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私の知っているサイコは限りなくスイートでホットなやつだったわ。で・・、それが何か問題かしら?


「レイエ・・・いや、コヨミは。


恐ろしくサイコでスイートな男よ。クラブでは最高にホットだけど、ちょっとヤバイの。

みんな口を揃えてこう言うわ。


彼は気が狂ってるって。」


はるばるアメリカからやってきた元太宰暦の大学生時代の同級生、リアナ・デ=セルバンテス。同じ犯罪心理学科の出で、現在はPTSD患者のためのセラピストを生業としているこの女性。

対応に当たったのは、与謝野だった。

プラチナブロンドの髪はどことなくカフカの姿と重ねて見え、着込んでいる革ジャンに浅草あたりで買ったであろう雷門のマークがついたシャツという珍妙な格好は名門大学の卒業生とはあまり思えなかった。

ついさっきの雑談によると、日本の仕事があったのでそのついでと、自分から情報提供にやってきたらしい。

日本語も少しは喋れるらしいが、モラル的な日本語をあまり理解していないためか、さっきからテレビで流せば静粛音が出そうな言葉を何度も連らせていた。


「彼はクレイジーなほどスマートな男だったの。

テストがあれば満年一位!

教授からもパーフェクトスチューデントって褒められていたわ!


でもね?

クラブに足を踏み入れると彼は別の意味でクレイジーになるの。

テキーラを一滴でも口に入れたら、彼の鎧は剥がれ落ちるわ。

途端にどんなものでも噛み付いてしまうサイコなレイエに変わってしまうの。


酔っているわけじゃないのよ?本物のサイコなの。

彼に一言でも悪口を言って仕舞えば終わり。

持ち前の毒で相手の命を絡め取ってしまう。彼のお気に入りのカウンター席はウィークエンドには血がこびり付いているの。

でも、彼は最高にクールだし何より男のくせして圧倒的にセクシーだから。

人の精神をいのままに操るなんてお手の物。

彼の言葉は死ぬほど甘い、砂糖で丸めたマシュマロみたいなものなの。


私はその甘い毒には絡まらなかったけど、今までその毒に喰われたものは何人も見てきた。

彼、甘いだけじゃなくてホットなのよ。


彼の熱気はアイシャドウのようにべったりついてくるの。全部を燃やしてしまうほどのね?

やり方はわかっているし、女心もよくわかっている。

私も彼と気が合ってクラブでよく飲んでいたところから恋愛に発展したけど・・・・・、初めてやった時はマジで無防備な脊髄を舐められているようだったわ。


あ、こんなのはまだ言い方よ?まだまだ色々あるから。」


ぐびっと紅茶を飲み干し、リアナ・デ=セルバンテスは一息ついた。

この話に、与謝野は何と返答すればいいのか少し言葉が止まった。


「ん・・・・・何となくわかりますけど・・・・、他に何か事件と繋がることは?

彼がサイコパスなのは薄々気づいてましたが・・・・・。」


そんな問いの投げかけにリアナは口角をあげ、ニヤリと微笑した。


「そんなのあるに決まっているでしょう。

彼はサイコパス。

彼が惚れ込んだやつにはどんな手を使っても自分のものにするわ。


誘拐監禁なんてまだ序の口。

彼は欲しいものは絶対に逃さないの。」

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