ダンガット 二人の八十島 二人の紅葉、三組の因幡姉妹
隠れ家レストランシリーズ第一作「まんまと戦場に行かされた件」
ダンガットに居る因幡姉妹に会いに行く八十島と元中佐。
時間旅行についての秘密がいくつか明らかにされます。
もう一人の八十島が、ダンの盆地で、川の水量を目分量で図り、川下りを断念し、日本軍の九四式自動貨車がダンガットからやって来るのを待っている十一月二十二日。
プーラムからくろがね四起で進み、ゲリラと戦い奇跡的に九死に一生を得た八十島と元中佐は、その日に、ダンガットの集落が眼下に見えるところまでたどり着いた。第一アラタン道百七十キロを、途中の軍用トラックの隊列とのすれ違いや、昼食、補給等で時間を費やしたが、ほぼノンストップ、で七時間弱だ。
乾燥した風の有る空気の層を少しづつ降りてきて、谷間の道をくろがね四起で上り下りして行くうちに、日は山の稜線の影に入り、いままで車の周りで濛々と顔にまとわりついていた土埃が、車の周りに落ちて行く。日の陰りとともに谷川からの上がって来る湿気のせいである。その湿気は肌でも感じられるようになってきた。
やがて車は、無風の湿気が停滞する靄に包まれた。
本日の終着点だ。
とはいえ、全身土まみれ、耳の穴も鼻の穴も真っ黒での到着。体も車もガタガタである。
ややこしいので、十一月二十二日現在でダンに居る八十島を「八十島A」、今ダンガッドに着いた八十島を「八十島B」と呼ぼう。
さて、八十島Bと元中佐は、くろがね四起をダンガットに駐留する自動車部隊に預け、整備と燃料の補給を依頼した。
目の前にある因幡姉妹が看護婦として勤務しているはずの日本陸軍の野戦病院には、明日朝に訪問することにしたのだ。
さすがに、全身土埃だらけの服と躰、そのままで、病院に入るのは憚られる。そう判断したという事だ。
アラタン山脈の東側斜面の密林を背後にした山間の集落。それがダンガットだ。その集落の前を赤土の道路が走る。道路の前は谷川が流れている。
兵站で二名分の食事と寝る場所を依頼しているときに
「八十島君、そこの谷川で行水をしよう」
そう元中佐が言った。
「ただし、川向こうの密林の中は、まだ英軍が回って来るらしい・・・ダンガットは英軍の補給線として機能してる節があるさかい、油断できひんが・・・。補給線上の小規模巡察では、英軍も不用意な交戦は避けるのんが基本方針やろうさかい、そこが付け目や。タライを借って行水なんて、おはんなりとやっとったら、汗と汚れを思いっきり落とせんやろう」
『この人、兵庫の播磨の出身やのに、なぜか京都弁を使うんや、どこで京都と接点が出来たんやろ』
「ざぶざぶと全身を洗いたいのは同感ですが、見張りを置きませんと」
と八十島Bが答える。
「兵を二人ほど借ってくる」
と答えた元中佐が五分ほどで二名の兵を連れて来て、さっそく四名は谷川に降りて行く。
八十島が聞く
「川で行水することは多いん?」
紹介時に小野寺征人と名乗った上等兵が答える。輜重兵ということだ。
「もっぱら、朝が多いですね。たまに昼も水浴するのですが、夜は流石に気味が悪いですから」
周囲が斜面と竹林で囲まれた低地に川が流れている。
上流と違い水音は低く、曲がりくねった谷なので人の話し声が良く響く。
川幅は広いところで七メートルくらいだ。
川岸に降りると岸辺に斜面が迫っているので、右も左も見通しが悪い。
降りてきた斜面や、向こう側の斜面の上などはすぐそこだし、そこからは見下ろせるので、敵兵がいれば丸見えだろう。
そう考えると、敵が見下ろしているように感じるから不思議で、不気味である。
竹の葉が一枚落ちる音がする。竹の葉が擦れる音がする。それが足音に聞こえてしまうのだ。
それだけで敵の偵察兵や狙撃兵がやって来たのではないかと、緊張をしてしまう。
元中佐が借りて来た二人の兵が銃を持って見張りに就く。
薄青色の夕闇が音を吸い、狭い川岸の足元の砂利が、ザツ、ザツ、と踏まれて動く音さえが谷に響き、敵兵に聞こえるのではないかと思える。そのくらい静かだ。
八十島Bは褌姿になって、さっさと水に入ろうとする。
兵が警戒し、緊張しなければならない時間を少しでも縮めようと思ったからだ。
ちなみに現地人に対する配慮で、真っ裸での水浴はしない。褌もお尻を丸出しにせず布を広げてできるだけ隠す。軍紀は守らねばならない。
ところが、元中佐は褌姿になると、河原で今まで着ていた軍服を上下に大きく振って、はたき始めた。
「パーーーン」
と上下に煽られた服が甲高い音をたてる。
「パーーーン」
谷に音が反響する。まるで小銃の銃撃のような響きだ。
「パーーーン」
服に付いた土埃が濛々と薄暗い谷間に舞う。
「パーーーン」
「パーーーン」
「パーーーン」
「パーーーン」
「パーーーン」
元中佐が
「もし、敵兵がやな、胡乱な奴がおると見張っとって、銃声がした思て、見ても、それが着物をはたいている音と気付いたらほっと安心するやろ。緊張感が失せるやろからな」
とこっちを見て笑う。
「ついでや」
元中佐が八十島Bが脱ぎ散らかした軍服をはたく
「パーーーン」
「パーーーン」
「パーーーン」
「パーーーン」
「パーーーン」
これも服に付いた土埃が濛々と舞う。その土埃が、先程の元中佐の軍服の土埃と一緒になって、川の重い湿気と交じり合い黒い土煙となって、しばらく辺りを漂う。
薄暗いので、ちょっと離れたら叩いているのが軍服とは見分けがつかないだろう。
『それにしても、ひどい汚れ様や』
干し魚と椰子油の匂いが、どこかから染み出したようにしてくる。
村の家々の生活の匂いなのだろう。
まだ午後六時前だが、谷間の村の夕暮れは早く、辺りは青く薄い暗闇で包まれている。
敵が潜んでいるかもしれない西の密林は墨汁を垂らしたように真っ黒な暗闇だ。
山に周囲を切り取られたぎざぎざの狭い空だけが、頭の上で、ぽっかり明るく、日に照らされて光る白い雲を抱えて青く輝いている。
川の水は生ぬるく、褐色に濁っていて、あたりの湿った草の匂いが水面に流れて来る。
足を進めて、腰までつかる深さを確かめながら、水に入って行く。
濁り水で目視は出来ないから、足場となる石は、足で探っていかねばならない。
腰までの深さのところに来たら、しゃがんで全身を沈める。
体を冷やしすぎるような温度ではない。
元中佐も隣に入って来る。
「温泉とはいかへんが、それなりに、さっぱりできるやろ」
「あのパーンパーンちゅう服に付いた埃をはたく音で、緊張感が、天まで吹っ飛んでしもうたです」
「アハハハ、それ、それが狙いや」
しばらく二人は鼻の孔やら耳の孔やらに手拭いを突っ込んで、それが真っ黒になるのを確認すると、気の済むまで何度も洗い続ける。変な話、褌の隙間にまで土埃が沁み込んでいた。体に付いた汗と埃をすっかり洗い流したと納得できるまで水浴を文字通り楽しんだ。敵が攻撃してくるかもしれないという心配を止めたのだ。
といっても十分ほどのことだろう。
突然「グオゥー」「グオゥー」「グオゥー」と何かの音が谷に大きく響いた。
谷に反響してどこから聞こえて来た音なのか、方向も音源も分からない。
八十島B(と元中佐は)心臓が止まるくらいびっくりした。
その様子を見て、小野寺征人上等兵が言う。
「こちらの山鹿です。ノロと言います。ご心配に及びません。たぶん、向こう岸の竹林の中からでしょう。ただ、虎にでも追われて逃げてきたのかも知れませんが・・」
「おいおい、脅すなよ」
と元中佐。
小野寺上等兵と、もう一人の上等兵西谷一誠は真顔である。
「五日ほど前、真夜中に兵舎の窓から飛び込んできたやつが、一人咥えて逃げて行きましたので、用心しませんと」
と小野寺。
「まだ見つかっていないのですよ。可哀そうに」
と西谷上等兵。
これには、さすがの元中佐も褌姿で無腰では不安らしく、キョロキョロと周りを見渡していた。
翌日、十一月二十三日朝の九時過ぎ、八十島Bと元中佐は、日本軍の野戦病院を訪ねた。
因幡姉妹と合うためだ。
彼らを呼ぶときの混乱を避けるために、やはりA、Bの区別を付けよう。昭和十七年を初めて訪問した姉妹を因幡姉妹A、二度目の訪問時の姉妹を因幡姉妹Bと呼ぶ。それに令和にいる因幡姉妹を因幡姉妹Cとする。
訪ねたのは、奥山紅葉を因幡ビルヂング社主として採用した因幡結枝Bと因幡槙葉Bだ。彼ら因幡姉妹Bのほうが、因幡姉妹Aより「奥山紅葉が因幡姉妹にとって非常に有益な味方であり、友人だ」と説明しやすいと思ったからだ。
「給仕長、ここまで来るとはいかなる用事ぞ」
元中佐に因幡槙葉Bが聞く。
「紅葉さんと風さんを返して欲しいのです」
といって、タブレットPCをズック製の背負い袋から取り出す。
この時代にはOOPARTS(out-of-place artifacts)だ。緊急事態だから元中佐自身が肌身離さず持ってきたのだろう。
川で水浴びをした際には、二人の軍服の下に隠してあったものだ。
「少し待ってや」
と因幡結枝B。
一瞬で周りの人影が消えていなくなる。因幡姉妹Bの妖術なのだろう。
八十島Bは『これに慣れんのは常識人には無理や』と思う。
場所が変わるわけではない。同じ野戦病院なのに、傷病人のベッドから患者が消え、看護婦が消え、軍医や衛生兵も、見舞いの兵たちも消えた。
屋根と壁と床とベッドと窓はあるが、外の景色はない。
因幡結枝Bが言う
「そんなもん持ってきはって、見つかったらえらいこっちゃ。何を見したいんや、給仕長」
「オーナーのあんた方が、今度因幡ビルに戻られた時、こちらへ三度目の訪問出来へんくなって、それが分かって困って、奥山紅葉はんに相談して、ここにおる八十島海人はんと一緒に風はんを探してもらうことになった経緯どす」
そういいながら、元中佐は、令和の因幡姉妹Cが隠れ家レストランの部屋で懸命に説明をする動画を因幡姉妹Bに見せる。
動画の内容は、ライラ・マーで日本兵の遺骨調査をする八十島海人を奥山紅葉に誘い出させ、隠れ家レストランで因幡姉妹Cが親子の情に訴え、最後は監禁という強硬手段に訴え、八十島を紅葉と一緒に昭和十七年の世界に送り込んだ経緯、そのものだ。
奥山紅葉の美貌を利用し、因幡姉妹Cの泣き落としで八十島を参加させたのは、もちろん八十島は知っていたが、紅葉自身が因幡姉妹Cの代わりであり、因幡姉妹C自ら拝み倒して依頼したことを強調する動画として編集されていた。
「なるほどな、よく分かったんやが、うちらが何をやったんや。覚えがないんやけど」
結枝Bがいう。
「ひょっとして、これから起こるんでっしゃろか、事件か事故かが」
槙葉B。
「事件が起こるのは、十一月二十九日なんや」
と八十島海人B。
「あんたはんが、わてらのおとうはんやな。前世の。えらいご迷惑おかけしまして。知らぬこととは言いながら。何分必死な思いがついつい暴走してしまう性に生まれついてるさかいに」
と結枝B。
『ほんまにそうやな。迷惑千万、億万、兆万と言いたいとこやけど』
八十島が説明をする。
ダンからダンガットに向かう道路の途中で、幻術としか言いようのない出来事が起こったこと。
どんなことかというと、二頭の虎が自動車部隊の隊列を襲い、紅葉と北村を攫ったということ。
「攫って行った」と言っても、実際に拉致の瞬間を目撃したわけではないこと。
美しい虎二頭が覆い被さるように、襲撃して来たと思ったら、襲った虎も、襲われた紅葉も、北村と思っていた因幡風も消えてしまったこと。
こんなことができるのは、因幡姉妹しかいないと思ったこと。
因幡結枝Bが答える。
「そうですか、それやったら私らの仕業に違いありません。こうやって異次元空間を出現させとるうちに、未来に起こったことが見えてきましたよて、間違いありませんわ」
槙葉Bも言う
「ありゃ、やってしもうたようでんな。姉さんは愛しい人のこととなるとほんまに気が狂うさかいに」
結枝B
「あんたもやで、槙葉はん、やってしもうたんは」
八十島B
「分かっていただけて、ほっとしてます。風さんと紅葉は、これで無事に戻ってくるというか、行方不明にならんで済むんやろか」
『案ずるより産むがやすし』
とはこのことだと八十島Bは思った。姉妹は妖術使いやから怖いという偏見や思い込みがあったのだ。
結枝Bと槙葉Bが同時に
「心配いりまへん」
「今すぐ、紅葉さんをお返ししますよって」
相変わらず息があっている。
「私たちが作るこの異次元空間は、時間と位置の制約が無いというか、異なっておりますので、紅葉さんは直ぐお出しして、お返ししますよて。二十九日まで待つ必要はありませんねん」
と結枝B。
結枝Bが続けて
「紅葉さん」
槙葉B、
「紅葉よ」
結枝Bと槙葉Bが同時に
「出でよ」
虚空に黒い影が現れ、きらりと光って、紅葉が現れた。
昭和十七年の世界に二人目の奥山紅葉が現れた。奥山紅葉Bだ。
出て来てすぐ、結枝Bと槙葉Bを見て、臨戦態勢を執った。
「止せ、誤解は解けた」
と大慌てで八十島Bと元中佐が止めた。
皆の様子を見てすぐ攻撃や防御の必要はないと理解したらしい。
それでも、紅葉Bは説明を聞きたそうやった。当然だろう。
「どうなっているの?教えて海人さん」
因幡結枝Bと槙葉Bが順に
「それは隠れ家レストランに戻ってからにしいや」
「後は、おとーはんにまかせるでぇ、可愛がってやぁ」
もし、この時点で、因幡姉妹Bが作ったこの異次元空間を出たとしたら。
昭和十七年十一月二十三日のダンガット日本陸軍野戦病院で、八十島海人B、奥山紅葉Bと元中佐が看護婦姿の因幡姉妹Bと向き合うことになる。
だが、そうせずに隠れ家レストランに戻るようなことを言っている。
なるほど、そういうことかと納得したのは、因幡姉妹Bが説明してくれたからだ。
因幡風氏は昭和十七年十一月二十九日のダン ー ダンガット道の虎襲撃時に居た場所から消滅せずにそのまま存在することになるそうだ。それというのも、異次元空間では因幡姉妹Aと風氏は時間と位置の制約を受けずに存在できるからだ。好きなだけ一緒に居られる、ということらしい。
そして記憶を共通する因幡姉妹Aと因幡姉妹Bは、もう分け隔ての必要はなく、また、風氏との再会も果たせたので同時に昭和十七年の世界にいる必要がなくなったという。
もちろん紅葉Aは一時期(昭和十七年十一月二十九日)にある位置(ダン ― ダンガット道路途中)で消滅するが、その時点ではすでに紅葉Bとして存在することになる。
だから、奥山紅葉Bは、奥山紅葉A(昭和十七年九月二十五日)に遅れて存在し始め(誕生し)た(昭和十七年十一月二十三日)にもかかわらず、存在の瞬間に昭和十七年十一月二十九日までの記憶を持つ存在なのだ。
彼女も昭和十七年の世界にいる間の記憶が繋がり、ここに残る理由はなくなった。
問題は八十島海人Aの存在である。彼が隠れ家レストランに帰り着き、因幡風氏と奥山紅葉Aの危機を元中佐に伝えて、元中佐に因幡姉妹Cの動画を作らせねば、常識世界では矛盾が生じる。
このあたりを理解して納得してもらうのは元中佐が一番難しいだろう。
そこで、因幡姉妹Bは、八十島海人A以外の、八十島海人B、奥山紅葉AとB、因幡姉妹Aを、時間旅行の自己矛盾解決のため、直ち隠れ家レストランに瞬間移動させた。
ダンガットの野戦病院からというより、因幡姉妹Bの作った異次元空間からの移動術の行使だ。
移動した瞬間に、隠れ家レストラン内では八十島海人、奥山紅葉、因幡結枝、因幡槙葉は単独無二の存在である。言い換えれば因幡結枝C、因幡槙葉CはABの記憶を承継している。八十島海人、奥山紅葉も同じく昭和十七年の記憶を欠けることなく連続的に持っている。
八十島海人Aだが、紅葉と風氏がいなくなった時から、少し遅れて「急いで隠れ家レストランに戻った記憶」を持っている。八十島海人Bの記憶を受け取ってからだし、受け取ったからだ。だから因幡姉妹Bの異次元空間から移動術を懸ければ、隠れ家レストランに瞬間移動して八十島海人とという単独無二の存在としてBと一体化できる。それで矛盾は解消する。
平たく言えば、「二人になってしまった人物は記憶が、一つの流れの中で途切れさえしなければ、重複したとしても、一体のものと見做され、姉妹の作った異次元空間から術をかけて、これも姉妹の作った隠れ家レストランに移動するだけで時間的・位置的矛盾から解放される」という法則が時間旅行にはあるという事だ。
これが第一の法則だ。
姉妹Bは、(八十島Bの記憶を得た時点の)八十島海人Aを、一度自分たちの異次元空間に呼び出し、元中佐に対面させ、時間旅行の理屈を説明させてから、改めて二人を隠れ家レストランに転送した。
元中佐は、全てのミッションが完成したことを「心」と「記憶」で納得してから、隠れ家レストランに戻ることを「分からんなぁ」と呟きながら渋々承知した。
時間旅行の矛盾を「常識的な頭」で解決するためだけの目的で、八十島海人Aの「急いで隠れ家レストランに戻った記憶」を小説内で紹介するのは、無駄である。
やりたくないが、機会と時間があって、気が向けば、別のエピソードで紹介しても良いだろう。
決して、作者が矛盾に緊縛され、苦しんでいるからではない。それは絶対ない。ないのだ。
「常識的な頭」で感じられる時間旅行の矛盾は、外からの観察者の視点で因果関係が成立しないから、「矛盾」と言っているのであって、その時空内に存在する生活者にとって因果関係の飛躍が無く、連続性のある事象が続くなら、そこには「矛盾」はない。
「外からの観察者にとっての「矛盾」など同じ時空内の生活者には関係ない」
これが第二の法則だ。
まとめ:因幡姉妹の妖術による時間旅行では、時空内にいる観測者の記憶が連続していれば(事象が継続して時空内で観測できていれば)、その事象は存在として確定する。時空の外の観測者から見た連続性の途切れや切断や飛躍は問題とならない。重複が起きるのは異なる時空間から飛び出して、尚且つ飛び出した時空間内の過去の線上に戻った時のみである。それは三重になることは許されないが、二重になることは許されている。
次のエピソードでは、この時間旅行がこの戦争にどんな影響をもたらしたかを書くことになる。
誤魔化して進めようとしているのではない。それは絶対ない。ないのだ。
(続く)
小野寺征人、次の隠れ家シリーズからレギュラー予定です。既に名前を出してますので探してね。




