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奴隷の国  作者: 猫人鳥
4章

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506 媒体

フィール視点です。

 ダンジョンを進んでいると、カイがまた魔物を発見してくれた。

 カイの様子からして、かなり危険な魔物みたいだけど……


「おい、何がいるんだ!」

「あ、えっと、ハイヘェンターですね。多分、6体?」

「いいえ、7体よ」

「すみません、もっと気をつけて見ますね……」

「気にする事はないわ。1体は死角にいて見えづらいからね」

「お前には見えるのか?」

「見えないわよ。魔力で分かるだけ」


 ハイヘェンターだったから、カイはあんなに警戒していたんだな。

 近づき過ぎれば卵爆弾を飛ばしてくるので、即死もありえる。

 しかも7体もいれば、戦い方もかなり考えないといけない。


「アキナ様が今日ダンジョンに来た目的は、ハイヘェンターだったのですか?」

「えぇ。ハイヘェンターとハイカウンを、拠点で飼おうと思ってね」


 それは、契約魔法で従えるという事だろうけど……


「あの、アキナ様が契約されるのですか?」

「んー? フィーもカイも無理そうだったら私がやるけど、あなた達なら出来ると思うわよ」

「が、頑張ります……」


 契約魔法は一応使えるけど、実際に魔物と契約した事はない。

 相手が強いほど難しくなるものなのに、初挑戦がハイヘェンターだなんて……

 それでも、アキナ様が出来ると思って下さっているんだから、頑張らないと!


「アキナ様? 俺、契約魔法の知識が全くないんですけど、大丈夫ですか?」

「難しく考えなくていいわ。殺気は私が抑えておくから、あなた達は邪気を抑える事だけに集中しましょうね」

「邪気を、抑える……」

「とりあえずフィー、≪スリープバアド≫を発動して、あのハイヘェンター達を眠らせてくれる?」

「かしこまりました」


 気づかれないように警戒しながらハイヘェンター達に近づいていく。

 そして、前回倒した時と同様に、≪スリープバアド≫で眠らせた。


「とりあえず、1体は私がやるからよく見ててね」

「「はい」」

「契約に必要なのは、契約呪文と契約媒体よ。そして今回は鉱石が契約主となるわ」

「契約主として使う鉱石だったんですね」

「えぇ。カイ、1つ頂戴」

「はい!」


 アキナ様はカイから受け取った鉱石を眠るハイヘェンターの少し手前に置き、鉱石とハイヘェンターがおさまる大きさの魔法陣を形成された。


「ここからがちょっと面倒なんだけど、魔物は契約される時、契約を拒んで暴れるのよ。契約の途中で魔法陣から対象が出てしまえば、契約魔法は失敗するわ。だから魔物を拘束しておかないといけないの」

「失敗するとどうなるんですか?」

「普通に失敗しただけならどうもならないけど、変に半分だけ成功してしまったりすると、契約者でも解除出来ないようなものになる事もあるし、変な特殊効果がついてしまったりもするわね」


 ウィザルド国の授業で、カウンとの契約に失敗してしまった牧場主さんの話を聞いた事がある。

 契約の解除が自分では出来なくなってしまった上に、特殊効果のせいでミルクとなる毒を撃って来ないカウンになってしまったと言っていた。

 だから契約魔法はかなりの注意が必要だし、国から認められた人しか行ってはいけない魔法なのだと教わった。


「今回はフィーの≪スリープバアド≫で寝ているから、特に拘束する必要はないけど、もし起きてしまいそうだったらしっかりと拘束しておきましょうね」

「拘束魔法ですか?」

「そうね。拘束魔物が使えるのなら、それが一番簡単に契約出来るわね。でも、魔物が魔法陣から出さえしなければ何でもいいわよ」


 フェルルは少し離れたところから私達の様子を見ているけど、会話はちゃんと聞いているだろう。

 さっき拘束されて、無理矢理に紅血奴隷印を刻まれたんだ……

 今の心境は複雑だろうな……


「≪シールド≫で覆って出られないようにするとかでもいいんですか?」

「いいけど、≪シールド≫は壊される可能性があるからね。ロープで縛って動けないようにするとか、魔物が多少暴れても問題ないくらいの、大きな魔法陣を形成するというのが一般的よ」


 暴れても問題ないくらいに大きな魔法陣……

 あのハンター達に奴隷印を刻まれた時のような……


「じゃあ、いくわね」


 私が余計な事を考えそうになっていると、アキナ様は契約呪文を唱え始められた。

 魔法陣がキラキラと美しく光っている……これは、アキナ様が奴隷印を刻まれる時の光景と変わらない。

 でも、今回は人ではなく魔物だ。


 アキナ様の呪文に反応するように、ハイヘェンターからだんだんと赤い靄のようなものが発せられてきた。

 そしてその靄は、アキナ様が置かれた鉱石に吸収されるようにおさまっていく……

 これが魔物の邪気を抑えるという事なんだろうか?


「はーい、かんりょ~」

「アキナ様、大丈夫ですか?」

「大丈夫。少し気分が悪い程度だから……」


 契約対象が弱ければ、それだけ魔力の消費量が少なくなるとはいえ、やっぱり魔力は消費されている。

 だから体調不良とまではならなくても、アキナ様は気分が悪くなってしまわれたんだろう。

 私達に手本を示すためとはいえ、あまり無理はしないでいただきたいのにな……


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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