集合
精霊の間から出ると、スピレアはシスターへネックレスを手渡した。
シスターはそれを受け取ると、何やら細かな細工を施していく。
しばらくして
「はい、これで大丈夫よ」
そう言って、スピレアへ返した。
受け取ったネックレスをよく見る。
五芒星の頂点には、新たに魔石が埋め込まれているような気がした。
「スピレア、そのネックレス見せてよ」
もう少し近くでよく見てみたくて、スピレアへ声をかける。
「リリー、見て。これでリリーと同じになったね」
しかし、なぜか返事をすることなく、リリーの元へ小走りで向かってしまった。
「…」
やはり、避けられている気がする。
今までは普通に話してくれていたのに。
原因は…おそらく二人しかいない。
視線を向ける。
グラッドは、いつものように呆れたようなため息をついていた。
一方、ローレルはというと
「ふふっ」
何か面白いものを見るように、ニヤニヤしながらスピレアを眺めている。
やっぱり、この二人は何か知っている。
「グラッド、ローレル!」
二人から話を聞こうと声をかけ、手招きする。
「なによ?」
「なにさ?」
二人は揃って首を傾げるだけで、こちらへ来ようとはしない。
「いいから集合!」
手招きの動きを激しくしながら、もう一度呼びかける。
二人は顔を見合わせる。
そして、仕方ないと言いたげに肩をすくめると、こちらへ歩いてきた。
他の仲間たちをその場に残し、二人を連れて精霊教会を後にした。
精霊教会を出て少し歩いたところで、木の根に腰を下ろした。
「で?」
二人へ疑いの視線を向ける。
「スピレアに何をした?」
「…?」
「…?」
二人は何のことを言われているのか分からないといった様子で、揃って首を傾げた。
「スピレアの様子がおかしいのは、二人が何かしたからだろ?」
伝わっていないようなので、少し詳しく説明する。
すると
「ああ」
「ああ」
二人はようやく理解したように頷いた。
そして、ほぼ同時に口を開く。
「原因はスピレア自身と」
「アスちゃん自身だよ」
「…俺?」
思わず自分を指差す。
しかし、心当たりは全くない。
首を傾げていると
「はぁ…」
「はぁ…」
二人から同時にため息が漏れた。
「そのうち分かるんじゃね?」
ローレルが呆れたように笑う。
「一応、スピレアとは話しておくわ」
グラッドも苦笑しながら続けた。
そして、二人は背を向けて去っていく。
「いや、待ってくれ。まだ話は終わっていないぞ」
慌てて呼び止める。
しかし
「はいはーい」
「終わりよ。お・わ・り」
二人は振り返ることなく、手を振りながら仲間たちの元へ戻っていった。




