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対面エゴサーチ

 よーし、マナBさんの説明はアバウト過ぎて伝わらなかったから自分でもやっておこっと。新しく別の魔力パズルを手に取って、これで準備はオッケーだ。


ガチャ


「いらっしゃいませー!」

「……ませー!」


その時、新しく他のお客様が来られたのでエオルの挨拶に滑り込む形で同時に挨拶した。あ、今が仕事の真っ最中なの忘れてた!


「えーと、ムクロンさん。店の奥でお二人に教えていただくのはどうですか?」


すると、エオルから魔力パズルに対する指南は店の外でやったらどうかと提案を受けた。普通に三人固まってたら邪魔だし注意だったかもしれないが。


「えっ、私たち帰った方がいいですか?」

「店長さんが後で教えればいいし……」

「あ、僕は魔力無いので教えられません」

「「あ……すみません」」


二人は遠慮して帰ろうとしたが、体内にある魔力がゼロに等しいエオルはそもそも魔力パズルに取り組む事ができないので自分たちが教えるしか無いと気付いて残る事を決めたようだ。


「それじゃ、奥の方に行こっか」

「ウチらが教えてあげるー」


そうして、自分の部屋なのになぜか二人に招待されるような形で店の奥へと引っ込んでいった。


「ここって誰の部屋?」

「全然物がなーい」

「ここは私の部屋だけど……あっ、椅子が二つしかないから二人はそこに座って、私はベッドに腰掛ける」


あ、冷静に考えたら女子高校生くらいの年齢の二人組を自宅に連れ込んでいる事になるじゃんこれ。でも、同性だし年齢も近いからいやらしさはないな。

今更じっくり見て思ったのだが、マナAさんは剣士でマナBさんは魔法使いなのか。仲良くてもジョブは違うんだな。ま、それぞれ得意分野とかはあるしな。


「じゃあ早速これで試そう!」


手のひらに収めた魔力パズルに魔力を注ぎ込んでみる。


「ぐぬぬ……あっ、ダメだ。魔力が太過ぎて穴に入っていかない気がする!」


魔力を穴に入れて鍵状に変化させて開けるというギミックなのだが、力んでしまったせいか魔力を注ぎ過ぎて穴に入らなくなってしまった。


「力の入れ過ぎかも、リラックスして」

「肩の力抜いてー」


二人からそうアドバイスをもらったのだが、初めて体験する事であるのに加えてあの日なので思考が乱れてなかなか魔力を抑えられない。


「スゥー、ハァー。……もう一回!」


深呼吸して気持ちを落ち着かせ、リラックスした気分でもう一度チャレンジする。今度は細く通すのを意識する感じでやろう!


「ぐぬぬぬ……抑えて抑えて、まずは入れないと始まらない……!」


数分に渡って挑戦していると、魔力がスルッっと穴を通って抜けて行った感覚がした。やった、初めての成功だ!


「キタッ!初めて入ったよー!」

「おー、おめでとー!」

「行ったら気持ちいいよねー、おめでとー」


俺がやっとスタートラインに立てた事を全員で祝福する。そして、これによって感覚を掴めたのか、パズルをサクサクと進めていく事ができるようになってきた!


「うーむ……あっ、開いた!」

「すごっ、もうマスターしてるじゃん」

「天才か?」


良かったー。これでとりあえず勝負が成立するくらいの腕前にはなれたはずだ。あんまり教えてもらっていないけれど、練習に付き合ってくれたし二人には何かお礼をしなきゃな。


「ありがとう二人とも。お礼に商品安くしとくよ」

「えー、別にいいよ。私何にもしてないしさ」

「そうそう。別に大丈夫ー」


お礼を断るとは、なんとできた子達なんだ……!練習にも付き合ってくれるし、人の気持ちを考えられないジライよりも一百倍は優しい!


「あとは焦らなきゃいけそう……二日目だけど」

「「あー…………」」


無言で辛さを共感し合う乙女達(俺の心は男だけど)。


「ま、頑張ってね」

「今度結果教えてねー」

「あ、見には来ないんだ」


俺の対戦相手であるジライとはクラスメイトとの事なので、興味があるなら時間や場所を知らせようとしていたのだが、どうやらないらしい。


「だってジライちゃんと会うと面倒だし」

「ほんとそれな」

「へー、そうなんだ」


ジライの見た目だけは可愛かったが、アレなのかな。よっぽど性格がキツイのか、同性から嫌われるタイプのどっちかなのかな。


「それじゃ、お邪魔しましたー」

「またねー」

「あっ、ちょっと待って!」


二人は店に戻るためにそそくさと部屋から出ようとしたが、俺は彼女達を呼び止めた。


「「なに?」」

「いや、そのー、二人は黒曜の騎士の事ってどう思ってるの?」


今までも何度か会っているが、その度に黒曜の騎士に関する事を話している事が多いので、ちょうどいい機会だし直接聞いてしまおう!


「そんないきなり……。街のみんなはいろいろ言っているらしいけど、私はヒーローみたいにミステリアスでカッコいいから好きだなー」


おっ、マナAさんは俺の事が好きって言ってくれてる!うへへ、嬉しくてニヤけちゃいそうだけどバレちゃうから我慢我慢っと。


「ウチが思うに、トピエ団長は黒曜の騎士とくっつくんじゃない!?」

「なっ!?なんでそう思ったの!?」


そんなに絡みが無いのに変なカップリングができあがっているんですけど!?いやでも、黒曜の騎士として一番長く会話したのはトピエさんだから妥当なのか……?


「黒曜の騎士との会話の事を思い出していたトピエ団長はなにか様子がおかしかったし!」


えええ……。トピエさんは俺の事が好きなの?出会ってすぐだし顔も全然わからないのに?捕まったら交際を申し込まれたりするのかな……。うわ、絶対捕まりたく無いな。


「アハハ……。ありがとね二人とも。話ができて良かったよ!それじゃ、また今度ね!」


そうして、二人は俺の部屋から出て、買い物して帰っていった。

あー。全員が疑っているわけじゃなくて、黒曜の騎士にファンがいる事を知れて良かったー。おかげで俺のメンタルも回復できた。


「お待たせエオルー、パズル解けたよー」

「おかえりなさいムクロンさん。それと、犯人は現れませんでしたよ」

「オッケー、了解」


仕事が終わるまで二人で注意して観察していたが、結局その日は犯人が現れる事はなく、商品が盗まれた形跡もないなど平和に業務を終える事ができた。

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