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第三十八話 セクス、キルクルス Aパート

新章に突入しました。

今回は戦闘はありません

だからって、読み飛ばしていいって意味じゃないんですからねっww


サブタイトルは、ラテン語で六人の集合といった意味合いになります。

「そういうわけで、大量生産する事になったんだが、問題はないよな?」

 早朝にセラエノを出て、昼前にはモレイト村にたどり着き、鍛冶師と相談をしていた。

「なにせ、公爵の使いとかいうのが来て、もう作業始めてますからねぇ……」

「オレは悪魔との戦いに、駆り出されてたんだよ。なにせ急な事で連絡もできず、すまなかった」

 突然巻き込んだ形なので、鍛冶師もあまり機嫌は良くないようだ。

「で、木型の量産はできているのかな? 経費はもらったろ?」

「そりゃあ、村でヒマしてる人とかを総動員しましたからねぇ。全部できてますよ」

「カデストから戻って来るのに、あと二・三日はかかるだろう。オレはちょっと用を済ませて来る」

 まず二十本ほど化合物多めで作った簡易の聖剣を作り、そのあと化合物少なめの耐久力重視の物を作り、最後に決戦用のを作るという手順を確認して、家を出た。




「ふぅ……こりゃ、けっこうきついなぁ」

「そうっスね……。こう配はたいした事ないんスけど、整備されてないっスから」

 オレはエミリーと、賢者の塔へ続くという、川沿いの山道を登っていた。

「どうせ、聖剣を作るのに時間がかかるから、エミリーも修行させてもらったらどうだ?」

「ボクがっスか? うーん……。普通の魔法は初歩のしか、知らないっスからねぇ」

「魔力がそれなりにあるのなら、あとは教えてもらえばいいだろう。覚えておいて損な事はないと思うぞ?」

「それもそうっスねぇ……受け入れてくれるなら、修行する事にするっスよ、アニキ」

 以前の服は破れてしまったので、セラエノの街で新しい物を購入したのだが、包帯を巻かなくなったせいで、胸のふくらみがストレートに出ていた。




「ふぅ……およそ半分ぐらいは来たか? 昼飯にしよう」

 オレはモレイト村で用意してもらった、にぎりめしの入っていた包みを、見晴らしのいい場所の、大きく平たい岩の上に置いた。

「うわっ……おいしそうっスね」

「ちゃんと手を洗ってからにしろよ?」

 オレは山道のそばを流れる小川で手を洗いながら、エミリーに注意をした。

「わかったっスよぉ……。あっ……おにぎりがぁっ!」

 どういうわけか、エミリーが手にしようとしたおにぎりは、置いていたところから、下に転がり落ちてしまう。

「うぇぇ……ボクのおにぎりがぁ……」

「落としたのか? オレのを分けてやるから……」

「ボク、拾って来るっス」

「おいおい……大丈夫か?」

 エミリーは、ひょいひょいと岩場をつたって、降りていった。

「あぁー! ボクのおにぎりを、誰かが食べてるっスよぉ!」

「どうした? 猿でも出たのか?」

 オレは岩から頭を乗り出してみると、すぐ下に草が生え茂る岩だながあり、そこにマントをまとった誰かが横たわり、むしゃむしゃとおにぎりをほおばっていた。

「ごちそうさま。飲み物ももらえると、ありがたいな」

 おにぎりを食べ終わったあと、オレに水筒をよこすように、催促してきた。

「ったく。もしかして、遭難していたのか?」

 オレは水筒代わりに買った、革袋入りのワインを放り投げてやった。

「んっ……んくっ……。はぁ……こんな安物を口にしたのは初めてですが、おいしゅうございました」

「安物で悪かったな。ここまで上がって来られるか?」

「足首やら何やらを打撲しているので、無理ですね。そこから落ちた衝撃で、杖を落としてしまいましたので」

「おまえさん、賢者の塔の魔術師か……おい、エミリー。短杖を貸してやれよ」

「ああ、これっすか? あとでちゃんと返してもらうっスからね?」

 エミリーはほおを膨らませて怒りながらも、魔術師に短杖を手渡した。

「これは、ありがたい……。カミラ……出番よ?」

 魔術師は小声で何かをつぶやくや、表情を変えて、何やら呪文を唱え始めた。

「うぉうっ……驚いたぜ」

 次の瞬間、かき消すように姿を消したかと思うと、オレの横で無言で立ち尽くしていた。

「返す……」

 魔術師はぼそりとつぶやいて、短杖をオレに手渡したあと、谷の下を長めながら、何やら呪文を唱えていた。

「なっ……なんだ?」

 次の瞬間、谷の途中の木の枝に引っかかっていたらしい杖が、うなり音を当てて飛んで来て、魔術師の手に収まった。

「助かった……」

 先ほどとは打って変わって、言葉少なめではあったが、感謝の意を表明したのだが……。腹が鳴ってしまっていた。

「腹が減っているのなら、これも食うか?」

 オレは懐の中に入れておいた、保存食の腸詰めを取り出した。

「すぐに帰れるので、結構――」

 そう言って、魔術師は山の上に見える塔を見つめながら呪文を唱えた。

「おいおい……何をしているんだ?」

「いずれ礼はする――」

 そう言い残して、魔術師は目の前から、かき消すかのように姿を消してしまう。

「なんだったんスかねぇ……。ボクのおにぎりぃ……」

「足りない分はこれを食えばいいさ」

 オレは取り出した腸詰めをエミリーに手渡した。




「意外とすんなり入れたな」

「そうっスね……。なんだか緊張するっすけど」

 一時間ほど山道を登り、ようやくオレたちは賢者の塔にたどり着き、騎士のクリスタルを見せる事で中に通されていた。



「ほう……。セラエノ公爵の紹介状ですか」

 そのあと現れた賢者の塔の最高導師が、セラエノ公が持たせてくれた紹介状を読みながら、うなずいていた。、

「こちらで修行されているという、セラエノ公の長女に、お会いしたいのですが」

「紹介状にもその旨書かれていますし、よろしいでしょう」

 最高導師は、指を鳴らして、側近を呼び出して、何事かを告げていた。

「実は……。東ではびこっているという闇の眷属の退治のために、力を貸していただきたいのですが、彼女にはその実力と意志はあるのでしょうか?」

「そうですな。この賢者の塔でも、彼女ほどの可能性を秘めた才能と、実力の持ち主はおりませんな……」

 裏を読めば、その力を行使する事には興味がない。という事だろうか。だとしたらやっかいだが。

「彼女はもう、最高ランクの称号である、『魔導師』になっていますし、外で修行を積む事は可能ですな」

 たしか、魔道士・魔導士・魔導師の順で偉くなるはずで、あとは。最高導師しかないのかも。

「そうなのですか。闇の眷属に対抗できる魔術は、習得しているのでしょうか?」

「うむ……。六大元素と呼ばれる、地・水・火・風・光・闇のうち、闇以外はすべて扱えますし、光は上位の『聖』属性を持つに至っておりますな」

「ほう……。だとすれば、相当な戦力になりそうですね」

「その上、彼女は……。元素魔術師が身につけるのは不可能だと言われておる、精霊魔術すらも相当高いレベルで、身につけておるのだよ……」

「それは……実質ふたり分の戦力という事ですか?」

 一般的に魔術師と呼ばれているのが、元素魔術師の事であり、精霊魔術師は習得すれば使えるという物でもないため、その存在は、希少である。

 ちなみにイレーネも精霊の加護を得んと、さまざまな努力をしているようだが、まだ実を結んでいないそうだ。



「おっ、来たようだな。彼女が、セント・アイギスを治める、カミラ・ドゥ・セラエノ伯爵にして、聖霊導師スピリタクス・マグナスの二つ名を持つ魔導師だ」

 最高導師は足音のする方角を指さして、領地名を含む名前を読み上げた。

 たしか、セラエノ南部の高地一帯が、セント・アイギス伯爵領で、ここも含まれているはずだ。


「カミラだけでいい――」

 なんと、塔の階段を下りて来たのは、先ほど山の中腹で助けた、魔術師であった。


おむすびころりんをほうふつとさせるようなエピソードは、

当初予定になかったんですが、昼飯におむすびを出した事で、

奇妙なエピソードになってしまいました。

それにより、若干の変更も必要になったり(汗


フォースの力のように、おむすびを引き寄せたと考えると、

なにやらこっけいですね。

二つ名は上半分は ラテン語のスピリタス・サンクタスを混ぜた造語です。 

下半分は、某アニメよろしく、マギカにしようかとも思ったのですが、

男性の導師のマグス と偉大な という意味の マグナスをあわせて

マグナスにしました。女性の導師だとマガですよマガw

まぁ、ぶっちゃけ異世界の言語を翻訳していると考えてもらえばいいので、細かい事はインダス文明。

メートルとかも普通に使ってますが、それが一番わかりやすいですからね。

なので、日本語でしか成り立たないギャグとかは封じてます。



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