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奴隷の国  作者: 猫人鳥
4章

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503/1454

503 有効

カイ視点です。

 アキナ様にハイボーアと戦う事を許可してもらえた。

 ハイボーアの放つ殺気はアキナ様が打ち消して下さっているので、ハイクラスと戦う事を完全に認めてもらえた訳ではないけど、この邪気の漂う中でもちゃんとハイボーアを倒せると判断してもらえた事を嬉しく思う。


「俺が先に飛んでいって、1体を引き付けますね」

「……」

「倒せたら、援護に向かいますので」

「……勝手にしろ」


 フェルルさんに話しかけてみたけど、あんまり俺と話したくはなさそうだ。

 出会ってすぐから言い合いをしてしまったんだから仕方ないとは思うけど、出来ればフェルルさんとも仲良くなりたいんだけどな……

 でも、フェルルさんがアキナ様にあんな態度のままでは難しいか……


 少し飛んで、上空からハイボーア1体にだけ気づかれるように動く。

 俺に気づいたハイボーアは、


フシャーッ! ガギャァアッ!


と、少し興奮気味に突進してきた。

 これで2体の距離も離れたし、フェルルさんも戦いやすいはずだ。


 ハイボーア……

 牙もかなり強そうだし、咆哮もノーマルのボーアとは違いすぎて少し怖いとは思うけど、それでも俺に倒せないなんて事はない。

 アキナ様が倒せると信じて下さっているんだから!

 それに、フェルルさんだって初めてのハイボーアで怖いはずなのに、堂々と向かって行っている。

 俺も見習わないと。


 でも、俺はどうやって倒すのが向いているんだろう?

 前にフィールさんが槍で倒していたけど、フィールさんの槍の一撃ではハイボーアは倒れていなかった。

 フィールさんが全力だった訳じゃないというのもあると思うけど、それでもハイボーアが尋常じゃなく固いという事に違いはない。

 アキナ様もフィールさんも強化魔法を使わないので、俺も強化魔法は教えてもらっていないし、剣で戦って倒すのというのは不可能だと思う。

 何より、ハイボーアに近づくというのが危ないだろうから……


 とりあえずの様子見として普通の矢を1本放ってみたけど、俺の矢はハイボーアに当たったところで刺さりもせずに落ちてしまった。

 ちゃんと真っ直ぐ綺麗に飛んでいっていたし、ノーマルのボーアなら一撃で倒せるだけの威力もあったはずなのに……

 剣も矢もダメとなると、魔法で倒すしかないな。


 ボーアに対して一番効果的なのは、やっぱり≪フレイム≫だ。

 ハイクラスの魔物は魔法にも耐性を持っていて、ノーマルの魔物程には効かないみたいだけど、それでも体に油分が多いボーアには、炎魔法がかなり有効なはずだ。

 だから最大火力の≪フレイム≫や、離れた位置から放つ≪フレイムアロー≫には、ハイボーアを倒せるだけの威力はあると思う。

 でも、少し距離は離れたとはいえ、近くで妖精種のフェルルさんが戦っているんだから、≪フレイム≫を使うなんて事は絶対にしてはいけない。

 妖精種は炎が苦手な種族なんだから。


 ……≪ウインドアロー≫を試してみよう。

 ハイボーアに対して風魔法が有効かどうかは分からないけど、矢が風を纏って飛んでいく≪ウインドアロー≫なら、かなりの威力が出せるはずだ。

 とはいえ、あれだけ固いんだから、仮に刺さったとしても一撃では倒れない可能性があるな……

 消費魔力の大きい≪ウインドアロー≫は、そう何回も放てるものではないし、一撃で倒さないとより興奮したハイボーアが暴れまわる可能性だってある。

 そんな事になったら、戦っているフェルルさんにまで迷惑がかかってしまうかもしれない。


 出来るだけ一撃で倒せるように、今まで以上に強い≪ウインドアロー≫を放たないと……

 そのためには距離が必要だ。

 俺の≪ウインドアロー≫は、放った後から段々と風を纏っていって威力が上がる仕様の魔法だから。

 それに、魔力で形成する矢も強くしておいた方がいい。

 折角距離をとって纏う風を増やしたところで、矢そのものが脆ければ、纏う風も安定しないだろうから。


ガギャァアアッ! フガァアアーッ!


 ハイボーアの注意を引き付け、敢えて突進させる。

 俺が上空に逃げてハイボーアの視界から外れても、突進の威力はおさまらないので、ハイボーアは何もない所へ真っ直ぐに向かっていく。

 大体どこらへんでハイボーアが止まるかを予想して、その位置を目掛けて放つ矢が、確実に命中させられる最長の距離へと移動した。


 突進が終わった後のハイボーアはすぐに動いたりはしない。

 だから、その隙を狙って、


「≪ウインドアロー≫っ!」


と、俺はハイボーアに向けて放った。

 ≪ウインドアロー≫はどんどん風を纏いながら、今ままで見たことのない強さになり、鋭利に尖った風がハイボーアへと突き刺さった。


ギャワァアッ!


 ハイボーアが倒れ、動かなくなった事を確認出来たので、今度はフェルルさんの援護に向かう。

 離れた位置からアキナ様とフィールさんが笑顔で拍手をしてくれているのも見えたし、俺自身、ハイボーアを倒すことが出来たという喜びはかなり大きいけど、今はそれを喜んでいる場合じゃない。

 ちゃんと今置かれてる状況を判断して、次の行動を考えていないといけない。


 もう1体のハイボーアと戦っているフェルルさんのところにくると、丁度フェルルさんがハイボーアの突進を避けているところだった。

 ダンジョンの岩壁があちこち壊れているし、もう何度も突進を繰り返しているんだろう。

 フェルルさんは軽く飛んで身軽に避けているし、あまり疲れてはいないみたいだけど、このままじゃフェルルさんの攻撃も当てる事は出来ない。


 フェルルさんはどうやってハイボーアを倒すつもりなんだろう?


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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