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精霊術師の終着点 〜 短い言葉に込めた重い物語 〜  作者: ワイパス
サイハテノ村バルダック
18/34

五行とは?

「ぷっ、アハハハ。アスちゃん、なーにー?5行を知らないで魔法適性測ろうとしたの?ウケるー。」

ローレルが手を叩いて笑いながら聞いてくる。

「五行なんて知らないよ。」

どうやらこの世界では常識のようだ。

しかし、知らないからには仕方がない。

一人だけ知らない。

仲間はずれのような寂しさを感じつつ拗ねたように答える。

「あー、ごめんごめん。そう言えば、アスちゃんって記憶喪失ってやつだったっけ?うーん、説明は面倒だからスピちゃんにパース。がんばれー。」

拗ねた態度を見たローレルは、言葉だけだが素直に謝った。

そして、俺の状況を思い出したようだ。

五行の説明をするかと思い期待したがスピレアに丸投げした。

「アタシでも良いのよ。」

何故かグラッドが一歩前に出て説明役を買おうとしている。

「良いから、良いから。」

そのグラッドを止めるローレル。

二人で何か内緒話を行い始めた。

なんだろう?

とても気になる。

「そういうわけでスピレア、アスターちゃんに説明お願いね。」

内緒話の結果、どういう訳か納得したかのような面持ちでスピレアを見てグラッドは言った。

「え?あ、うん?じゃあ、私が説明するね。」

ローレルとグラッドの様子を不思議そうに眺めていたスピレア。

唐突に指名されて少し焦ったような納得の行っていない様子で説明を始めてくれた。

「うーん?そうだ。…もっと近くに来て。」

スピレアは、何かを描くような素振りをしながら辺りをキョロキョロ見回した。

ペンと紙を探しているようだ。

辺りを見回した後、ないことを悟る。

その時、スピレアの頭の上に裸電球が見えたような気がする。

なにか名案が浮かんだのだろう。

スピレアが、首から五芒星のネックレスを外して手招きする。

何だ?ネックレスを見てほしいのか?

そう思いつつスピレアの近くへ寄った。

「こほん。五行について説明します。」

一度咳払いをして胸を張りそう言うスピレア。

同様に近くに集まったローレル、グラッドと顔を見合わせる。

何となく察した。

スピレアは先生になりたいのだ。

「おー」や「がんばれー」と言った上辺だけの言葉と拍手がスピレアに送られた。

「良いですか。五行とは、木、火、土、金、水からなります。」

スピレアが五芒星の頂点にあるくぼみを右回りに一つずつ指さしながら説明を始める。

五芒星の頂点それぞれが木火土金水に対応しているようだ。

「それで、この順番は相生の関係、つまり生み出す関係。強化してくれる関係を表しています。」

彼女は、ネックレスの縁を右回りに一周なぞってみせた。

つまり、木行は火行強め、火行は土行を強めるってことなのかな?

と捉えておいた。

「逆にこの順番は、相剋の関係、つまり、滅ぼす関係。弱点の関係を表します。」

スピレアは、五芒星の書き順を辿った。

つまり、木行は土行を弱め、土行は水行を弱めるってことかな?

と捉えておいた。

「これが五行です。」

スピレアが満足げなドヤ顔をして説明を終えた。

それでこの知識はどう活かしたらいい?

教えられた知識を理解しても使い方がわからない。

それがなぜ魔法適性と呼ばれる?

頭の中に疑問符が大量に浮かんできた。

「つまり、魔法を使うときには、相生、相剋の関係に注意して使いましょうってことだよね。スピちゃん。」

「そういうことです。」

ローレルが知識の使い道についてフォロー解説をしてくれた。

スピレアが満足そうに頷く。

魔法か。俺も使えるのかな?

なんて考えていると神父が石板を持って戻ってきた。

「お待たせ。はい、これが測定機ね。ここに手を置いて。」

石板には五芒星が描かれておりそれぞれの頂点に緑、赤、黄、銀、水色の石がはめられていた。

五芒星の中心に手を置くようだ。

ドキドキとしながら促されるままに五芒星の中心に手を置いた。

さあ、結果はどうなる?

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