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にくゑ【ある世界が終焉を迎えるまでの道程。そして――】終焉の探偵  作者: カクナノゾム
第一部 にくゑ

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根元あゆみ 密告

 清音に知らせたあと、石碑を越え、橋を渡って追いかけた。清音のそばに行きたい一心で、足は止まらなかった。


 追いついた時、美穂と健太は地にのたうち、血を吐きながら苦しんでいた。


 二人の身体のあちこちが、不意に裂け、血と肉が、噴水のように吹き上がり清音に降りかかる。


 月光に照らされた姿は、おそろしいほど惨かった。だがあゆみの目はそこに向かない。


 清音――。

 赤黒い血に頬を濡らしながらも、祈りの言葉を口にするその横顔。

 月光に浮かんだ睫毛の影まで、美しくて仕方がなかった。


(やっぱり、わたしは清音のこと、だいすきなんじゃ)


 胸が甘く震えた。清音の姿が尊かった。


「清音……やっぱり、きれい……」


 小さく呟く。唇の端が自然と緩んだ。


 美穂と健太がこうなったのは、自分が清音に知らせに走ったからだ。二人の逃亡を止める役目を果たしたのだ。


 そう思うと、胸がいっぱいになり、誇らしくすらあった。


(わたし、清音のために役に立ったんよ。えらい子じゃろ……?)


 血の匂いも、呻き声も、夜風に消えていく。


 祈りを紡ぐ清音の美しい姿だけが残った。



 § § §


【筆者後書き】


美穂と健太の物語。

長い章でしたが、一気に読んでいただきたく、この形に。

二人の物語は、ここで終わります。

頭痛が毎日していて辛いです。

書いていると、手が震えました。

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