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異世界のオタク文化!?

シリアス続きだったのですが今回はギャグ回です。

本筋とはあまり関係ありません。

 でも、わからないからと言って何もしない訳にはいかない。自分のできる範囲で探すとか、やれる事はやっておきたい。


「探すけど、これって見つからない方が安心なんだよな」


侵入して居ないのが一番良い展開なのだが、もし実際に侵入し何かを企んでいて、今この時間も計画が進んでいるのなら最悪だ。


「見つからない事を祈りつつも、全力で探そう」


朝起きられなかったので現在の時刻は昼前だ。人もそこそこ多いし、目を通すには良い時間帯だろう。


「普段通る場所や前にシェーナさん達と巡った場所はいいや。まだ行った事のない所に行こう」


捜索範囲を絞ったので、向かう道中も道ゆく人の顔をチラッと確認しつつ、ティエスカの中心地から外れた場所にやってきた。


「ここか。んー、ゲームには無かった場所だな」


ゲームで描写が省かれたという事は、失礼だが有名な店や主要な施設は無いんだろう。


「それでも人は多いな。知らない場所だし、マオウグンと別に何か発見があるかも」


同じ街に住んでいても、ちょっと生活圏を外れればそこは未知の場所となる。それにここは都会だ。田舎だと田んぼが広がっていて景色があまり変わらないが、住宅街なので建物がちゃんとある。

道ゆく人の顔を確認しながら街を歩くが、初めて見た店に心が惹かれて観光の方がメインのようになってしまう。


「へー、この店って木彫りの置物を手作りしてるんだー。えっ、こっちは高級食パンの店?」


いろんな発見があってめっちゃ楽しい。新しい店を一つ知るだけで、日々の楽しみ、会話に使えるネタが増えるのですごく得をした気分になる。


「おっ、この店は!」


その中でも、とある店に目を奪われて立ち止まってしまった。看板を一目見て、俺のオタク心がガッシリと掴まれたのだ。


「コミックカフェ!スゴい萌え絵の看板……!」


その店の雰囲気はパッと見だとオシャレな雰囲気のカフェなのだが、主張の強い看板からこれでもかと放たれているオタクの波動が他の要素を全てかき消している。フッ、最高かよ。


「この世界にもオタク文化があったのか……!」


今居る世界自体が二次元みたいなものなのに、そこに来てもなお、二次元や創作を求めている俺が居る。創作自体はいつの時代も(それこそ紀元前から)ある行いなのだが、萌え絵の域に突入しているのか。

興奮してきたな。入ってみよう。


キィー


「いらっしゃいませ」


中に入ると、ダンディな老紳士がカウンター兼厨房に立っていた。あれ?お店間違えたかな?この人が萌え絵の看板を置く人だとは思えないんだけど。


「えーっと……あっ、漫画あるじゃん!」


一応店の中を確認すると、本棚が置かれていて、中には同人誌のように薄い本が並んでいるのを発見した。うそっ、このマスターが同人誌いっぱい持っているの!?


「マスター、ここの漫画読んでもいいですか?」

「なにか注文していただければ可能でございます」

「ですよね。メニュー表は……」


ちょうどお昼どきだし、朝メシも食べてなかったからちょうどいい。というか、メニューは普通のオシャレなカフェと同じだった。


「じゃあ、コーヒーのブラックとデミグラスハンバーグで」

「かしこまりました」


よし、注文を済ませたしすぐに本棚に向かうぞ!幸い、まだピークの時間帯じゃないので他に客は居ない。人目を気にせずに読ませてもらう!えーと、全部薄い本だから表紙を見て確認しよう。


「どれも作画レベル高い!いやいや、中身も確認しておかないと……あー、中の絵もキレイ!」


思わずページを捲る手が止まらなくなり一つの本を読み終えてしまった。


「なるほど。一話完結型の話がメインなのか」


単行本って訳じゃなくて、本当に同人誌のような本なんだな。


「お待たせいたしました。こちらに置いておきますね」

「はい。ありがとうございます」

「漫画に興味があるのですか?若い女性にしては珍しい……」

「えーっと、看板の絵が可愛かったのでつい入っちゃいました!」


そういうと、マスターは嬉しそうに微笑んだ。


「この看板は、私の推しである「グラス先生」に依頼して書いていただいたものです」

「グラス先生か……どれだろう」


マスターが推している先生が書いた本が気になって本棚を探す。


「これか。あっ、これもそうか。いろんなジャンルに挑戦してる方なんですね」


奇抜かつ面白いアイデアを書く先生だ。若々しくフレッシュな印象を受けるが、作品はしっかり面白い。


「依頼って事はお知り合いなんですか?」

「いえ、販売している時に持ち込んで書いていただきました」

「へぇー、そんなコミケみたいな感じで売ってるんだー」

「失礼、コミケとは?」


あ、そっか。コミケの概念がこの世界に無かった。


「えっと、個人で販売している本を売る場所の事です」

「ふむ……。漫画とは普通そう売っている物では?」

「え?漫画雑誌とか無いんですか?いろんな作品がまとめて載っていて、本屋に売ってるやつ」

「そのような物はありません。漫画はまだ万人に受けいれてもらえず、好きな人が買いに行く物ですから」


つまり、漫画は同人誌しかないって事か!?前の世界とは全然違うなー。アレなのかな。少年漫画とかスポ根漫画とかをスッ飛ばしていきなり薄い本が主流になったのかな。じゃあ、この世界の漫画って「本当のオタクだけが読む、知る人ぞ知るコンテンツ」なのか。

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