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貴方が涙を流すまで


「いやっ・・・・、どうして・・・・」


動くたびにキツくかけられた手錠か擦れる。

恐怖から逃げ出したいと言う本能のまま動くが、その度に体に痛みが走る。


「私のアキラさん・・・・、今、すっごいいい顔してますよ?」


あー、本当にどうしてこうなるのかな?


ーーーーーーー


太宰の家にてーーーー


「つまり、お前は警察を誘き寄せて、あぐりをぶっ殺し、そのまま逃走ってことか。」


「ええ、あながち間違っていませんよ。」


「お前・・・やっぱり救いようのないクズだな・・・。」


絶望しながらため息をつく。

ここまで想定していたなら、夢野と過ごしたの時間も全て茶番・・・・、このままシナリオ通りに進めば、夢野は確実に死ぬ、そして俺は逃走した後、死ぬまで彼の玩具にされること間違いなし・・・・。

悲壮感が彼の監禁された時ばりに沈み、心臓の鼓動が激しくなる。

息ひとつつくだけでもきつい。


「さ、こんな話は終わりにして、アキラさん、ご飯しっかりたべてください。」


太宰がハンバーグがメインの夕飯を差し出す。

食わなきゃ殺すみたいな目をしながら。


「なんだ・・・・?毒でも入ってるのか、昨日みたいに。」


「いいえ、今回は大丈夫ですよ?」


太宰がフォークでハンバーグを突き刺し、俺の口へと運ぶ。

反射的に口をきつく閉じる。


「そんなことしていいんですか?」


彼はポケットの中から電流のボタンを取り出す。


「わ、わかった・・・食べるから、やめてくれ。」

「・・・・・・いい子・・・。」


彼からフォークを取り戻し、口の中に入れる。

数分待ったが、眠くなったりはしない。でも、前みたいに遅効性の毒だったり・・・。

すると、太宰が俺の後ろを立ち、首に手を振れる。


「アキラさんは・・・・、お母様を強姦した者のことを憎んでいますか?」


「・・・・・・なんでそのことを知っているっっっ。」


頭に一気に血が昇ることに気づく。

手に血管が何本も浮き上がる。

身体中無意識に熱くなる。


「怖いですね・・・・、でも後ろを振り向いたら殺します。」


「なんで、なんでそのことを知ってるんだっっっ。太宰っっっっ!!!!!」


「そりゃあ、あぐりに聞いたからですよ・・・・、彼女は私のお人形さん・・・・。痛ぶったら・・・・なんでも答えてくれる。

昨日・・・あなたが熱に苦しんでる時、私は彼女を呼び出した。

そして、拷問したんです。あなたのように。何度も何度も蹴って殴って吐かせて・・・・。

そしたら、言ってくれたんです。


・・・・あなたの秘密。」


猫撫で声で俺の頭を撫で、震える手をゆっくりと抑える。


「嘘だっっ・・・・嘘に決まってる・・・・。」


「嘘じゃない・・・・。夢野に聞いてみて、あなたの話はもう聞かない、全て真実を言えと彼女に言ったので・・・。」


「あぁ・・・・嘘だっ、嘘だよな・・・・。

もうこれ以上・・・・」


「じゃあ、なんで私はこの事実を知っているのですか?」


「お前が勝手に調べて・・・・。」


「ふふっ。そう思いますか・・・・では、実際にあぐりを連れてきましょう・・・・!



・・・・あぐり、いるだろ・・・。こっちこい・・・。」


急に変貌した声が部屋中を響かせる。

すると、後ろの物陰から


あぐりが出てきた。

黒髪にこちらを見つめる冷たい目。


「昨日・・・・、お前はアキラさんが寝てる時、何をした?」


「江戸川さんの母親のことを・・・太宰様に伝えた。」


淡々と話す彼女。

頭の中に火薬でも突っ込まれて中でものすごい勢いで爆発している気分だった。

自然に涙が出てくる。大粒の涙がポツポツと。


「あなたは私を助けてくれたのかもしれない・・・・。

感謝してる、私にいい場所を与えてくれた。


・・・・・でも、私の主人は太宰様。


ごめんなさい。アキラ。」


「・・・・・嘘・・・だろ・・・嘘に決まってる・・・なぁ。そうだろ・・・。

嘘、嘘なんだろ・・・・。」


「・・・ううん、本当。だって、あなたは警察が車で、そしてこの家を警察が囲んでる間、


あなたは太宰様に、あなたのお母様を殺したやつに・・・めちゃくちゃに遊ばれるでしょうね。」


その瞬間、頭の中で何かがプチっと切れた気がした。

その時の断片的な記憶はないに等しかった。


俺は気が失うまで、絶望の悲鳴を上げていた。

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