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四度目のお風呂回

 「ん?今の声って……」


脱衣所に行き服を脱ぎつつも入り口の方を見る。すると、見慣れた少年が入ってきた。


「うわっ!?変態!」

「え?僕ですよ。ムクロンさん!」

「あっ、なーんだエオルかー。ビックリしたなーもー」

「わざと言ってる時の言い方ですよね?」

「アハハ、バレた?」


声でエオルだとわかってたし、最近イジってなかったから久々にイジったのだが、前と同じく元気にツッコんでくれた。


「元気になったか?」

「えぇ。ぐっすり眠れました。お仕事ありがとうございました」

「うん。ポーションはちゃんと仕入れといたよ。ていうか、いつも家の近くの店に行くのに今日はここなんだ」


それも、こんなピッタリなタイミングで会えるなんてスゴい偶然だ。


「それは……気分転換ですよ。さぁ、早速入りましょう!」

「お、おう」


エオルがそそくさと脱ぎ始めたので、俺もつられて急いで服を脱ぎ、タオルで髪を縛って大浴場に向かった。

掛け湯をしてから並んで同じ風呂に浸かる。


「ん〜!風呂はいいな……」

「どうしたんですか?改まって」

「いや、別に?」


鬼の一件を忘れられるといいたかったのだが、周りに人もいるので控えた。エオルにも第二のマオウグンに会った事を共有したいのだけど、また不安にさせたら悪いし黙っておこう。


「またエオルと風呂に入れて良かったなーと思って」

「……どういう意味ですか?」


エオルの事を見ながら話したせいで誤解されたのか、胸を隠して不審な目で見られた。


「邪な気持ちで言ったんじゃなく、気の許せる関係に戻れた事が嬉しくて」


今朝はめっちゃ疑われて攻撃される一歩手前だったが、関係が修復して再び一緒に温泉に入れる仲に戻れたのが感慨深かった。


「朝の事は本当にすみませんでした」

「これから信用を得られるように頑張るからさ。あと……」


他の人に聞かれないように、エオルの耳に手を当ててコソコソ話で昼の出来事を伝える。


「トピエ団長は、一応話を聞いてくれたけど信用はされてなかった」

「……ですよね。素性を知ってる僕ですら疑ってしまったから、尚更警戒されてるでしょうね……」

「とにかく、探して捕えるしかないな。他の冒険者や国よりも先に見つけたいし、明日も探しに行こうかな」


明日は仕事が無いから丸一日休みだし、マオウグンの居場所を調べにいろんな街に行って聞き込みしたり、森の中を探すつもりだ。


「森は広いし、そう見つからないんじゃないですか?それなら、街の中を探す方が良いかもしれません」

「街……ティエスカの中を?」

「エイダちゃんの事もありますし、ムクロンさんなら見分けられるんじゃないかと……」


そうか、エイダは普通に街の中に居たもんな。闇雲に外を探すよりも、街に潜んでいるマオウグンを探す方が良いかもしれない。


「わかった。明日は街の中を探してみる」

「ありがとうございます」


こんなお願いをするって事は、エオルはまだ疑心暗鬼になっており街の中でも安心して暮らせないのだろう。しっかり安心して眠れるように、明日は街の中を一度確認しに行こう。

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