった。

 ○してやりたくなるほどに……、絞めてやりたいほど……、

 憎らしかった。

 この国を、本当に、本気で、守ろうとしているのかって。」


「……。」


「でも、アナタは変わった。

 今の、初の女性首相:湧立(ワイタチ)さんが政権を取ってから。

 正直、あんなアナタが防衛大臣をするなんて聞いて、

 最初はハラワタが煮え繰り返ったわ。

 すぐに、呪い○してやろうとも思ったもの。」


「……。」


「……でも、止めたの。

 アナタのボス、ワイタチ首相の手腕をもう少し見たかった。

 あの、(クマ)元首相が育てた子達だもの。

 信じてみても良かったの。」


「貴女は……??」


「結果は、……素晴らしい。

 あの頼りないアホの坊ちゃんでしかなかった若造のアナタ。

 国民を、人を、煙に巻いたり誤魔化すくらいしか能の無かったアナタが……、

 こんな男前の素敵な紳士になってくれた。

 今日、ここで会って、こんな見ず知らずの私の前でも、

 大人として、たった1人の声をずっと聴いてくれた。

 そんなアナタのファンになれて、嬉しいとさえ思えた。」


「あ、あの……、ありがとうございます。」


「あの、『ガリガリビービーギィギィガァガァ大臣』の名が

 削除されないのは気に入らないけど……。

 我らが宿敵、『ガリガリビービーギィギィガァガァ大臣』の

 あの名が削除されないのは気に入らないけれど……。

 他の馬鹿馬鹿しい変な大臣の名称の変更と、

 不要な大臣名称の削除は、大変に評価している。

 ハッキリ言って、税金のムダよね?

 ……『ガリガリビービーギィギィガァガァ大臣』も、

 削除されれば良いのに。」


「ええ。

 『ガッショーン!食糧危機にアウトパンチ大臣』、及び、

 『コズミック☆アストロテレスコ防衛引き受けます大臣』は、

 長い名称と奇抜な修飾語が国民から不評を受けているとのことで、

 それぞれ、『食糧危機問題担当大臣』と『環境規制整備大臣』と

 元の名称に戻りました。

 『ガリガリビービーギィギィガァガァ大臣』については……。

 逆に、もし、御婦人、何か、ご存じなのですか?

 僕も、この大臣については、よく知らないもので……。

 お勉強させて頂くことは叶いますでしょうか?」


「あら、礼儀正しい人。 若いから知らないのは無理無いわ。

 そうね、それなら、少しだけ。

 正直を言うなら、“国家機密”。

 私達の側から言うなら、“最悪の敵”。

 アナタ達側の、“知られざる英雄”。

 そして……、アナタにとっては、“偉大な先輩”、よ。

 それと、そっと教えてアゲル。

 『ガリガリビービーギィギィガァガァ大臣』は、

 『防衛大臣』から派生した、別働のもう1つの防衛大臣よ。」


!?


「これからも頑張ってね、コネズミ防衛大臣?」


 ふっと、消えてしまった。

 御婦人はどこかと探してみたんですが、応接間にはいなくて、

腰掛けていたソファには腰掛けていなかったんですよね。

 ですが、お出ししたお茶は確かにテーブルの上にあって、

でもソファのある応接室には、僕以外の誰もいないなんて、

信じられますか?

 秘書君にも聞いたのですが、そんなスケジュールは聞いていないし、

そもそもスケジュールはいつも僕が秘書君に言っておくもので、

秘書君が勝手に書き加えたりしないのですから、おかしいと思いました。


「コネズミ君、それは、『呪術師』さんだよ。」


!?


 後日、クマ元首相と話していた折、以上の不思議な体験を話したら、

こう笑われました。

 笑われたといっても、馬鹿にされたってワケでは決してなく、

優しく微笑まれた感じに近い感じでした。


「ホラホラ、怯えなくて良いんだ。 君、また、言葉がおかしくなってるよ。

 いつもの、言葉が長くなって意味が通らなくなって堂々巡りする、

 いつものあのアレ。」


「す、すみません。 動揺してしまって。

 そういえば、彼女、物凄い殺気も放ってました。」


「『ガリガリビービーギィギィガァガァ大臣』を“最悪の敵”と

 そう呼ぶんだから、多分、邪悪な方の『呪術師』さんだ。」


「えっ……、『邪術師』!?」


 古くから、この国の国防を揺るがせる、邪悪な人々。

 彼らを、『邪術師』と呼ぶと聞く。


「そうだね。 でも、彼女、君のファンなんだろう?」


「……だ、そうですけど。」


「それは良かった。

 政治家の名を背負って、さらに『邪術師』からの応援も背負ったのなら、

 政治家としてまた一皮剥けたと、太鼓判を押そうじゃないか。」


 ポンっ!


「そんな大袈裟な。

 クマさんともあろうお方から太鼓判なんて……、恐れ多いです。」


「なあに。 私だって、君のお父さんから、同じ理由で太鼓判を頂いた。」


!?


「たまに話すだろう。 “イロハさん”だ。

 彼女は、古くからの“お友達”でね。

 あまり表沙汰にできないが、困った時に助け合える間柄さ。」


「そ、そうなんですか。」


「『邪術師』だって、

 この国に生きるこの国の民で、共に生きているなら国民だ。

 闇に潜む彼らからも信頼を受けてこそ、上に立つ者なのさ。

 私達政治家は、いつだって、国民が見ているんだ。」


!?


「分かりました、クマ元首相。

 このコネズミ防衛大臣、国民のために粉骨砕身、

 身を尽くして、働いて参ります!」


「さすがだね。」


 若き政治家は、また強く輝く大樹に成長するだろう。

 その握り拳の示した“頼り甲斐”は、じきに知れ渡る。


 どんな困難をも越えてみせようと語る。 



***



 また朧げな意識の中。

 穏やかな波に揺られるよに、ふわりふわふわ。

 そんな中で聞こえてくるのは、ただの静かなノイズ、雑音。

 意味を辿るとか、まさか理解しようだなんて、

そんな無駄なことをするくらいなら、この微睡みに身を委ねなさい。


(ふと、思い出した。)


(それは、遠い過去に置いて来てしまった友達の、

 ちょっとした“勇気”だったのかもしれない。)



『未来は無限のパラレルワールド』!



(『多元世界パラレルワールド』??)


(いや、……『無限』!?)


 時を超えて驚愕している。 彼は、何を知っていたのだろうか?

 言葉を多く交わせなかったことを悔いる。



***



「多様性複合的突発的世界規模重大災害って表現するんだってな。

 『クエスト社会』災害のことだよ。」


「ああ、そう聞いておるざ。」


「そんなもの、この国での正式呼称と決めているらしいが。

 決まったことを話すのなら、興味が無い。 帰って良いか?」


「帰るも何も、ここが私達のお家ですよ。

 日頃、お寺に出ておりますと、恋しいものですので、

 大事にしてください。」


「説得力がありますね。

 わたくしは、とても気に入っておりますので、

 大事という概念がよく理解できますの。」


「どうでも良いのね。 結局、何を話すのね。

 ……ヒカゲ抜きで。」


 ある一般的な家屋の中で。 6人で集まって、魔女会議。

 本当は、7人が集まってするのだが、今日は1人足りない。


「状況が目まぐるしく変化している。

 だから、近況を報告し合うのと現状把握の共有化。

 ……と、堅苦しいお題目がお好きならそれで融通してくれ。

 実際は、姉妹同士の仲を深めたいのと、たまには一緒に

 お茶の席を共にしたいだけだあよ?」


「嘘吐きなのね! この前もそう言って、罠にハメやがったのね!

 激辛せんべいを仕込んで、大笑いしたの忘れてないのね!」


「『黒バラ』、お前、まさか私の欠席の時にそんなことをしたのか!

 貴様、この前、私の『鳥仮面』を隠したのもお前か!」


「違うのざ。 それは、『青バラ』が犯人ぞ。

 お前のケチな仮面に悪戯するのは、アイツだけなのざ。」


「おお~~~ほっほ、悪戯される隙があるのが悪いのですわwww」


「あ、あの、皆さん……、甘いお菓子も用意してますので、

 取っ組み合いのケンカはお止しになってください。

 あ、あの……、止まらないですか。 だから、ヒカゲさんも誘った方が……。」


「ヒカゲについては、悪い、アイツは席を外して貰った。

 何せ、今回の議題はコレ。」



<『クエスト社会』災害のどさくさ紛れ、

 Fhu-とヒカゲを召還した件について>



!?


「いきなり、本題ですか!?」


「……あの件か。」


「ちっ、まずはケンカは止めなのね。」


「何はともあれ、ケンカは止まりましたが。

 ……とんでもないのをブっ込んで来ますね、イロハさん。」


「とりあえず、話が進んだのざ。 イロハ、少し解説したれ。」


「どうも、『白バラ』さん。」



 7姉妹の父親と名乗る不審人物のこと。

 Fhu-と名乗るアイツは、この6人で“異世界召喚”した、

血の繋がらない変なヤツだ。



「いいえ、わたくしのお父様ですの!」


「……。」


「下らないこと言いやがって、なのね。」


「まあまあ。 でも、決して、悪いものではありません。

 それが事実です。」


 ズズ……。


 お茶を1啜り。

 尼僧の言葉の次は、特に出て来ない。



「ある星の降る夜、煌めき燃える星々を降らせたあの夜だ。

 あたしらは、“ある目的”で、あの男を呪術的に召還した。

 ……数多の“失敗例”とともに、呼び寄せた。」


「“失敗例”、か。 言い得て妙ざな。

 未だ、1匹も捕獲できていない、未確認生物どものことか。」


「正体不明、この世界に何をもたらすのか分からない、

 言わば、“不安の種”どもか。」


「アイツらの故に、Fhu-のことも、表沙汰にできないのね。」


「そもそも、お父様のことは、わたくしが大事にしますの。

 表沙汰なんて、必要ありませんの。」


「今更ですね。

 こんなこと公表しても、この世の中では、

 『クエスト社会』災害の1つの災害事例にしかなりません。

 イタズラに不安を公表するのは不要でしょう。

 この尼僧が胸に秘めて差し上げますので、皆さん、

 黙っていてくださいますか?」


 ズズ……。


 お茶を1啜り。

 やはり、落ち着いた尼僧の言葉には、1つの反論も無い。


「皆さん、賛成の様子だ。

 ああ、あたしらは一蓮托生、共犯者なんだ。

 それが確認できただけで、この魔女会議は十分さ。

 でも、もう1つだけ、確認してくれ。」



<『クエスト社会』災害のどさくさ紛れ、

 Fhu-と“ヒカゲ”を召還した件について>



「“日月ヒカゲ”を一緒に召還したって言ったけどさ。

 あの時の経緯を覚えているか。」


「……。」


「……。」


「……アイツが召喚されたところ、見ていないのね。」


「何も言いませんわ。 どうしたところで、何ができますの?」


「南無南無……。」


「アイツの名前に聞き覚えは? 皆、もう気付いているんだろ?

 何で、あたしら『魔女』の姉妹に、“ただの受験生”が紛れて、

 肩を並べてさも当然な顔をしているんだ?

 しかも、何故、当然の様に、Fhu-の隣にいるんだ?

 お前ら、本当は、もう気付いているんだろ!?」


「気付かぬフリが、幸福な生活を続けるコツぞ。

 アイツがどうあれ、今のわっちらは悪くない。

 7つ子とは無理やりな一括りで強引な設定ざが、

 仲良くできているのが一番ぞ。」


「私は……、特に問題無い。」


「右に同じですの。

 思ったより、仲良くできそうですから、

 それに越したことはありませんの。」


「べ、別に、アイツのことなんて、どうとも思ってないのね。」


「それなら、皆さん、特に問題が無さそうなので、

 それで良いじゃありませんか。

 この尼僧もそう思います。」


「へへ、どいつもこいつも食えないヤツらだ。

 あたしも、その意見に賛成さ。

 それよりも……。 今、一番の問題はさ。

 “Fhu-があたしらに何か隠していること”さね。」


「「「……。」」」


「あっ、皆、さては知っているな。 アイツ、馬鹿だよね~♪

 バレてないと思ってやがるだろwww

 じゃあ、今度は、ヒカゲも混ぜて、会議しようぜ?

 それにしても……、○ップラドンカルメ?

 誰が持って来たの、このお菓子? 美味しいんだけど?

 誰も見たことがない不思議なお菓子って、誰が言ったの?」


そして、時は来る。

この時代を生きる者達の物語が、1つまた語られる。




 <完>


 先日、強めの地震がありました。

 ええ、結構ビビるレベルでゴワっそ。


「どうも、Fhu-氏に御座います。」


 突然ですが、地震が起きた時、Fhu-氏はすぐに避難経路を

確保して逃げる算段を素早く付けるタイプの青年でした。

 ええ、真面目でつまらないヤツでしたので。

 いや、それで正解なんですけど(笑)


「ただね……、

 守りたいモノがあるとちょっと怯むことに気付いたに至る。

 たまには、愚か者であることを選ぶ様になった今日この頃。」


 猫、がね。

 離れた部屋で昼寝しているのに気付いたので、先にそっちへ行ってた。

 一応、抜け目無く、避難路は開放しながらの移動はしたけど、

不安がる猫を抱いてそのまま座り込んだのには、まあ、反省点はある。


「今回も、“コレは大きな地震ではない”と呟き続けたのが

 功を成したのか、大事には至らなかったので助かった、

 というのが結果として残りましたが。

 神仏に感謝感激を捧げずにはいられません。」


 さて、その家が揺れている最中、猫を抱いて座っていた際のことですが。

 ふと、思いました。


(あっ、もし、このまま家が潰れたら、

 最悪の場合、猫を抱いたまま、俺は“化石”になるのだろうか?)


(嫌がる猫を腹巻きにして抱いた、胡坐姿勢のお兄さんの化石って、

 レアじゃねえのwww)


(だとしたら、どこの博物館で飾って貰えれば良いのか?)


 ……何を考えているのでしょう? 病み上がりにボォっと生きているからです。

 如何せん、最近、トリップし易い。 クスリはやっていないんですがね。


「以上、今の望みは“肉を食いたい”の、Fhu-氏でした。

 皆様の、安心安寧と健康長寿を心よりお祈り申し上げます。」


 ああ、あとそれと。 時を超えて、思い出したことが、1つ。



『未来は無限のパラレルワールド』。



 こういつか、スローガン案として出してくれた、勇気ある友人について。

 きっと、あの時、物凄い勇気を振り絞ってくれたのだろうと思っている。

 今となってはもう遅く、何年も後のことだけど、

話してみたかったと今になって悔いている男がおります。

 あの頃なら、こうして駄文を並べて一喜一憂していることになるなんて、

思いもしなかったであろうあの頃の男の未来の姿です。




2026/07/02

とある未来のろくでなしの道化師こと、Fhu-氏

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