鬼が出るか蛇が出るか
体をくねらせる事なく一直線でアナコンダが向かってきている。
「弱点は炎だったけど……外して木に当てたくないな」
木を壊すの、エイダが嫌がってたしな……。あ。そういやスライムキング倒した時に「やった……!」って大人のエイダが呟いてたけど、あれは木をこれ以上減らしたくなかったからか。
「じゃあ、"水の斬撃"だ!」
外しても問題の少ない魔法を選び、圧縮した水を手のひらから放ってアナコンダに当てた!
「くっ、倒しきれなかったか!」
当てて重症を負わせたが、そのせいで激怒し、口を大きく開けて俺に迫る!体内はネチャネチャしてそうだから、絶対に食われたくないぞ!
「なら、こっちが逆に食ってやる!"猛る暴撃"!」
剣を取り出して振るとアナコンダの頭が抉られて丸ごと消滅した。そして、残った体はしばらく動いたのち完全に停止した。
「ふぅー、ゲームの時からエゲツない技とは思ってたけど、リアルになるとよりヤバさが際立つな」
抉って消すとかめっちゃ敵が使いそうな技だしな。無くなった頭はどこに消えたのかは俺も知らない。
「てか、池で暮らしてるはずなのになんでここに居るんだろ。これも異変の影響か?」
次はアナコンダの群れがティエスカに向かってくるのかな。その割には一体しか居なかったが。他のルートから向かっているのか、それとも今倒したコイツがアナコンダキングだったかは定かじゃない。
「調査の為に池に行ってみよう。アナコンダが来た方向にあるし」
大きな池に何体か住んでいるから、ソイツらの様子を確認すれば操られてるかを確認できるだろう。
「……あれ、誰かいる」
向かおうとすると、アナコンダの後を追ってきたかの様に、何者かの人影が木々の隙間に居るのを発見した。目を凝らしてそのシルエットを見ると、手に何かを持っていて、頭には何か突起がある。
「兜を被った剣士……?冒険者かな」
近くのスービエ村から来た人か、はたまたさすらいの冒険者か。俺以外の冒険者と会っても不思議じゃないしな。
……いや違う。太陽の元に照らされてハッキリ姿が見えたが、それは人間では無かった。しかし、日本人である俺には見覚えのある姿だった。
「アレは……鬼?」
頭の突起は兜では無く、頭から生えた物。手に持っていたのは、剣ではなく金棒。それに、その体は全身赤色だった。
「日本風の鬼だ……。どう見ても異世界の者……マオウグンか!?」
「木」の次は「鬼」か……!マオウグンには鬼も所属しているのか!?全員がエイダのような木の人間な訳じゃなかったとは……。それにしても、妖怪である鬼まで仲間だとは思わなかった。
ジッ……
「やべっ」
思わず立ち尽くして眺めていると、鬼と目が合ってしまった。すると、ヤツは走ってこっちに向かってきた!




