突入!24時
警視庁捜査会議にて、
機動隊員の一人が樋口に話しかける。
「彼女の写真・・・・信憑性あるんですか?」
「あるわよ、太宰暦とのメールを見せてもらった・・・・それに、大阪府警もその場所に不自然に一軒家があるのはわかっているわ。」
「ですが・・・・ただの住宅だったら・・・。」
「見たら・・・・
太宰の車があった。
ナンバーは違ったけど、細かい傷の場所が同じだった。」
「そ、そうですか・・・。」
機動隊員の一人が安堵の息を漏らす。
ここまでの不祥事を起こしているのに、急に普通の住宅地に突進していって、善良な市民を殺してしまうなんて起こったりしたら、警察組織自体が揺れ動く大惨事だ。
「作戦はどうなさいますか?」
「まず特殊機動隊を全隊配置するつもりだわ。
彼は処分するものを処分して、欲しいものは必ず手に入れるといった。
欲しいものとは、多分アキラのこと。処分するものは、殺し屋として価値のなくなった夢野あぐりのことを指すと思うわ。
今回の突入の最終目標はなんと言っても江戸川暁の救助と夢野あぐりの救助。太宰暦は二の次よ。
機動隊とはもう話をつけてある。
・・・・それよりやはりどう突入するかよね?」
樋口が一通り喋り終わった後、機動隊メンバーが立ち上がる。
「やはり、定例通り、最初に人質・・・いや被害者である江戸川さんと夢野の解放を求めますか?」
「・・・・いつもはそうなるけど・・・やっぱり夢野はともかくアキラを易々と渡してくるわけないわよね・・・・。」
樋口がやっぱりと、頭を抱かえる。
ここで無理に突入でもすれば、最悪、彼が殺され、太宰は逃走。
最悪のシュチュエーションが見えてくる。
「家の中の実態も理解できないし、無理に狙撃隊を配置することも、現状を理解しなければできない・・・・。」
「ならば・・・・どういたしますか?」
「うーん、最悪放火ね。」
『放火』、この言葉に部屋にいる一同がざわつく。
放火をして、彼らが一酸化炭素中毒で死ぬ前に、救助すると言うことだろうか。
だとしても、あまりに無茶苦茶すぎる。
彼が家の地下に監禁されている可能性もあるし、どうやって彼らの居場所を突き止めるのか。
どうやって救助するのか。
「彼は、私たちが右往左往するのを見て楽しみたいだけ、逃げるんだったら勝手に逃げればいいのに、わざわざ私たちのことを呼び出して逃げようとする。
もしかしたら、わたしたちを一斉に集めたところで、私たちのことを無差別に殺すかもしれない。
そうなれば、人をモノとして数えることはアレだけど、大きな損失なるわ。」
「そうですね・・・。」
「まぁ・・・・現場は生き物よ・・・・。
どんなに作戦を練ったって、うまく行くことはほぼない・・・。
・・・・・はぁ・・・江戸川君、
君ならこんな時、何を思いついたの?」




