魔法適性
言われるままに測定機に手を乗せた。
確実に乗っている。
おかしい。
何も反応がない。
どうやら、測定機が故障しているようだ。
などと考えつつ何も起こらない気まずい空気を送る。
「アスターちゃん、魔力込めている?」
沈黙に耐えきれずグラッドが口を開く。
魔力を込める?
そんな動作行ったことがない。
「どうやったら込められる?」
込め方など習ったことがないのだ仕方がない。
困惑した顔でグラッドに尋ね返す。
「どうって、こう、オヘソの下辺りに力を込めてこう!!」
グラッドは、真剣な顔で片手をオヘソの辺りに片手当てて解説をしてくれる。
そして、オヘソの辺りに片手を当て、もう片手でガッツポーズをしお尻を後ろに引く。
おふざけ無しの真面目な表情で行なっているので、こちらも真似する。
こうか?
このポーズ駄目だ。
魔力ではない別のものがお尻から噴出する気がする。
グラッドと二人、「こう?」「違うわ。こうよ。」とやりとりをしながら何度もお尻を突き出す。
「ぷっ、あはははは。そんなんじゃ、魔力込めれませんよ。」
グラッドと二人の真剣に行っていたおかしな動き。
その異様さに耐えきれずスピレアが吹き出した。
よく見るとローレルも膝から崩れ落ち、ピクピクと痙攣しているし、
神父は、呆れ笑いを浮かべている。
このクソオカマに騙されたのである。
殺意が湧く。
「あら?アタシはいつもそんな感じでやっているわよ。じゃあ、どうするの?」
スピレアの指摘に不満そうにグラッドが反論する。
どうやら、人それぞれ流派があるようだ。
殺意を抱いて悪かったグラッド
そう心の中で謝った。
「えっと、目を閉じてオヘソの下に意識を向けて、そこから胸、腕、手のひらって水の流れのような物を意識するの。」
スピレアがスピレア方式を教えてくれた。
少なくとも変な動きをしない分、こちらの方がダメージなさそうである。
言われるままにイメージする。
へその下、おそらく丹田だろう。
そこから水が流れて手のひらから出るイメージ。
「おぉ!!」
「えぇっ」
「あら、まぁ。」
神父、スピレア、グラッドの驚きの声が上がる。
「どしたん?うへぇ、まじぃ?」
少し遅れてローレルの驚きの声も聞こえる。
恐る恐る目を空けて測定機を見る。
そこには、5つの石全てが光る姿があった。
だから、どうした?
綺麗だな。
その程度の感想しか浮かばない。
「あの、結果は?」
恐る恐る聞いてみる。
「5行全てに適正があるんだよ。もしかして、私と同じ元々精霊術師だったのかも?」
スピレアが興奮した様子で結果の解説をしてくれた。
5行の適性がある。
それは喜ばしいことだ。
何が出来るのかは分からないが、適性なんてあって損は無いはずだ。
結果を聞いて楽観的に考えていた。
5行に適性があると精霊術師?
初めて聞く概念だ。
喜ばしい結果だと思っていたがどうやら違うらしい。
眉をひそめるグラッド、喜ぶスピレア、何を考えているのか分からないが目を細め口元を手で隠すローレル
3人がそれぞれ異なる反応をしていた。
「神父様。魔力容量測定機も持って来て。」
興奮冷めやらぬといった様子でスピレアが神父にお願いする。
「あ、あぁ、分かったよ。」
そのスピレアの様子に気圧され慌てて再び何かを取りに行く神父。
「魔力容量ってなに?」
新しい概念に困惑し、素直に聞いてみた。




