46話 打倒パンデモニウム本校! 深夜の秘密特訓!
アスタリーナが来てから二日目。
「――つまり、ボールが場外に出たら最後にポールを持っていたチームの相手がここからボールを投げるわけだ。これをアウトオブバウンズと言うんだ」
パンデモニウム女学園本校の生徒会室で真壁が黒板に描かれたバスケットコートのサイドラインをコンコンと叩く。
朝はドリブル、パスやシュートの練習にあて、放課後はルールの座学を行なっている。
「なるほど。でも相手チームの方にはたかれて場外に出た場合はどうなるのでしょうか?」
リリアがノートを取りながら質問を。
「そこが難しいとこなんだ。手や身体に触れていなければセーフなんだが、これは審判の判定に任せるしかない」
「うぅむ……聞けば聞くほどますます複雑なルールじゃのぅ」
ヴェルフェが腕を組みながら唸っていると、アスタリーナがおほほと笑う。
「座学でへこたれるようでは底が知れてますわね」
「なんじゃと! もう一度言ってみよ! というか、お主のチームはまだ来ておらんのか?」
ヴェルフェの言うとおり、相手側はアスタリーナ彼女ひとりのみだ。
「ご心配なく。これまで見聞きしたことはあたくしの執事が記録を取っておりますわ。でしょう?」
傍らに立つ執事がはっと頭を下げる。
「もちろんルールに関してはチームの皆さまには後ほどお伝えしますわ」
「まあ、そっちがそれでいいんならいいんだが……」
真壁がぽりぽりと頭を掻くと、座学の続きを行なう。質疑応答をしながらルールを説明し、理解を深めていく。
「――基本的に得点は2点刻みで」
先を続けようとしたところへ鐘が鳴った。
「今日はここまでだな。それじゃ各自ルールの確認をしておいてくれ」
全員が起立し、生徒会室を出る。
◇◆◇
その日の深夜。
「――というわけでこれが基本的なルールですわ。皆さましっかり頭に叩き込んでくださいませ」
飛空艇内部の居室にてアスタリーナがバスケットコートが描かれた黒板にぴしっと教鞭を叩きつけるようにすると、生徒会一行が「はい!」と威勢の良い返事を。
「よろしいですわ」
にっこりと微笑み、壁に掛けられた時計を確認する。
「この時間なら皆さん寝静まっていますわね。さあグラウンドに行きますわよ!」
教鞭をぴしゃりと掌で叩く。ふたたび生徒会一行から威勢の良い返事。
◇◆◇
アスタリーナの言うとおり、学園の校舎は明かりが消えており、静寂そのものだ。
グラウンドも同じく人ひとり、もとい一匹もいなかった。
松明が灯されたグラウンドの円周の内側でジャージに着替えたアスタリーナがトントンとドリブルを。
「皆さんまずは基本運動からやりますわよ! いざ打倒パンデモニウム本校ですわ!」
返事のあと、全員がドリブルとパスの練習に取りかかる――。




