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信用得られず

 少し脱線したが、閑話休題。マオウグンに関する話に戻そう。


「それで、次はマオウグンに関してなのですが、この言葉に聞き覚えはありませんか?」

「……うーん?知らないな」


トピエ団長は頑張って思い出そうとしているのか(うな)っている。この反応を見るに本当に知らないのだろう。まぁ、国の重要機密なら部外者に漏らしてはいけないので、隠している可能性も否定できないが。


「これはあくまで俺の予想だが、素直に考えると、魔王が率いる軍の事だと思うんだ」

「マオウ?なんだそれは」


あっ、しまった。この世界の住民は魔王って単語に馴染みが無いのか。えーっと、魔王ってなんて説明すればいいんだ?まぁ、頑張って説明して見るか!


「えーっとですね。魔王というのは創作物のラスボスによく登場する悪の権化(ごんげ)の事でして、ファンタジー作品には結構な頻度で登場する敵なんですよ」

「……よくわからないが、おとぎ話や伝説に登場している存在なのか?貴様の黒曜の鎧と同じく」


専門用語を多用して説明したが、魔王が伝説上の存在であるというニュアンスは伝わってくれた。


「まぁそんなところです」

「貴様と同じ、伝説の存在か……なにか、関係性がありそうだな」


これは、エオルと同じで、俺をマオウグンの仲間や同胞だと疑っている雰囲気だ。またしても、納めた剣に手をかけて俺への警戒心を(あら)わにする。


「いや、俺はマオウグンの仲間じゃありませんからね」

「現に一人撃破したと聞いたので仲間の線は薄いが、別の特殊な存在である可能性がある……」


どうやら、呟きながら考えをまとめているようだ。


「やはり、貴様の素性を確認しておいた方が安心か……」


こ、この雰囲気はマズイ!マーレスと同じで、武力行使で俺を捕まえようとするかもしれない!かといって抵抗してもダメだし……急いでワープして離れなきゃ!


シュンッ


「はーっ。生きた心地がしなかった」


咄嗟に部屋にワープして帰ってきたが、今でも心臓がバクバクしている。


「信じてくれたかはわからないが、国に伝えてくれるのを祈るしかないな……」


さて、今から異変が起こってそうなスービエ村付近を探検しにいこう……と思ったけど、緊張して疲れたからか、ベッドから目が離れない。


「なんか疲れたし、一度休んでから行こっと」


一度鎧を脱いでからベッドに倒れ込み、睡魔に自分の体を(ゆだ)ねた。


ベッドの中でトピエさんの事を思い返したが、同じ結婚できてない者仲間として応援したくなる人物だと思った。ていうか素を見せられれば、もしくは甘えられる人が見つかれば上手く交際を進められそうだな。まぁ、彼女できた事のない男からのアドバイスほど役に立たない物もないと思うが。

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