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奴隷の国  作者: 猫人鳥
4章

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504/1454

504 援護

カイ視点です。

 ハイボーアを1体倒してフェルルさんの援護に来ると、フェルルさんはハイボーアの突進を何回も避けていた。

 おそらく、ハイボーアがどういう動きをする魔物なのかを探っているんだろう。

 でも、避けているだけでは攻撃は出来ない。

 アキナ様から攻撃はしないようにも言われているし、フェルルさんがどう倒す予定なのかが分からないので、どう援護したらいいのかも分からないな……


 とりあえず、フェルルさんに回復魔法をかけておこう。


「≪ヒーリング≫」

「……は?」


 フェルルさんが怪我をしていた訳ではないけど、ここは邪気で気分も悪いので、戦いにくいはずだ。

 これで多少は良くなっているといいけど……


 フェルルさんは、回復魔法が使われるなんて思っていなかったようで、少し驚いた顔をしていた。

 俺もアキナ様と出会う前は、回復魔法というのは仕事を達成した時のご褒美としてかけてもらえるものだと思っていたし、いきなり回復されたら驚くという気持ちはよく分かる。

 これで少しは仲良くなれるかと思ったけど、フェルルさんはすぐにまた俺を睨んで、


「お前、もう倒し終わったのか」


と、聞いてきた。


「はい。あの、フェルルさんはどう倒す予定ですか?」

「……」

「俺はどう動きましょうか?」

「別にお前の助けなんかいらないっ!」


 またフェルルさんを怒らせてしまった。

 聞き方が悪かったかな?

 でもフェルルさんがハイボーアを倒しやすくなるように援護しないといけないし……


「≪リインフォース≫!」


 どうしようかと様子を見ていると、フェルルさんは剣に魔法をかけて、突進してくるハイボーアの前にたった。

 強化魔法を施した剣で、突進を迎え撃つ気なのかもしれないけど、流石に危なすぎないだろうか?

 いくら強化した剣でも、ハイボーアの突進の威力は凄まじいものだから、抑えられたとしても自分にも相当な負荷がかかるんじゃ……


ガギャァアッ! フガァアーッ!


「やぁぁあっ!」


ガギンッ!


「う、うぅ……うぁっ!」

「フェルルさんっ! ≪ウインド≫!」


 突進してきたハイボーアを、真っ正面から剣で抑えようとしたフェルルさんは、ハイボーアの勢いに突飛ばされてしまった。

 フェルルさんが岩壁に当たる直前で≪ウインド≫が間に合ったので、フェルルさんの体を風で包むようにして、地面へとゆっくり降ろした。

 それでも突飛ばされた時の反動で、フェルルさんまだ少しふらふらとしている……

 そこにハイボーアがまた突進をしようとしていたので、≪シールド≫をボーアを覆うように発動して、閉じ込めておいた。


「≪ヒーリング≫。フェルルさん、大丈夫ですか?」

「な、なんだあの固さ……」

「ハイボーアは本当に凄く固いんですよ。あんな真っ正面からなんて危ないですよ!」

「うるさい! そんな事分かってる! でも、あいつの動きを止めないと……」

「動きを止めればいいんですか?」


バリンッ!


「「あっ!」」


ガギャァァアア!


 フェルルさんに駆け寄って話をしていると、ハイボーアが俺が発動した≪シールド≫を壊して、また俺達に突進してきた。

 きっと牙を何度も打ち付けて壊したんだろう。

 本当に強力な牙だ。


「10秒位なら、今みたいに≪シールド≫で動きを止めておけますよ?」

「それだと短い。30秒はほしい」

「んー、≪シールド≫を3重に発動すれば出来ますけど、消費魔力が……」


 ポーションは持ってきているので、魔力を消費する事自体はそんなに問題がない。

 でも、敵はこのハイボーアだけで終わりじゃない可能性だってあるんだ。

 常に次の行動を考えた戦い方をするようにってフィールさんにも言われてるし、ポーションがあるからいいやって魔力を使い過ぎるのは、あまり良くないと思う……


「なんだ? そんなに魔力を消費するのが嫌なのか? だったら≪シールド≫なんか使わなくても、お前が囮になればいい」

「え?」

「それならハイボーアの動きが止まっていなくても、行動が予測出来るからな。まぁお前は……」

「そんな事でいいのなら、すぐに出来ますよ!」

「……なっ!」

「じゃあ、行ってきますね!」

「あ、おいっ!」


 囮になるだけでいいのなら、俺も魔力も消費しないし、フェルルさんも落ち着いて攻撃の準備が出来る。

 凄くいい作戦だと思ったので、俺はすぐにハイボーアを挑発するように動いた。


フシャァアーッ!


 初めて弓を使わせてもらった時……

 あの時はフィールさんが囮になって、ボーアの注意を引き付けてくれていた。

 だから俺は落ち着いて弓の練習が出来たんだ。


 俺もフィールさんみたいに、フェルルさんが攻撃しやすいようにハイボーアを引き付けないと。

 色んな所へランダムに逃げるよりは、ずっと同じ動きで逃げていた方が、ハイボーアも同じ動きになるはずだ。

 感情の存在しない魔物が、同じ事を何回もされて鬱陶しいなんて、思う訳がないから。


 右へ逃げたら今度は下へ、次は左へ逃げてから上へと、四角形を描くようにハイボーアの突進から逃げていると、上空からフェルルさんが降ってきた……

 かなり重そうな剣をハイボーアに突き刺すようにと空から降って来た事で、見事にその剣はハイボーアに刺さっている。


 こういう戦い方もあるんだな……

 やっぱり、色んな人の戦い方を見るというのは、学ぶ事が多いな。


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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