教会の中
「ところで、さっきのは誰だったんだ?」
スピレアと2人教会の中を歩く。
無言で歩くのも気まずいため、話題を振ってみる。
「彼は、ルドベック。私の幼馴染のお兄ちゃんみたいな人だよ。なんか、ごめんね。」
あの騎士風の男はルドベックと言うらしい。
スピレアから申し訳なさそうに謝罪を受ける。
ルドベックは、幼馴染の身を案じての行動だったのだろう。
そう、先程のルドベックの行動を好意的に解釈する。
「ルドベックは、昔からちょっと心配性なの。でも、凄く優しくて頼りになるの。私が困っていると絶対にすぐ駆けつけてくれるの。」
スピレアが嬉しそうにルドベックの話をする。
すぐ駆けつけてくれる?絶対に?
それは見張られていたんじゃないだろうか?
そんな野暮な考えを頭に浮かべつつスピレアの話に耳を傾ける。
「私が精霊術師になると決めた時に、騎士団を辞めて来ちゃったのには驚いたけどね。でも、嬉しかったよ。」
スピレアが話を続ける。
騎士団を辞めた?
何がそんなに彼を駆り立てる?
恋は盲目ってやつか?
などとスピレアとルドベックの関係性を邪推する。
「ここの部屋で今日は休んでね。」
どうやら、今日泊まる部屋に着いたらしい。
木の扉を開けて中を確認する。
中は、木で出来たベッドのみの簡素な作りだった。
辺りを見回しているとスピレアが言った。
「おやすみなさい。また明日ね。」
「ありがとう。おやすみ。また明日。」
こちらも振り返り手を振って返した。
今日は色々あって疲れた。
明日、明日になればどうにかなるさ。
ベッドに横になり、そう楽観的に考えているといつの間にか夢の中へと吸い込まれていた。




