錬金術師と魔術師は仲が悪い
私の師匠は錬金術師である。
そして弟子の私は師匠の妹だ。
けれど本当はこれは師弟ごっこ。
魔法の力により普通の人でも寿命が150才近くになり、魔法使いなら更に長生きする時代。
魔法使いでも治せない奇病で私は20歳までは生きられない。家からだってめったに出られなくなった。そんな私を元気づけるためのお遊びだ。
万能の魔法使いになれば病気なんて吹き飛ばせるのにという願いごと。
魔法マニアの兄の授業中は昔は難しい魔法理論の話ばがりだった。
退屈そうに聞いていたのが分かったのだろう。
「ハンナも同じだった」
とつぶやいた。
ハンナお姉様は兄の恋人であり、私にもよくしてくれる。ハンナお姉様も退屈そうにしていたのだろう。
兄は昔よくハンナお姉様の話をしていた。
不器用な兄の事、当時からハンナお姉様を強力に意識していたのだ。
ハンナお姉様はまだ2人が交際を始め出した頃、私に顔合わせにやってくる。その時は私と兄が血がつながっていないと知ったときはすごく警戒していた。たしかに兄の初恋の相手は私だったのではと思うけれど、今は妹として愛すと決めている。
ハンナお姉様もそれがわかっている。
それに私は後数年の命、特別な薬でなんとか生きながらえている。材料は危険な場所にしかなく無理なく買いに行ける範囲ではハンナお姉様の御実家でしか取り扱いがない。
兄は苦しみを見せないように、私は絵顔を見せるように、最後時間まで、いやそれができなくなるまで2人の師弟ごっこは続くのだ。
終わりの時は近づいてきている?
2人のその後については、別で最後まで書いてあります。今回のサブタイトルと同じ錬金術師と魔術師は仲が悪いです。よろしければそちらもお願いします。




