ほら、あれ。ロミジュリの二人よりはまだマシかもしれないから、めげずに頑張ろう・・。
投稿遅くなってごめんなさい!
中間終わりこれから頑張って二日に一回投稿できると思います!
「とんでもねえ目にあった。」
あの地獄の一夜がやっと明け、あぐりが俺の隣で寝返りを打ったと同時に腕が俺の顔を直撃したことによって起きてしまった。
熱や頭痛は治ったものの、倦怠感はまだ残っている。一瞬起き上がったが、またベッドに横になってしまった。
あぐりは、一夜中ずっと俺にひっついていたらしい。左手だけは起きた時も握ったままだった。
「だるいな。」
体の芯がジェットコースターに乗っている時のようにクラクラとバランスが保たれないでいて、妙な浮遊感を感じる。学生時代、三日間ほぼ徹夜をしていた定期テスト期間がやっと終わりを告げた時のような気持ちだった。
やることもないし、二度寝できないかと目を瞑る。
脳裏にふと、外にいた記憶を思い出す。
監禁されて何日経った?
もうそんなことすら分からないほど精神が壊れかけている。
どうここを出るか?
どうあぐりを守るか?
全く分からないけど・・・・・・。一人で戦わなくてはいけないほど辛いものはないな。
思い詰めていると、ベッドの横から妙にまあまあいい匂いがするのに気づいた。
温かそうなバターの匂いに、ほんわかとした桃の香り。
あぐりと勉強しているテーブルには、朝ごはんと思われる洋食の献立が乗せられていた。それもちゃっかり二人分。
それに、桃とキウイのヨーグルトの横に、太宰が書いた置き手紙も残されていた。
まあその手紙に内容というのもかなり頭にくるものであったのだが。
「アキラさんへ
昨夜は本当に申し訳ありませんでした
これはせめてものお詫びと受け取っていただけると嬉しいです。」
謝る気なんてなおさらないような適当な文章。
朝からイライラしながらも、食事には手をつけなかった。どんな毒が入れられてるかも分からないのに、無防備に手を出すなんて自殺行為だ。
「おはよ・・・・、アキラ。」
「ああ、あぐり。起きたか。」
相変わらず黒パーカー姿の彼女は、俺がメモを見ているうちに起き上がってきたようで、ムクっとベッドから降りたと思えば、またソファでの寝転び始めた。
大量のあざが傷つかないように仰向けで。
「昨日は大変だったね。」
「ああ。そうだな・・・・・。」
ソファの横に座り、あぐりが身を寄せてくる。
甘えてくることには何の抵抗も感じないが、目に付くのはやはり何十個にも及ぶアザと古傷、痛ましかったがその傷の中には俺がつけてしまったものがあるという事実が一番後ろめたかった。
「何のためにあんなことしたんだろうね・・・・・。」
「そりゃあ、俺と君を甚振りたいか、警察で遊んで優越感に浸りたかったのどっちかだろ。」
「早くこんなところから逃げたいな。もし神様がまだ私を見捨てていなかったら、アキラと一緒に暮らしたい。」
「もちろんだよ、あぐり。」
ーーーーーーー
警視庁・玄関ロビー
昨日のこともあって警視庁はさらに騒がしくなり、目の下にクマがある刑事もちらほらいる中、ロビーのど真ん中で金髪のアメリカ人と一人の警官が壮絶な言い合いを繰り返していた。
「だから通せっつてんだろっ!ビチグソが!!」
「困ります!情報提供なら他の警官にやらせますので・・・・。」
「はあ?身の危険も顧みずに来てやってんだよ!少しは一級なやつ呼んでくれてもいいじゃねーか。」
慣れない日本語を下手な発音で殴り飛ばす金髪アメリカ人はかなりトサカに来ているようで、腕を組みながら警官と睨み合っていた。
その騒動はすぐに上の耳に入り三分後には金髪アメリカ人は刑事から柔和な口調で何がしたいのか聞かされた。その対応に金髪アメリカ人は納得行ったのか、さっきとは打って変わってペラペラと話し始めた。
「エドガワアキラの事件についての情報提供よ。」
金髪アメリカ人は名前も名乗らずに図々しく妙に偉そうに、要件を話した。
刑事も早く作業を進めたいのも山々なのだがここで彼女が爆発したら最悪な自体なので、どうにか沸点を押さえ込もうとしていた。
「なら、担当のものが来ますので、そちらで。」
「ああ、言うのを忘れていたわ。
私ね、レイエ・・・・違ったわ。太宰暦の大学時代のダチなのよ。」
刑事はあっけにとられたかのように、金髪アメリカ人は当たり前のように。
水を打ったように警視庁は静かになった。磁石のように集まる天田の刑事たちの目線、それに動じるふりなんぞ見せない金髪アメリカ人。
何が起きたのかいまだにわかっていない金髪アメリカ人は愛想なくキョトンと首を傾げたあと、やっと状態が理解できたらしい。
(ああ、そういえば、そうだった。)
「ああ、私言いにくいんだけど、ダチっていうか、なんていうか・・・・。
ああ、思い出した。
私、太宰暦の大学時代の元カノなのよ。よろしくね・・・・?」




