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奴隷の国  作者: 猫人鳥
4章

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505/1454

505 大火

フィール視点です。

 アキナ様と一緒にカイとフェルルの戦う様子を見ていると、カイは≪ウインドアロー≫を使い、ハイボーアをすぐに倒すことができていた。

 ≪ウインドアロー≫の威力もかなり強かったし、カイが成長している証拠だ。


 フェルルはずっとハイボーアの突進を避けていた。

 どう倒すのか、ちゃんと倒せるのかと心配していたら、カイに囮となってもらい、その隙に羽で飛んでハイボーアの上へとまわったフェルルは、ハイボーアに上から剣を突き刺した。


 いくら強化した剣でも、あのハイボーアの固い皮は相当な威力がないと破れないはずだ。

 おそらく剣そのものを補強する≪リインフォース≫だけでなく、剣を重くする≪ヘビー≫やフェルル自身の動きを早くする≪クイック≫等の強化魔法も使っていたんだろう。

 強化魔法が使えるとは言っていたけど、こうも上手く組み合わせて使えるというのは凄い事だ。

 やっぱり、戦闘にはかなり慣れているんだろう。


「2人共、お疲れ様」

「アキナ様!」


 嬉しそうにアキナ様に近づいていくカイを、フェルルは不思議がっているみたいだ。

 今一緒にハイボーアを倒した事で、カイに対して少しは仲間意識を持ってくれたのかもしれないけど、そのカイはアキナ様を大切に思っているから……


「フェルルもちゃんと倒せたわね」

「……」


 アキナ様がフェルルに声をかけられたけど、フェルルは返事を返さない……

 それでも、さっきまでのようには睨んでいないので、アキナ様への印象も少しは変わってきているのかもしれない。

 このままいい方に変わってくれれば……と、思っていたのに、


「じゃあこのハイボーア、焼きましょうか」


と、アキナ様は仰られた……


「焼く?」


 フェルルがアキナ様の言葉に反応している。

 炎が苦手な妖精種を前に、"焼く"なんて言う発言をすれば、フェルルが怒るのも無理はない……

 折角アキナ様を睨んでいなかったのに、フェルルはまた睨んでしまっている。


「フェルルはご飯食べてないんだし、お腹空いてるでしょ? 生肉よりは焼いた方がいいわ」

「別に、いらない」

「ダメよ。空腹は判断力を鈍らせるんだから。カイ、フェルルが食べる程度の肉を焼いてあげて」

「え、で、でも……あの……」

「どうしたの?」


 フェルルの前で≪ファイヤー≫を使っていいかと聞くのは、フェルルにも失礼だ。

 だからカイは言えないんだろう……

 でも、アキナ様が妖精種が炎を苦手としている事をご存知ない訳がないのに、どうしてこんな事を……


「その……≪ファイヤー≫は、ちょっと……使わない方が良くないですか?」

「ん? あー、もしかして、妖精種が炎を苦手としている事を気にしているの?」

「あ、はい……」

「大丈夫よ。ね、フェルル」

「……」

「妖精種が苦手としているのは"大火"だから。多少の≪ファイヤー≫や≪フレイム≫位、どうって事はないわ」

「お前、なんで知って……」


 フェルルは驚いた顔でアキナ様を見ている……

 妖精種が大火でなければ大丈夫だという事は、あまり知られていない事なんだろう。

 もしかしたらこれも、アキナ様にとって当たり前なだけで、誰にも全く知られていない知識なのかもしれない。


「え、じゃあ使いますね。≪ファイヤー≫」


 カイがフェルルに断りを入れてから≪ファイヤー≫を使ったけど、フェルルに炎を恐れている様子はない。

 本当に大丈夫みたいだ。


「どうぞ、フェルルさん」

「……」

「フェルルさん?」

「お前はさっきのハイボーアを倒す時、≪フレイム≫を使わなかったな」

「あ、はい……」

「俺の事を気にしていたのか?」

「一応……」

「……変な奴」


 打ち解けている感じではないけど、フェルルはカイが渡したハイボーアを受け取って食べてくれた。

 さっきミララが飲んでいたオラジールジュースに何か入っていたらと警戒していたけど、これは自分が倒したハイボーアだし、カイが焼いただけだったのも一目瞭然なので、安心して食べられたんだろう。


「フェルル、ポーションよ」

「いらないっ!」

「でも……」

「自分で飲んどけ」


 魔力を回復してほしくてポーションを渡そうとしてみたけど、フェルルは受け取ってくれなかった。

 警戒されているのは仕方のない事だけど、強化魔法も多用していたんだから、ちゃんと魔力を回復して欲しかったのに……

 だからアキナ様は、フェルルに今食べるようにと仰られたんだろうか?

 フェルルがポーションを飲まない事を見越して、少しでも魔力を回復してもらうために……?


「じゃあフィー、残りは全部拠点に送っておいてね。解体は皆がしておいてくれるでしょうから」

「かしこまりました」


 ハイボーアを拠点へと送り、ダンジョンをさらに進んでいく。

 なかなか魔物が現れないと思いながら歩いていると、先頭を歩いていたカイが急に立ち止まり、


「ア、アキナ様……いっぱいいるみたいなんですけど……」


と、少し震えながらアキナ様に声をかけた。


「そうみたいね、丁度よかったわ」

「丁度いい?」

「今日ダンジョンに来た目的が、達成できそうって事よ」

「そうなんですか?」


 カイが見つけた魔物に対して、アキナ様は目的が達成出来ると仰られた。

 鉱石を持ってくるようにと言われていたのと関係があるのかもしれない。

 カイは凄く警戒しているみたいだけど、沢山いる何を見つけたんだろう?


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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