鬼を操る黒子
「"飛行"!」
急いでその場で浮き始め、ポーチから剣を取り出してから、村に向かって走っている鬼のうち一体に距離を詰めて攻撃する!
「"薙ぎ払う雷剣"!」
鋭い剣の一撃に強い雷魔法を纏わせた一撃が鬼に命中し、鬼はその場で体がバラバラに砕けて黒い煙に変わり始めた。これなら、いすれ完全に消滅するだろう。
「まず一体……次!」
鬼の死亡を横目に確認しながら、次の鬼の場所へとすでに到着する。早く三体を倒して村人達の加勢に行かなければならないのだ!
「"薙ぎ払う雷剣"!これで二体……!」
鬼は持っている槍で反撃する暇もなく、空中から素早い一撃を放ちこの世から葬り去った。
「そして……三体!"薙ぎ払う雷剣"!」
バチッ!
ふぅ、最後の鬼も難なく無事に撃破できた。よし、助ける為に村人達の元に早速戻るぞ……!
ピーーーッ!
その時、再び笛の音が鳴り響いた。今の音は……こっちから聞こえたな!今度は方向を特定する事ができたぞ。ん?近くの木の上に誰か立っているな。
木の上に立っていたのは、全身を布で包み、まるで歌舞伎で裏方の役目を務める「黒子」のような見た目をした人だった。そして、顔を覆っている白い布には大きな一つ目が描かれている。ホイッスルのような小さな笛を口元から外したので、どうやら中には人が居るようだ。
「なんだアイツ……アイツが指揮官か?」
見るからに鬼の仲間……というかリーダー格が現れた。アイツが鬼を指揮してモンスターや村を襲わせていたマオウグンなのか?
「グギャアアア!!」
「え、鬼?いつの間に!?」
気付かぬうちに、黒子のいる木の近くに鬼が四体も現れて俺に向かってきた!おかしい、ついさっきまでは居なかったはずだぞ?
「だが、固まってるならチャンスだ!」
鬼は空中にいる俺に向かってそれぞれの武器を振るが届かないが、諦めて村の方に向かわれると厄介だし、ここで倒しておかねばならない。
「"雷の牙"!」
剣を振ると、鋭い雷が発生して四体居る鬼の体を一気に引き裂いた。ふぅ。これ、強いし便利な技なんだけど、この技を使うとマーレスにぶっ飛ばされた記憶を思い出すから嫌なんだよな。
「で、お前は誰なんだ?」
俺は木の上にいる黒子に話しかける。知性がありそうだし、もしかしたら会話もできるかもしれない。コミュニケーションを取れたらマオウグンに関するヒントを増やせるのだが……?
「そりゃ、ワシに言っとるんかのぅ?」
「喋った……!」
俺の質問に答えてくれた!そして、喋り方もだけど、声もおじいちゃんの声だった。えぇ……老人と戦うのはちょっと躊躇してしまうな。敵な事はもちろん分かってるんだけど、体が無意識に拒否してしまう。
「それとも、コイツかのぅ!?」
いきなり、黒子が袖から謎の小さな玉を飛ばしてきた!
ボワンッ
「グギャアアア!」
「た、玉が鬼になった?」
すると、その玉が突然、先ほど倒した鬼に変化した!
そして、ガシッとその鬼に鬼に抱きつかれるように体を掴まれてしまう!
「くっ、離せぇ!」
鬼は怪力で黒曜の鎧を握り潰そうとするが、腕を動かせるので剣は使える!
「"薙ぎ払う雷剣"!」
「グギャアアアアア!!」
なんとか、抱きつかれた鬼は撃破する事ができた。あ〜、ゾッとした〜。鬼に抱きつかれるなんて、もう二度とごめんだ!
「ほぅ。ウヌが相手じゃと、鬼のストックが足りんのぅ」
黒子は俺を見てそう呟く。それと今、鬼という単語を使わなかったか!?それじゃあ、やっぱコイツらって昔話とかに出てくる鬼なのか?
「お前が鬼達を従えていたマオウグンか」
「ほぅ?マオウグンの事を知ってるなんてのぅ。それにこの凄まじい強さ……主様に報告した方が良さそうじゃ」
主様だと?って事は、この黒子のまだ上に、裏で糸を引く人物が居るっていうのか?ていうか、マオウグンって会社みたく上下関係があるんだろうか?
そして、俺が今まで何度も倒してきた鬼の正体って一体なんだ?




