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犯人の手がかりは無し

 その後、しばらくは質疑応答は続いたのだが、あるタイミングでトピエさんがエルヴェンヌ女王様に耳打ちをした。すると、残念そうな顔を浮かべてから我々民衆へと話される。


「申し訳ありません皆様、私はそろそろ城に戻らなければなりません。それでは、ごきげんよう」


どうやら予定の時間がやってきたらしい。まだ、会議や調査等やる事が多く忙しいだろうから仕方ないのだが、速やかにトピエさんと共にワープして城へと帰られてしまった。

そして、タイミングで報告会はお開きになってしまい、民衆達もゾロゾロと自分の仕事や家へと帰り始めた。あぁ、できる事ならもっと見惚れていたかったが仕方ない。


「ムクロンさん?その、大丈夫ですか?」


すると、エオルが俺を気遣って声をかけてくれた。思い返すと、俺こと黒曜の騎士が民衆から不審に思われている時も何か言おうとしてやめている素振りを見せていたが、「俺がショックを受けたのではないか」と心配したのだろう。


「疑われた事?いや、全然気にしてないよ。むしろ疑われない方がおかしいと思う。エオルにも疑われるくらいだし、事情を知らない人達だと尚更怪しむだろう」

「僕がもしムクロンさんとたまたま出会ってなかったら、黒曜の騎士はなぜ素性を明かさないんだろう?と勘繰ってしまうような気がします」


思えば、エオルと出会ったのも、正体をなりゆきで明かしたのも全ては偶然だった。もしかしたら、俺が助けたのが下心丸出しのおじさんとかだったらめっちゃ嫌だったから、エオルと会えて超絶ラッキーだった。


「だよなぁ……。正体を明かさなきゃならない日も近いのかもな。明かしたくはないけど、民衆が不安に思ってるなら言ったほうが安心するだろ?」

「……でも、そうすると男として生きるのを諦めるって事になりますよ」

「…………だな」


内心、完全に女性の精神として生きる決心はついていない。まだ女心もわからないし、女性の感性も身に付けていない。それに、ゲームを楽しんでいた時のように、素の自分をさらけ出してリラックスする事もできなくなる。正直なところ、決して言いたくはない。


「俺がもし国お抱えの騎士になったら、エオルともなかなか会えなくなりそうだしな……」


国のお偉いさん方と真面目でお堅い話だけをしながら指示通りにモンスターやマオウグンと戦うだけの毎日になるだろう。……仕事と同じじゃん。


「ムクロンさん、今話している人は誰かしら?」


おっと、いきなりミイヤさんに少し離れた場所から話しかけられた!さ、さっきの会話聞かれていないよな?


「ミイヤさん!えっと、この子はエオル、私の働いている魔道具店の店長です!」

「はじめまして、エオルです!」

「あ、女の子だったのね。勘違いしてごめんなさい。私はミイヤよ」


どうやら、俺が男と会話していると勘違いしてしまっていたようだ。なるほど、マーレスという彼氏が居ながらも別の男の子と話していると誤解したんだな。うんうん……って、誰がマーレスの彼女だよ!


「あれ?そういえばマーレスとシェーナさんは居ないんですか?」

「二人はトピエ団長に呼ばれて調査団に参加したわ」

「へー、あ、そういやトピエさんが帰り際に行ってましたね」


でも、ドラゴンキング調査団の時もだけど直接誘われたのはマーレスだけなのに、シェーナさんも追いていってしまったのか。


「そういえば、犯人探しがどうなったか知ってますか?」


トピエ団長に呼ばれたって事を知っているという事は、マーレス、シェーナさん、ミイヤさんが一緒にいるタイミングで呼ばれたんだろう。トピエ団長も事件現場を調べ終わったあとだと思うし、手がかりの一つや二つくらいあるだろう。


「いいえ、進展はないわ。ただ、マーレスとシェーナが国に犯人の顔について話したから似顔絵は作るって」

「似顔絵かー」


この世界にはカメラが無いから指名手配に使う物は似顔絵になるのか。もしそれを見かけたら、自分が覚えている犯人の顔と見比べて似ているかどうか判断する遊びをしよう。


「犯人は魔道具店を狙ってたのよね?うふふっ、犯人が来なければいいわね」


ミイヤさんは俺達二人の事を心配してくれた。途中で少し笑ったけれど、「まぁ、いろいろ店があるから来ない確率の方が高いわね」と思ったからだろう。


「じゃあ、私はこの辺で失礼するわね。ただ、見かけて泥棒について報告しにきただけだから。それに、今はマーレスに守ってもらえないんだし、気を付けるのよー!」

「はーい!気を付けまーす!」


そうして、俺達二人はこの場を去っていくミイヤさんに対して手を振ってお別れした。そして、ミイヤさんが見えなくなったタイミングでエオルが俺に対して質問する。


「なんでマーレスさんに惚れられている事を知っていたんでしょう?」

「ミイヤさん、マーレスとシェーナさんの幼馴染だから」

「へー、そうなんですね!また新しい友人ができて良かったですね!」

「オシャレで女子力高そうだから会話が難しいけどな」


そうしてしばらく会話したのち、明日も仕事だし今日は早く寝ようという話になり今日はそこで解散して二人ともそれぞれの家に帰って行った。

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