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勇者パーティーにいるギャンブラーは何かを企んでいる  作者: レギュラー
第1章 大喰いは〇〇を食べられない
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第5話 魔法使いは思考する


私はこのギャンブル、ほぼ勝てると思っている。


気づけば結界の外には人が集まっていた。

デジのギャンブルはどの街に行っても大人気。


それもそのはず、デジに勝った人達は

宝くじが当たるレベルの利益を手に入れることになる。

実際ここまでの旅で何度か富や名声を手にした人たちを見てきた。


ある意味では素晴らしい能力。

でもそれは生き死にが掛かっていなかった場合の話。


ここでデジに鎖を嵌めておかないといつかきっと後悔する。


私は改めて今回のギャンブルに向き合っていく。

 

今、目の前にいる赤面中のミカン。

彼女と一緒に旅をして、はや一ヵ月。


食事も睡眠も、それこそお風呂だって

何度も一緒に入った。


だからこそ、わかる。

……私はミカンのパンツの色を当てる!


まず、ミカンが持っているパンツ、その色の種類は全5色。

白、黒、ピンク、赤、ベージュ。

これは、旅の道中、一緒に洗濯をしているから間違いない情報。


そして、昨夜履いていたパンツの色もわかる。

 

昨夜、食事中

ミカンはデジと一緒にお酒を飲んでいた。

呂律の回らない口調でデジに絡んでいる時、

私はみた、ミニスカートから一緒見えたパンツの色。

それは赤だった。


なんでそんな派手なパンツを履いているの?と思った記憶がある。


でも今となっては大事な情報。

赤とピンクと黒は一枚ずつしかミカンは持っていない。

つまり、昨日履いていた赤は除外できる。


……四択。

いや、まだ考える。


空中に浮かぶタイマーはまだ1分30秒残っている。


ミカンはその日の気分でパンツを選ぶ。

これはミカンから直接聞いたことのある情報。


「ユカ、パンツってオシャレしたいときはピンク選ばない?」


何の話してるのよってその時は思ったけど、

ありがとうミカン、そんな話が今役にたってる。


今日は元々、シャインが倒したグルガの遺体を確認しに行く予定だった。

つまり、オシャレしたい時のピンクも除外。


これで白と黒とベージュの三択。


多分、デジはここまで辿り着けない。

同じパーティーメンバーで且つ、同姓の私だから知り得た情報が多すぎる。


実質、3ターンあれば必ず勝てる。


ミカンのパンツのローテーション。

今日のミカンの気分。

そして、三択の中でミカンが一番よく履いているパンツの色は……。


ベージュ。


私はそれを確信すると用意された紙に

ベージュと書き込んでいく。


ふと、対戦相手であるデジを見ると

ダルそうに私の顔色を窺っていた。


「……デジ、貴方はまだ書かないの?」

「俺のことはいいよ、ユカは決まったみたいだな。

 何だか自信満々だ」

「……悪いけど、私の勝ち」


ミカンが気まずそうに私とデジを見つめている。

私に勝ってほしいけど、パンツの色を当てられるのは嫌だというのが伝わってくる。


大丈夫、少し嫌な思いをすると思うけど

私はデジにギャンブルで勝つよ。

そして、あの能力を制御する。


ふとタイマーを見ると残り30秒になっている。

デジはまだ何も書いていない。


「デジ、何も書かずにオープンするつもり?」

「いやそろそろ書こうかな……」


それだけ言うと、

デジはミカンのスカートを派手に捲りあげた。


目に映るのは、真っ白なパンツを全力で隠すミカンの姿。


「なな、何をするのよ!!!」


また顔を真っ赤にして叫んでいるけど、

私にとってはそれどころではない。


デジは何食わぬ顔で紙に答えを書き出している。

それは当然、白という文字だろう。


「デジ!それは反則じゃない!」

 

「ギャンブルはルールをよ~く見ないとダメだぞユカ。

 『ミカンに直接答えを聞いてはならない』

 聞くのがダメなら見せてもらえばいいってこと」


「な!」


「聞くのも見るのもダメ!何なのよこのギャンブル!!」


ミカンの絶叫に近い声が広場に拡がっていく。


「大体な、このギャンブル。

 俺は最初からミカンのパンツをどうやって見るか、

 という勝負だと思ってたぞ。

 だから、ユカがどういう説得をしてミカンのパンツを見るか

 楽しみにしてたんだけどな」


私はその土俵に立っていない。

 

有利だと思っていたこの勝負。

私は思考の一歩目で既に負けていた。


「お時間です!それではお二人、紙をオープンしてください!」


私の紙には「ベージュ」

デジの紙には「白」


答え合わせも必要ない結果がテーブルの上に並ぶ。


「先ほど皆さんご覧になった通り、

 ミカンさんが履いていたパンツの色は白でした!

 よって、デジさんの勝利となります!」


「おおいいぞデジ!」「いいもん見れた最高だデジ!」


結界外の街の人たちが先ほどよりも多く感じた。

パンツを大勢に見られたミカンはまだ怒り散らかしている。


「……私は負けた、デジ、私の何がほしい?」

「そうだなあ、特にないんだけど。

 ギャンブルって何かを賭けているから面白い面もあるからなあ

 ……そうだ、ユカのパンツもらおうかな」

「……は?」


この男は本当に許せない。

ミカンのパンツの色を当てるギャンブルに勝って、

更に私のパンツを要求する?


ただの嫌がらせ以外の意味は絶対にない。


だから私は一つ細工をして、それをデジに渡した。


 

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