表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/113

第9話 エオル救出作戦

 あの二体は木々の上を通ってオーク達が住んでいるアジトまで行ったはずだ。まだ間に合うという可能性に賭けて後を追う。


「"飛行(フラウェ)"!」


 上に飛んで木々の上に行き森の上空を見てみたが、既にその姿は無かった。どうやら、逃げられてしまったようだ。


「居ないか。なら、この森のどこかに潜んでいるな」


 上から見下ろしたが、木が多くて地上がよく見えない。 それに、上からこの広さの森を全部手当たり次第に見たら時間がかかる。


「でも、あのオークキングは賢いし、そもそも人目に付かない洞窟とかに隠れてる可能性もある。どこに居るか全くわからないな。……一度降りて案を考えなきゃ」


 慎重にトラップが無い安全な場所に着地して地上に戻ってきた。

 この状況を打破できるアイテムや魔法はあっただろうか?


「これ、かなりヤバい状況だな……」


 この広い森の中でどうやってアジトを見つけ出せば良いのだろう。潜伏魔法を使って気配を消して、ヤツらが飛んでいる所に偶然出会わせるまで待つしか無いのだろうか?

 だが、そんなに悠長にしていては、その間にエオルがオーク達に(もてあそ)ばれてしまうかもしれない。


「うーん、どうすれば今すぐ誘き出せるんだろう」


 オーク、もしくはスピードイーグルの好きな物を用意すればそれを取りにやってくるはずだ。


「そうだ、アイツはオークだから女性を襲ったんだよな。だったら、俺が鎧を脱げば匂いを嗅ぎ取って、また襲いにくるんじゃないか?よし、早速脱ごう」


 この案に賭けるしか無いと思った俺は、すぐに鎧を全て脱いで私服になった。


「鎧も仕舞ったし、あとは念の為にここから離れた場所に移動して、さっきの黒曜の騎士とは別人のフリをしよう」


 同じ場所に居ては同一人物だと疑われるかもしれないので、飛んで少し離れた場所に向かう。

 …………移動してから少し待ったが、未だにあの二体は飛んでこない。


「早く来い!あれかな、色気がもっとあった方が良いのかな。もっと脱ぐか?……いやダメだ。下着姿で森の中に居るのを誰かに見られたら終わる!」


 そしたら、エオルを助けに行くより先に露出狂として逮捕される。

 ここはやめておいて別のアイデアを考えよう。


「よし、戦えない女性のフリをしよう」


 自分がスプラッター映画の登場人物のフリをするのが良いかもしれない。このシチュエーションともピッタリだし、アイツも襲いやすいだろう。

 首をキョロキョロ動かして周りをひどく警戒しているフリをして、中盤であっけなく死ぬギャルになりきる。


「はぁ、はぁ……!この森を抜けて、私は絶対に生き残ってやる!どうやら、エオルはアイツらにやられちゃったようね。ハハッ、いいザマだわ!」


 念の為に死亡フラグもしっかり建てておく。こんなセリフをいったキャラは襲われる事間違いなしだ。


 すると、バサッと先ほどと同じで羽を動かす音が聞こえて、オークとスピードイーグルが再び現れたのが見えた。

 そして、エオルの時と同じでガシッと鷲掴みにした。


「やった!じゃなかった。キャーーーー!!」


 やっと掴まれたので、このままか弱い女性のフリをし続けていればエオルのところまで運んでもらえるはずだ。


 掴まれえ数分間運ばれると、ある人目につきにくい洞窟に入っていき、そこを抜けるとオーク達が住んでいる拠点に繋がった。


「ここがオーク達の住処(すみか)か。エオルは無事かな?……あっ、居た!」


 オーク達が集まっている中心に、サスペンダー付きのズボンを脱いだ状態のエオルが立っていた。

 恥じらいながらも、パンツが見えないように必死に上の服を伸ばして下着を隠している。


「服を着てるし、多分まだ無事だな。よし、今行くぞ!」


 これ以上捕まっている必要は無いと判断した俺はスピードイーグルの体に向けて手を伸ばし、魔法を打ち込む。


「"地獄の業火(インフェルノ)"!」


 放たれた業火がスピードイーグルを包み込み、相手は一瞬にして見事に大きな鳥の丸焼きになった。

 熱さのあまり掴まれていた脚が開いたので高所から落ちたが、スーパーヒーローのようにカッコいい着地を成功させて華麗に地面に降り立った。


「くっ、オークは逃げたか!」


 残念ながらスピードイーグルの上に乗っていたオークには間一髪でジャンプされて逃げられた。

 そして、大きく飛び上がって着地した後に、近くに居たエオルの喉にナイフを突きつけて人質にした。


「エオル!」

「ムクロンさーん!」

「くそっ、悪知恵の働くオークだ」


 そのオークが周りの他のオーク達に何か指示を出す。

 すると、他のオークが一斉に俺の方に向かってきた。


「アイツ、オーク達のリーダー、オークキングだったのか!だとしても、遥かに頭が良過ぎるが」


 上位のモンスターだったとしてもゲームで出た時よりも飛び抜けて頭が良いことに変わりない。

 エオルのためにも気を引き締めて戦わなければ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ