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精霊術師の終着点 〜 短い言葉に込めた重い物語 〜  作者: ワイパス
アインシュ族
127/130

コンサート

会場が暗転すると、観客席がショッキングピンクのサイリウムで一斉に輝き始めた。

そして…

大歓声が巻き起こる中、中央のステージがゆっくりと開いていく。

その中央から、マイクを手にした一人の少女が、青白く光る浮遊板に乗って勢いよく空中へ飛び出した。

赤と白を基調とした、道化師を思わせる衣装。

身体にぴったりと沿うボディスーツは、上下左右で色が分かれている。

左上と右下が赤。

右上と左下が白。

ショッキングピンクに染められたツインテールは腰まで伸びており、少女が動くたびに軽やかに揺れている。

そして、右目の下には黒いスペード。

左目の下には赤いハートのペイントが施されていた。

青白く光る浮遊板に乗ったまま、会場内を自由自在に飛び回り始めた。

観客へ手を振り、ウインクを送り、時には投げキッスまでしてみせる。

そのたびに、観客席から歓声が巻き起こった。

「キャーッ!」

「クイーン様ー!」

「こっち見てー!」

少女はそんな声援に笑顔で応える。

「ありがとー!」

「もっとテンション上げてー!」

そう叫びながら、観客席の上を縦横無尽に飛び回る。

そして、最後にこちらへ向かって飛んできた。

「みなさーん! 今日は、この私!クイーンのライブに来てくれて、ありがとね!」

こちらに背を向け、会場へ向かって大きく手を振りながら言う。

その一言だけで、会場が一気に熱狂へと包まれた。

「クイーン様ー!」

「最高ー!」

その歓声を楽しむように笑うと、クイーンは続ける。

「今日はなんと、特別ゲストとしてフランちゃんが来ていまーす!」

「えっ?」

クイーンは、そのまま窓からこちらの部屋へ飛び込んできた。

そして、フランネルの腕を掴む。

「ちょっと!」

戸惑うフランネルをそのまま引っ張り出し、会場へ向けて紹介する。

「みんなー! フランちゃんだよー!」

「キャーッ!」

「フランちゃーん!」

そして、クイーンはフランネルへマイクを差し出した。

「…はぁ」

フランネルは、すべてを察したようにため息を一つ吐く。

そして、呼吸を整えると

「フランちゃんのことは副総統と呼びなさい!」

いつものナルシサスとのやり取りと同じ言葉を口にした。

次の瞬間。

「フランちゃん、今日もかわいいよー!」

「フランちゃん、最高ー!」

「フランちゃん、こっち見てー!」

会場が割れんばかりの歓声に包まれた。

「…」

どうやら、クイーンだけではないらしい。

フランネルも、この街ではかなりの人気者のようだ。

「私より歓声、多くない?」

クイーンが頬をぷくっと膨らませる。

「そんなんだったら、私、帰っちゃうよ?」

少し拗ねたような声で、観客を煽る。

すると

「クイーン様最高ー!」

「帰っちゃヤダー!」

「フランちゃーん!」

二人への声援が入り乱れ、会場はさらなる熱狂の渦に包まれた。

「みんな、テンション上がってきたね!」

クイーンは満足そうに頷く。

そして再び浮遊板へ乗ると、会場内を飛び回り始めた。

「じゃあ、一曲目いくよー!」

そう叫びながらステージへ戻ってくる。

いよいよ、ライブが始まるようだった。

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