悪夢
「貴方はなぜこんな事をするの?」
声がする。
名前を教えてくれたあの女性の声だ。
「逆に聞こうなぜお前はそんな事をする?」
男の声がする。
それは、憎しみに満ちた声だった。
「私は、フランネル。あの娘が平和に生きていく未来のために行うの。」
フランネル?
誰だ?
別の男の怒号が響く。
何を言っているのか分からない。
なんだ気になる。
声のする方へ耳を近づける。
しかし、唐突の浮遊感と衝撃で夢が途切れた。
ベッドから落下したのである。
不思議な夢は途切れるしベッドから落ちるしこれ以上ないくらい最悪な朝である。
気分転換に昨日見れなかった村の様子でも見るために散歩しようとする。
扉を開けた。
ルドベックと目が合った。
扉を閉めた。
「おい!!不審者!!なぜドアを閉める。」
ルドベックが扉を叩きながら怒声を浴びてくる。
これ以上の最悪な朝がそこにはあった。
「ストーカー、お前こそ何でいるんだよ。」
扉を開けられまいと必死に押さえて返す。
「なっ!!不審者、お前、気づいていたのか?」
ルドベックが驚きの声を上げ、扉を開けようとする力がなくなる。
気づいていた?
はて?何のことだ?
こちらは、スピレアから聞いた過去の話に基づいて罵倒しただけなのだが?
あまりにも身に覚えのない話で筋が見えず困惑する。
「気づいていた?何のことだ?」
しばらく考えたが身に覚えがなく、素直に返した。
「なっ!!不審者、お前、とぼけやがって!!俺、私が夜中から貴様を監視していることに気がついていたのかと聞いたのだ。」
ルドベックは、驚きと怒りが入り混じった声を上げる。
そして、ドンっと扉に体当たりをして扉の近くで怒鳴りつけてくる。
必死に扉を押さえて考える。
夜中から監視?
ストーカーじゃないか!!
「ストーカーじゃないか!!」
あまりのことに驚き、心の声がそのまま漏れ出てしまう。
「も〜。ルドベックもアスターも朝から何やってんの?迷惑だよ〜」
スピレアの眠そうな声がする。
どうやら助け舟が来たらしい
いや、待て。
今、ルドベックもアスターもと言ったか。
こんなストーカーと一緒にするな。
こちらは無罪だ。
「こんなストーカーと一緒にするな。こちらは無罪だ。」
またしても心の声が漏れてしまう。
どうやら、朝はまだ脳が目覚めていないため理性が効きにくいようだ。
「不審者、貴様。また、私の事をストーカーと罵ったな!!」
ルドベックが騎士らしい口調を作って激怒する。
今さらその口調で話してもおそいとツッコミを入れたいが我慢した。
「はいはい。2人ともそこまで。ほら、ルドベックも行くよ。アスターも外に出てきてね。」
スピレアが面倒くさそうに仲裁に入ってくれる。
ルドベックは「いや、しかし」と反抗しているようだが押し切られたようだ。
あいつ、意外と押しに弱いのか?
などと人間観察をしているとスピレアに出てくるように促された。
促されたら仕方がない。
まとめる荷物もないので二人を追いかけるような形で外に出た。




