0. 前章までのあらすじ
[注意喚起事項]
本エピソードは前章までを読んでいない方向けのあらすじです。
前章まで読まれた方は読み飛ばしいただけます。
私、アイテール・オルペ(男性名:イル、女性名:イリィ)は、かつて、魔導王国アイテールの誇る天才魔術師だった。
百人の魔術師を率いて戦場に立ち、国の勝利を支えるほどの力を持っていたが、ある魔法事故によってすべてを失う。四元素魔法は失われ、名誉も地位も家族も遠ざかり、さらには身体までも少女のものへと変わってしまった。
絶望の中で放り出された旅路は、過酷そのもので、
森で魔獣に追われ、街では弱者として狙われ、自分がもう以前の自分ではないことを嫌というほど、思い知らされる。それでも私は旅の中で、旅の仲間となる傭兵ゲイルとも出会い、私は傷つきながらも前に進んでいった。
やがて辿り着いたクォーレ火山の村では、
村を脅かす危機に巻き込まれ、仲間や村人たちの命を懸けた戦いへ身を投じることになった。多くを失い、血と涙の果てに、それでもなお手を伸ばした先で、私はついに失っていた火の力を取り戻したのだ!
だが、その再起の瞬間を祝う暇もなく、旅の支えだったゲイルの裏切りが、私を奈落へ突き落とした。希望を掴んだその直後に、再びすべてを奪われる ――― そんな最悪の形で、私はまた一人旅に戻ったのであった。
心を深く傷つけられた私は、以後はからずも、女性として、 “イリィ” としての道を生きることになる。
逃げ延びた先で身を寄せたのは、タキオン教の女子修道院だった。
そこで出会った見習いシスター・フローラの優しさに救われながら、私は少しずつ自分を取り戻していったのである。
男性への恐怖、失われた尊厳、女として生きる現実。
抱えきれない痛みを引きずりながらも、負傷した騎士たちを前にして魔法の力を振るうことをためらわなかった。タキオン教禁断の魔法と、フローラの持つ奇跡の力が結びついたとき、救われるはずのなかった命が繋がれ、新たな絆が生まれた。
さらに領主アレクサンドリアとの出会いにより、私の正体と世界を揺るがす戦乱の気配が浮かび上がってきたのであった。
魔法を使ったことで街を追われた私は、火山の村で出会った銀狼ロウ、魔術師見習のダビと一緒になり、フローラを加えた四人と一匹で“イリィ一座”を名乗り、土の力を取り戻す旅を続けることになった。
その旅の中で私は、女としての自覚を徐々に自分のものとしながら、大断崖コルトラッシュで、皆の力も借りてついにその力を取り戻すことができたのだ。
仲間とともに領主アレクサンドリアの元へ帰ってきた時、街は戦場と化していた。
私たちは戦場へ向かい、騎士団と共闘しながら大きな戦いに挑むことになる。
確かに力を取り戻し、誰かを救える自分になりつつある。
けれど、その先に待っていたのは安らぎではなく、すれ違いと孤独だった。強さを得るほど、失う痛みもまた大きくなる。そんな余韻を残しながら、我が故郷ルクソンへの旅路を急ぐのであった。
なんとしても、我がオルペ家・一族郎党の処刑を食い止めなければならない!




