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奴隷の国  作者: 猫人鳥
4章

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502/1455

502 応答

フィール視点です。

「カイ、鉱石は用意してくれた?」

「はい。これだけで足りてますか?」

「えぇ、大丈夫そうね。じゃあ行きましょうか。あ、キース、皆に私達がダンジョンに行ったって、伝えておいてね」

「かしこまりましたー! いってらっしゃいませー!」

「では、行きますね。≪テレポート≫」


 フェルルへの剣術指導が終わったばかりで、まだフェルルは完全には落ち着いていない。

 とはいえ、私達相手に落ち着ける事なんてないだろうし、私達の話を聞く気がないフェルルと話をしても意味がない。

 いきなりで悪いとは思いながらも、フェルルを連れて4人でダンジョンへと≪テレポート≫してきた。


「……は?」

「さぁ、行きましょうか」

「はい」

「ちょっと待て! ここ、どこだ!」

「ダンジョンよ。フェルルはダンジョンは初めて?」

「……ダンジョンは行った事ある」

「そう」


 フェルルはまだ少し混乱しているみたいだけど、ちゃんとまわりを警戒出来ているみたいだ。

 もともとダンジョン経験もあるみたいだし、戦闘経験も豊富なんだろう。


「……気味の悪いダンジョンだ」

「ここはハイクラスの出現する、邪気の濃い場所だからね」

「ハイクラスのダンジョンっ!?」

「フェルル、ハイクラスと戦った事はある?」

「野良なら……」


 先頭をカイが歩いてくれていて、その後ろをアキナ様、フェルル、私と歩いている。

 ダンジョン内でもフェルルがアキナ様を襲おうとしたりするんじゃないかと心配していたけど、フェルルはアキナ様と普通に話をしているので大丈夫そうだ。

 気分が悪いとは言っているけど、この邪気の中を歩けているんだから、やっぱりフェルルは相当に強いんだろう。

 だからこそ、今戦うべき相手を間違えてはいないんだ。


「あ、アキナ様。この先にハイボーアが2体いますよ。どうしますか?」

「うーん、折角だしカイとフェルルに戦ってもらいましょうか!」

「俺、ハイクラスと戦ってもいいんですか?」

「殺気を受けながらは危ないから、殺気は私が消しておくわ。そうすれば戦いやすくなるからね」

「ありがとうございます!」

「……」


 ハイクラスと戦う事を許可してもらえて、カイは凄く嬉しそうだ。

 ここ最近は家作りの手伝いをずっとしていて、ダンジョンには食材調達にしか来ていなかったけど、それでも空いた時間で私と手合わせをしたりもしていた。

 その成果で、カイは以前このハイクラスのダンジョンに来た時よりも強くなっているはずだ。

 だからアキナ様も許可して下さったんだろう。


 喜ぶカイの様子を、フェルルは静かに見ていた。

 私達とアキナ様の関係を探っているんだろう。


「フェルルの武器はその剣だけ?」

「……あぁ」

「魔法は使える?」

「俺は妖精種だぞ? 使える訳がないだろ」

「妖精種だからといって、魔法が使えないとは限らないわ。地霊種のように、魔力を感じる事が出来ない訳ではないのだから」

「ちっ……強化魔法なら使える」

「使えるんじゃない」

「……うるさい」


 妖精種は祈りという特殊な力があるからか、魔法はあまり使えないと言われている。

 ティーチの本でも魔法が得意ではないと書いてあるし、以前アキナ様に教えていただいた種族ごとの魔力量の差でも、妖精種が一番少なかった。

 だから魔法を使えなくてもおかしくはないけれど、邪気にこれだけ対応出来ているフェルルなら、使えると考える方が自然だ。

 魔法が使える事が知られると、扱いが酷くなったりもするし、フェルルは隠しておきたかったんだろうけど……


「ハイボーアと戦った事は?」

「ない」

「ボーアは?」

「ある」

「剣で?」

「あぁ」

「≪シールド≫はつかえる?」

「使えない……」

「じゃあフェルルがハイボーアを倒すのは、ちょっと無理かもしれないわね。まぁ、やれる限りは挑戦してみて」


 剣でボーアを倒した事があるのなら、ボーアの固さは知っているはずだ。

 強化魔法が使えるみたいだし、強化した剣で倒したんだろうけど、ハイボーアの皮はボーアの数倍固い。

 突進の威力も速いし、いくらアキナ様が殺気を消して下さっていたとしても、厳しい戦いになるだろう。


「カイは1体倒したら、フェルルの援護にまわってあげて。でも、フェルルがどれくらい戦えるのかを見ておきたいから、攻撃はしないようにね」

「分かりました」

「俺は別に援護なんてっ!」

「戦った事もない相手を前に、その過信は危険よ。ここはダンジョンなんだから、魔物も野良よりも強いの。ちゃんと警戒して戦って」

「……」


 アキナ様が、フェルルに倒すのは無理かもしれないと言いながら、カイには倒せる事が前提で話をされている事が嫌だったようで、フェルルはまた少し怒ってしまった。

 でも、アキナ様が仰られている事が正論だという事もちゃんと理解出来ているようで、そこまで強い反発はしていない。

 アキナ様の事を睨んではいるけど……


 誰が戦うのかも決まったので、カイが見つけたハイボーアの場所へと移動する。


「それじゃあ、頑張って倒して来てね~」

「はい、行ってきます!」

「……ふんっ」


 カイは楽しそうに、フェルルは不機嫌そうに返事をしながら、2人はハイボーアへと向かっていった。


読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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