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ノンデリカシーのマーレス

 「……了解した。ドラゴンキング調査団でも役に立ってくれた二人の事だ。信用しよう」


俺とは違って、トピエさんはアッサリとマーレスの言った事を信用した。やっぱ、素顔が見えていて面識がある人とは信頼感が違うわな。街中で見ず知らずの人から手作りの食べ物をプレゼントされても食べる人はいない。


「先に指名手配の用意をしてから、念のために森の捜索に向かう事にしよう。情報ありがとう二人とも……ところで、そちらのお嬢さんは知り合いか?」

「えっ……私ですか?」


まさか話しかけられるとは思っていなかったからビックリした。その場に居合わせただけの人にも見えるから何もかからないかと油断してた。


「あっ、みんなここに居たのね」


そして、その時にちょうどミイヤさんが路地裏の方にやってきた。しかし、トピエさんが通路の入り口の近くに立っているので遠慮して横を通らないので俺達の方には来ないようだ。


「その、前に抱えられて上空を飛んでなかったか?」

「え!?見られてたんですか?」


マーレスにお姫様抱っこされて空中散歩していたの見られてたのかーーーー!?!?めっちゃ恥ずかしいんですけど!!


「えっ、どどど、どっから見てたんですか!?」

「城から周囲を見渡していたのだが、その時に」


トピエさんって、いつもそこから見張ってるの!?いや、女王様を守る為にそこにいるのか?


「見られてたなんて〜〜〜〜、は、恥ずかしい!」


なんだか顔が熱くなってきたから顔を抑える!しかも、恥ずかしすぎて変な汗かいてきちゃった!あー、アッツい!


「本来は一言注意するべきだったのだが、良い雰囲気に割って入るのは悪いと思い見逃してたのだ」

「……ありがとうございます」


知らないうちにめっちゃ気を遣わせてしまっていたらしい。


「マーレス?ムクロンちゃん、やっぱり嫌がってたんじゃない」


俺をお姫様抱っこした事自体はシェーナさんも知っていたようだが、俺が慌てている様子を見て迷惑をかけたと判断し、マーレスを叱る姿勢に入った。


「ううっ、姉さんごめんなさい!」

「私じゃなくて、ちゃんとムクロンちゃんに謝るのよ!」


トンッ、とシェーナさんに背中を押されたマーレスが俺の前にやってきた。俺もその謝罪を聞き入れる為にマーレスと見つめ合う。


「その、ムクロンさん!いきなりお姫様抱っこして、街の上を一緒に飛んでしまい申し訳ありませんでした!」


おいマーレスウウウ!オマエッ、大声で言うんじゃねええええ!!



「バカ!大声で言うな〜〜!!周りに聞かれたらどうするの!!」

「あっ、すみませんでした!」


コイツ、バカ真面目なんじゃなくて本当のバカなんじゃ無いの!?


「お姫様抱っこ……?ウソでしょ」


ほら、知らなかったミイヤさんがショックを受けてしまってるじゃねーか!でも、ギリギリ通行人には聞こえてなさそうだったのは良かったー!本当に心からそう思う!


「ははは……それで、私は店の状況を見に行く為にこちらを離れる。それと、場合によってはマーレス殿、貴殿にまた協力を依頼するからな」


今の光景を見ていたトピエさんは苦笑いしつつ俺達に別れを告げる。やはり、警備団長という立場があるゆえに忙しいのだろう。なにか事件が起きたらその後の対応もやらなくちゃいけないし、俺達の茶番に付き合っている暇は無いのだ。


「あっ、はい!よろしくお願いします!」

「それでは、またな。……彼女を大切にしろよ」

「ちがっ、彼女じゃ……!」


トピエさんが持っているあらぬ誤解を解こうと話しかけようとしたが、店主と一緒に店へと向かって歩いていった。誰がマーレスの彼女だよ、男と付き合うなんて絶対にありえないっての!


「はぁ……マーレス。あなたはもっとデリカシーを身につけた方がいいわね」


シェーナさんは不甲斐なく間抜けな弟の事を憂いていた。姉を心配させるだなんて、まったくひどい弟だ。反省しろよな!

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