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イケメンゴリラな俺が美醜逆転世界で最上級美形認定されてた  作者: 真麻一花


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4/7

美醜逆転世界の美の基準が難しい


 女性の美しさとは、とにかく、丸いこと。

 歩けないくらい丸いのは、自己管理ができてらっしゃらないのねと笑われる。

 丸くて、軽やかにダンスができてないといけないのだ。厳しすぎないか。女性相手だぞ。

 母とか姉とか、あのまるまるぽよんぽよんで跳ねるように軽やかに、ボールがぽんぽんと跳ねるように踊っている。あの脂肪の下の筋肉がいかほどのものか、昔真顔で考えたことがある。力士かよ…。格闘技で勝てる気がしない。


 そして、あごがないだとか、ほっぺが丸いだとか、ほっぺの肉で目を下から持ち上げて笑っているように見える目元がかわいいとか、理解できないかわいいポイントがあるらしい。理解できない。

 肉の中に埋まるつぶらな瞳がいいらしい。もしかして拒否柴の首の皮を顔面に集めて肉の中に埋もれた顔的な感じだろうか。……あー。それならかわいいのはわかるかもしんない。けどな。

 はっきり言おう。それはかわいくても恋愛対象にならない。


 姉よ。前世の姉よ。肉の有無で女性を判断するつもりはないが。だがしかし、俺にも好みというのがあるのです。彼女たちは世の男性に讃えられているので、俺ぐらい「好みじゃない」と言っても良いのではないだろうか。だから殴らないでください。お願いします。

 まんまるご令嬢方は俺より頭二つ分小さいくせに、なんで俺より格段に太そうなウエストしてんだよ……。

 前世の姉が俺の中で「黙れ愚弟が!!」と、俺をしばき倒した。

 ご、ごめん、姉ちゃん……。でも、俺も譲れない一線があるんだ……(吐血)





 現実を知って早ひと月。俺は今日も王宮にて交流会に出席していた。

 こうして幼馴染たちメンツを見てみると、こいつら、美形揃いだったんだな、と思う。未だ美の要素がよくわかんねぇんだけど。

 ずっと「お前らの無駄な自信どっから来るんだよ」とか思っていたけど、自分の顔に自信満々だっただけだったんだな。


 イケメンゴリラ系の俺とか、ゴリマッチョとか、力士系男子系だとか、プロレスラー体型だとか、ふくよか安●先生系男子だとか、まるまる子ぶた系のかわいい弟系男子とか……誰得だよ。


 みんな違って、みんないい……か。

 前世の格言が胸にしみる。

 ここにはバラエティー豊かな各種美形が揃っていたのだ。

 やはり、上位貴族の上澄み系は、ちゃんと上澄みだったんだな……。

 俺の理解の範疇になかっただけで。


 知恵熱は一晩くらいのものだったが、諸々の感情を整理するのに、ほぼ丸一日かかった。

 恐らくだが、今までの知識を総動員すると、だ。

 たぶんこの国において、ふくよかということは美徳であり、富の象徴なのだ。

 だから、細いことは貧相であり、貧しいことで、国が家が貧しいと思われることは忌むべき事なのだ。

 国民を富ませたい。ふくよかにしたい。

 基本はそういう精神なのだ。


 だが、太っているということは動きにくいということでもある。仕事をしない者は忌むべきである。だがしかし、仕事をしなくても良いくらい富んでいる家であるという象徴として「ふくよかな女性」に光が当たるのだ。実際、基本的に金持ちでなければ、ふくよかな女性はいない。


 たまに太りやすい体質の女性がいるが、それはちょっとの食事で理想のまるまる体型になれる少数派の奇跡の美ということだ。

 中には食っても食っても太れないフードファイター系の人もいるが、燃費が悪すぎて気の毒なことになっているらしい。

 そして、たまにいる、太れない上に食べ過ぎると胃が弱くて身体がついて行けない体質の者。

 世間からみっともないと蔑まれるだけでなく、家を陥れる気かと家族からも虐げられ易いと聞く。


 情報は既に俺の中に蓄積されていた。今まで美醜逆転と結びついてなかっただけで。

 いろんな事が急に腑に落ちた。






拒否柴:動くのを拒否する柴犬のこと。リードを引っ張られてもてこでも動かぬつよい意志を見せる動作。その際、リードで引っ張られた首輪が、首回りの肉と皮を顔面周りに集めることで、柴犬の顔が、まんまるたぷたぷになっていてとても可愛い様子を指す。

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